「年収400万円」の30代会社員。同僚に「ふるさと納税をやらないのはもったいない」と言われました。独身で年収も高くないですが、本当に「おトク」なのでしょうか?

配信日: 2024.12.24 更新日: 2024.12.27

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「年収400万円」の30代会社員。同僚に「ふるさと納税をやらないのはもったいない」と言われました。独身で年収も高くないですが、本当に「おトク」なのでしょうか?
年末が近づくとあちこちで見たり聞いたりする「ふるさと納税」。
 
でも「実際どういう仕組みなのか」「本当に得するのか」よく分からないという人もいるのではないでしょうか。特に、年収400万円の30代独身会社員であれば所得にそれほど余裕があるわけではないため、「余計な出費になるのでは」と気になるかもしれませんね。
 
本記事では「ふるさと納税って何?」という基本的な疑問から、年収400万円の30代独身会社員がふるさと納税を利用した場合にどれだけおトクになるのか、大まかにシミュレーションしてみます。
FINANCIAL FIELD編集部

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ふるさと納税とは

ふるさと納税は、名前に「納税」とついていますが、実は都道府県や市区町村に行う「寄附」の一種です。住民票がある自治体以外の自治体に寄附をすると、自己負担額2000円を除いた寄附金の全額が翌年の所得税や住民税から控除されます。
 
さらに寄附をした自治体から「返礼品」として地域の特産品や宿泊券などを受け取ることができます。
 

ふるさと納税で税金が安くなるわけではない

ふるさと納税で翌年の税金が控除されると聞くと、節税になるように思うかもしれませんが、実際は異なります。
 
ふるさと納税で寄附をすると、図表1のように寄附金のうち、2000円を超える部分が翌年の税金から差し引かれます。最終的に支払う税金の額は変わらないため、「翌年の所得税や住民税の一部を前払い」している状態であると言えるでしょう。
 
むしろ、「寄附額=本来支払うべき税金+自己負担額2000円」となるため、支払金額だけを見ると2000円余分に払っていることになります。
 
図表1

図表1

総務省 ふるさと納税のしくみ より筆者作成
 

返礼品には自己負担額2000円を超えるおトクがある

本来支払うべき税金に自己負担額2000円を上乗せして寄附をすると聞くと、なんだか損をしているような気になりますよね。
 
しかし、ふるさと納税では寄附を行うと、自治体から「返礼品」を受け取れます。返礼品には米や肉、海産物や果物などの食品から、ティッシュペーパーのような日用品、さらには宿泊券や地域体験などさまざまな種類があり、寄附額に応じて好きなものを選べます。
 
実際にふるさと納税でどのくらいのオトクを得られるか見てみましょう。
 
・ふるさと納税で1万円を寄附した場合
ふるさと納税の返礼品は、寄附金の3割以内と定められているため、


寄附金1万円=自己負担額2000円+翌年控除される税金8000円
返礼品=3000円相当

となり、2000円の自己負担で3000円相当の返礼品を受け取れ、1000円分のおトクとなります。同様に計算すると、下記のようになります。


寄附金2万円の場合の返礼品は約6000円で4000円のおトク
寄附金3万円の場合の返礼品は約9000円で7000円のおトク
寄附金4万円の場合の返礼品は約1万2000円で1万円のおトク

このおトクさが、多くの人がふるさと納税をする理由です。
 

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ふるさと納税の注意点

ふるさと納税の注意点を確認しておきましょう。
 

控除上限額を確認する

ふるさと納税は確かにお得な制度ですが、先ほど記載したように税金の前払いのようなもの。つまり、本来支払うべき税金から控除される額+自己負担2000円を超えて寄附をすると、図表2にあるように自己負担額が増えてしまいます。
 
図表2

図表2

筆者作成
 
この、「本来支払うべき税金から控除される額」を控除上限額と言い、収入や家族構成によって異なります。年収400万円、独身で扶養家族がいない場合の控除上限額の目安は約4万2000円です。
 
寄附の前に総務省の「ふるさと納税ポータルサイト」、楽天ふるさと納税やさとふるなどのサービスサイトでシミュレーションすることをおすすめします。
 

寄附後は確定申告等による申告が必要

ふるさと納税をしたら、翌年の3月15日までに確定申告をしましょう。確定申告をしないと、せっかくふるさと納税をしても控除を受けることができません。確定申告には、寄附先自治体から発行される寄附証明書や受領書が必要です。忘れずに保管しましょう。
 
確定申告のほかに、「ワンストップ特例制度」を選ぶこともできます。その場合は寄附をするときに必要書類を自治体に送付するだけで控除が受けられます。ただし、5自治体以内での寄附に限られるほか、確定申告を行う人は利用できないため注意が必要です。
 

2024年分の寄附は12月31日まで

ふるさと納税をすることで、翌年の住民税や所得税の一部が控除されます。2025年分の住民税や所得税で恩恵を受ける場合は、2024年12月31日までに寄附を完了する必要があります。
 

まとめ

ふるさと納税は、「税金の支払い方を変えて返礼品をもらえる」ユニークな仕組みです。自己負担2000円で特産品やサービスを楽しみながら、地方の応援にも貢献できます。
 
年末はふるさと納税の申し込みが増える時期です。2024年のうちに寄附を済ませて、2025年の税金控除と返礼品を楽しんでみてはいかがでしょうか。
 

出典

総務省 ふるさと納税のしくみ
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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