年収の壁が引き上げられると、実際どのくらいまで所得税の対象外で働けるのでしょうか?
配信日: 2025.02.27

最終的に、年収の壁の引き上げは、2025年分から適用されることになりそうです。そこで今回は、2025年年収の壁が引き上げられると、学生はどれくらいまで働けるようになるのか、などご紹介します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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年収の壁とは?現状をチェック
一定の額以上の収入を得ると、社会保険料の負担が発生し、手取りが減少したり、扶養から外れてしまったりすることがあります。このような損をしないために仕事量をおさえ、年収が増えすぎないようにする金額のラインが「年収の壁」です。
年収の壁はいくつかありますが、大きな壁は、所得税が発生し、特定扶養控除の適用外になる「103万円の壁」です。
所得税の103万円の壁
所得税が課せられるようになる103万円。給与所得のうち課税されるのは、「給与所得控除額(最低額55万円)」と「人的控除等基礎控除額(48万円)」を差し引いて残った額です。55万円+48万円の合計が103万円となるため、これまでは103万円が所得税のボーダーラインとなっていました。
扶養控除の103万円の壁
親の収入に大きく影響する壁が扶養控除です。扶養控除とは、扶養している親族がいる場合、一定額の所得控除を受けられる制度です。
なお、12月31日時点での年齢が19歳以上23歳未満の場合「特定扶養親族」に位置付けられ、一般の控除額である38万円より多い63万円の控除が受けられます。特定扶養親族となるための条件が、年間の所得金額が103万円以下(給与収入のみの場合)となっています。
今後年収の壁はどうなる?
これまで103万円が所得税、扶養控除のボーダーラインでした。まだ、確定はしていませんが、2025年の所得からは、この金額が変わる予定となっています。
所得税は123万円がボーダーラインに
所得税は103万円から123万円がボーダーラインとなる見込みです。これは、給与所得控除額が55万円から65万円、人的控除等基礎控除額が48万円から58万円へ変更されるためです。それぞれ10万円ずつ引き上げられることから、123万円となります。
ただし、一部の政党は所得税に関しては「178万円の壁」を主張しており、今後の動向が注目されます。
特定扶養親族の扶養控除は150万円に緩和
103万円だった特定扶養親族に対する扶養控除は、103万円から150万円に緩和されることが検討されているようです。
これにより、大学生の息子が年間の所得が103万円を超えたとしても、扶養控除を受けられることになります。しかし、扶養控除に関しても所得税同様、確定しているわけではありません。
所得税に関係なく働けるのは現状103万円。今後123万円まで働ける可能性がある
所得税を気にすることなく働けるのは、103万円です。しかし、2025年1月分より20万円アップの123万円となる見込みです。また、特定親族の扶養控除は103万円から150万円に緩和されることが予想されます。
2025年現在でも確定しておらず、今後詳細を決定していくことになるため、扶養内で働けるボーダーラインを、しっかり見極める必要があるでしょう。
出典
政府広報オンライン 「年収の壁」対策がスタート!パートやアルバイトはどうなる?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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