単身赴任から「東京」へ異動することに。後輩に通勤用の「フィット」を25万円で売る予定だけど、20万円を超えると“所得税”がかかってしまいますか?

配信日: 2024.12.17

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単身赴任から「東京」へ異動することに。後輩に通勤用の「フィット」を25万円で売る予定だけど、20万円を超えると“所得税”がかかってしまいますか?
地方への転勤時に、通勤や普段の生活にどうしても自動車が必要になるエリアもあるかと思います。次に転勤する先では車が不要な場合、誰かに安く売ってあげることもあるのではないでしょうか。このときに得るお金に対して、所得税がかかるのか正しく理解していないと、余分に税金を払ってしまう可能性があります。
 
本記事では、通勤用の自動車を別の人に譲渡するときに得られるお金に対する所得税について解説します。
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譲渡所得とは

資産を売るときに得たお金から、売り渡した資産を取得するのにかかった費用、および売り渡すのにかかった費用を差し引いた金額は譲渡所得になります。
 
譲渡所得に対する税金は、売り渡す資産が土地や建物、株式などでなければ、給与所得などのほかの所得と合算して所得税を支払います。具体的に譲渡所得として課税される金額は、控除額も含めて次の計算で求めます。
 
譲渡所得の金額=譲渡で得た金額-(取得にかかった費用+譲渡にかかった費用)-特別控除50万円
 
売り渡した資産を所有していた期間が5年を超えるかどうかで短期と長期に分かれ、短期の場合は上記の計算式で求めた全額が譲渡所得となりますが、長期の場合は、2分の1の金額を譲渡所得とします。
 

所得税が課せられない譲渡資産がある

先ほど紹介した通り、資産を他人に売り渡したときに譲渡所得が発生する場合は、所得税を納めることが基本です。しかし、譲渡する資産の種類によっては非課税のものがあります。
 
最も身近な非課税資産は、家具、じゅう器、通勤用の自動車、衣服などの生活に通常必要なものです。ただし、貴金属や宝石、書画、骨とうなどで、1個または1組の価額が30万円を超えるものは除かれます。
 
今回のケースで後輩に譲渡したフィットは、通勤用の自動車に該当しますので、所得税がかかることはありません。
 

税金以外にも注意! 他人に自動車を売るときは名義変更が必要

税金面では非課税となることを解説しましたが、個人が他人に直接自動車を売るときはトラブルを招く可能性があり、注意が必要です。中でも特に注意したいのが名義変更です。
 
名義変更は、自動車の所有者に変更があった場合に、事由発生から15日以内に行う登録手続きで、買った側が行うことが法律で定められています。15日以内に名義変更を行わないと最大で50万円の罰金が科されます。
 
購入者が名義変更を行っていない場合には、次のようなトラブルが起こる可能性があります。
 

自動車税を請求される

自動車税の課税対象者は、毎年4月1日時点に車を所有している人です。名義変更を行っていなければ、自動車の所有者が変わっていないとみなされ、売った側に自動車税の納付通知が送られてきます。
 

罰金や反則金の請求が来る可能性がある

スピード違反や駐車違反などがあったときに、警察官は車のナンバープレートから車の所有者を割り出して、罰金や反則金の納付書を送付することがあります。前記の自動車税と同様に、名義変更していなければ売った側に納付書が送付されてくる可能性があります。
 

事故のときに自分が責任を問われる可能性がある

名義変更を済ませていない購入者が売り渡した車で事故を起こした場合、車を運転していた人だけではなく、車の所有者も一定の責任を問われたり、損害賠償義務を負う可能性があります。
 

通勤用の自動車を他人に譲渡するときは所得税がかからない

資産を他人に売り渡したときに、譲渡所得が発生する場合は所得税を納めなければなりません。ただし、通勤用に使用していた自動車は非課税の資産として認められているため、今回のケースでは所得税を支払う必要はないでしょう。
 
税金面以外に、個人で自動車を他人に売り渡す場合にはさまざまな手続きが必要です。特に名義変更は買った側が行う手続きなので、抜け漏れがないように注意しましょう。
 

出典

国税庁 No.3152 譲渡所得の計算のしかた(総合課税)
国税庁 No.3105 譲渡所得の対象となる資産と課税方法
e-Gov法令検索 道路運送車両法
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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