更新日: 2024.08.10 ふるさと納税

先輩から「ふるさと納税は2000円で牛肉1.8キロもらえて節税にもなる」と言われています。かなりお得な制度だと思うのですが、今からでも利用すべきでしょうか…?

先輩から「ふるさと納税は2000円で牛肉1.8キロもらえて節税にもなる」と言われています。かなりお得な制度だと思うのですが、今からでも利用すべきでしょうか…?
「実質2000円の負担で節税ができて返礼品に高級な牛肉やフルーツがもらえる」
 
このような話を聞いて、ふるさと納税に興味を持った人もいるのではないでしょうか。結論からいってしまうと、ふるさと納税は節税目的だけで始めるのはおすすめできません。
 
本記事ではふるさと納税の概要とメリット、今後の改正に伴う注意点を紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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ふるさと納税は任意の自治体に寄付ができる制度のこと

ふるさと納税は、自分が生まれたふるさとや応援したい自治体に寄附できる制度のことです。
 
ふるさと納税による寄附金の使い道は各自治体によって異なっており、寄附した金額の約3割がお礼の品の調達に利用され、残りは寄附した人が指定した使い道に利用されるという自治体もあります。
 
地方で生まれ育った子どもが進学や就職を機に都会に生活の場を移すと都会で納税することになり、生まれ育った故郷には税収が入りません。
 
そこで「自分を育んでくれた『ふるさと』に、自分の意思で、いくらかでも納税できる制度があっても良いのではないか」という趣旨のもとでこの制度が始まりました。ふるさと納税をすると、2000円を除いた全額が控除の対象になり、所得税や住民税から控除されます。
 

ふるさと納税は節税の仕組みではなく任意の自治体に納税できる制度

ふるさと納税をすることで翌年の住民税の減額や所得税の還付という税制メリットを得られるうえに、寄附金額3割以下の返礼品を受け取ることができます。
 
「節税できる制度」とイメージされることが多いですが、実際には「寄附」という形で税金の前払いをしているため節税とはなりません。
 
また、2000円が控除の対象外になっているため、寄附金と控除額を比較するとマイナスの制度ともいえます。ふるさと納税が「お得」と呼ばれるのは、最大で寄附金額の30%に相当する返礼品が受け取れることが大きな理由です。
 
例えば、地方自治体のA市に3万円を寄付した場合、最大で9000円分の返礼品を実質2000円で得ることができます。お金の動きだけみれば寄附金は3万円で控除額は2万8000円、つまり2000円のマイナスになるので節税にはならないものの、返礼品を含めたトータルではお得な制度といえるでしょう。
 

最新の「ふるさと納税の指定基準の見直し」ではポイント付与が禁止になる

ふるさと納税がお得といわれている理由の1つに「ポイントが付与されること」があります。ふるさと納税仲介サイトによっては「寄附額の○%をポイント還元」をおこなっており、この仕組みによって、2000円の負担を実質的に小さくすることが可能でした。
 
ただし、2024年6月28日に公表された「ふるさと納税の指定基準の見直し等」によれば、今後は寄附に伴ってポイント等の付与を行う者を通じた募集を禁止すると規定されました。
 
令和7年10月1日から適用されるため、少しでもお得にふるさと納税で返礼品を受け取りたい人は早めに制度利用を検討してください。
 

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まとめ

ふるさと納税は寄附額に応じて所得税の還付や住民税の減額が行われるため「節税」のイメージがありますが、実際には翌年の住民税や所得税を寄附という形で先払いしているため節税ではありません。
 
一方、実質2000円の負担で自分が好きな自治体に納税でき、加えて寄付金額の最大3割の返礼品を受け取れるため「お得な制度」ではあります。令和7年10月1日からはポイント還元が受けられなくなるため、気になる人は早めの制度利用を検討してください。
 

出典

総務省 よくわかる! ふるさと納税
総務省 ふるさと納税の指定基準の見直し等
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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