更新日: 2024.10.09 ふるさと納税

子どもがいない友人夫婦はふるさと納税に「6万円」も寄付しています。そんなに納税して損しないのでしょうか?

子どもがいない友人夫婦はふるさと納税に「6万円」も寄付しています。そんなに納税して損しないのでしょうか?
ふるさと納税は、応援したい自治体に寄付すると所得税や住民税の控除が受けられる制度です。寄付額のうち原則として自己負担は2000円のみで、さまざまな返礼品を受け取れるため利用している方も多いのではないでしょうか。
 
しかし、控除額には上限があり、年収や家族構成によってどのくらいお得かが変わるため、ふるさと納税を始める前にはしっかりとシミュレーションを行うことが重要です。本記事では、ふるさと納税の仕組みやお得になる人の特徴、年収・家族構成別のふるさと納税額の目安について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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ふるさと納税の仕組み

ふるさと納税とは、自分が選んだ自治体に寄付すると、その寄付金額のうち2000円を超える額について所得税や住民税から原則として全額控除が受けられる制度です。つまり、自己負担は2000円のみで、寄付額の大部分が控除の対象となります。
 
例えば、年収700万円の給与所得者で扶養家族は配偶者のみという方が3万円のふるさと納税を行った場合、2000円を超える額である2万8000円が住民税と所得税から控除されることになります。
 
ただし、控除を受けられる額には制限があり、控除額の上限より多く寄付した場合は全額控除の対象とならないため注意が必要です。
 
寄付額の上限の目安は、総務省「ふるさと納税ポータルサイト」に掲載されている一覧表や「寄附金控除額の計算シミュレーション」を活用できます。年収や家族構成によって異なるため、全額控除の対象となるには自分がいくらふるさと納税できるか事前に確認しておきましょう。
 
また、控除を受けるためには、原則としてふるさと納税をした翌年に確定申告を行う必要があります。なお、確定申告が不要な給与所得者の方などは、ふるさと納税を行った自治体の数が5団体以内の場合に限り「ふるさと納税ワンストップ特例制度」を利用できます。
 
特例の適用には、ふるさと納税を行う際にそれぞれのふるさと納税先の自治体に特例適用に関する申請書を提出する必要があります。必要な手続きを行わないと控除が受けられないため、忘れずに行いましょう。
 

ふるさと納税でお得になる人は?

ふるさと納税でお得になる人の特徴は、以下の通りです。


・年収が比較的高い人
・住民税・所得税を納めている人

ふるさと納税は年収が低いと損をする可能性があります。なぜなら、自己負担額の2000円に対して返礼品の金銭的メリットが少なくなるためです。
 
独身または共働きの年収150万円の方がふるさと納税をした場合、自己負担額が2000円で収まる寄付上限額の目安は8000円です。
 
返礼品の価値は寄付に対して3割以下と定められているため、8000円寄付した場合は2400円程度の価値がある返礼品が受け取れます。自己負担額2000円の寄付に対して2400円程度の返礼品となるため、大きなメリットは得られないでしょう。
 
一方で、独身または共働きで年収300万円の方がふるさと納税をすると、寄付上限額の目安が2万8000円となります。返礼品の価値は8400円程度となり、自己負担額2000円に対して6400円も高い返礼品が受け取れる計算です。
 
このように年収が高い人の方が、ふるさと納税をよりお得に活用できるのです。ただし、年収が高くても家族構成によってどのくらいお得になるかは変わります。自分の年収や家族構成を踏まえたうえで、いくらふるさと納税をするのか検討しましょう。
 

年収・家族構成別全額控除されるふるさと納税額の目安

自己負担額2000円を除いた全額が控除される年収・家族構成別のふるさと納税額の目安は、表1の通りです。ここでは、「共働き夫婦のみ」と「夫婦(ふるさと納税をする方の配偶者に収入がないケース)+子ども1人(高校生)」の場合に絞って解説します。
 
表1

ふるさと納税を行う本人の年収 共働き夫婦のみ 夫婦(片働き)+子1人(高校生)
300万円 2万8000円 1万1000円
400万円 4万2000円 2万5000円
500万円 6万1000円 4万円
600万円 7万7000円 6万円
700万円 10万8000円 7万8000円
800万円 12万9000円 11万円
900万円 15万2000円 13万2000円
1000万円 18万円 15万7000円

出典:総務省ふるさと納税ポータルサイト「全額控除されるふるさと納税額(年間上限)の目安」を基に筆者作成
 
同じ年収でも、家族構成によって納税額の目安が異なることが分かります。ふるさと納税を実施する際は、自分の年収と家族構成だとどのくらいの納税額であれば全額控除されるのか事前に計算することをおすすめします。
 

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共働き夫婦のみの場合、年収500万円以上あればふるさと納税で6万円寄付しても損はしない

ふるさと納税は、寄付を通じて自治体に貢献できるうえ、所得税や住民税の控除を受けながら返礼品も楽しめる魅力的な制度です。しかし、年収や家族構成によってお得になる度合いが大きく変わります。
 
今回のケースでは、「子どものいない友人夫婦がふるさと納税に6万円寄付している」ということですが、仮に共働き世帯であった場合、年収500万円以上であれば、自己負担額2000円を除いた全額が所得税や住民税から控除されるため、損をすることはないと考えられるでしょう。
 
自分の年収と家族構成ではいくら納税できるのか事前にシミュレーションを行ってから、ふるさと納税をしましょう。
 

出典

総務省 ふるさと納税ポータルサイト 全額控除されるふるさと納税額(年間上限)の目安
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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