ライブに行けなくなったので、チケット4枚をオークションで「4万円」で売却。定価より高く売ったのですが、確定申告はした方がいいですか?
配信日: 2025.02.28

チケットを売るときは、確定申告が必要なのか、法に抵触していないかをよく確認することが大切です。今回は、チケットをオークションに出したときの利益の扱いや、チケット転売に関する法律などについてご紹介します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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オークションによる利益は基本的に雑所得
オークションやフリマサイトなどでチケットを売ったときの収入は、「雑所得」に該当します。もし、給料を受け取っている方でチケットを売却し、1年間に20万円以上の所得があった場合は、確定申告が必要です。
もし、チケットの売却により利益があった場合、雑所得の金額は「チケット売却で得た収入から手数料などの収入を得るためにかかった経費を差し引いた額」になります。国税庁によると、必要経費と認められるのは以下に当てはまる費用です。
●総収入金額に対応する売上原価その他その総収入金額を得るために直接要した費用の額
●その年に生じた販売費、一般管理費その他業務上の費用の額
例えば、オークションでチケットを売却するために売り上げの1%分を手数料として支払った場合は、その金額とチケットの元値を経費として所得から差し引けます。
なお、雑所得の場合、所得税は給与収入やほかの所得と合算してから計算するため、確定申告が必要です。
確定申告をする手順
まずは、青色申告か白色申告かの選択をします。次に確定申告書に必要事項を記載し、控除証明書や本人確認書類などを添付して提出します。給与所得者の場合は、源泉徴収票が必要になる場合があるため、用意しておきましょう。
なお、確定申告の方法は、直接確定申告書に記入して提出するほか、スマートフォンやパソコンを利用して書類を作成後、e-Taxで提出する方法があります。普段は会社で働いており、税務署が開いている時間に提出できない、手書きで用意が面倒だという方は、オンラインでの提出がおすすめです。
国税庁では、スマートフォンでの申告の手引きなども公開されているため、初めて確定申告をする方も手引きを見ながら準備ができます。
チケットの不正転売は罰則の対象
余ったチケットを売却する場合、本来の値段と比較して明らかに高額な金額設定をするのはやめましょう。チケット不正販売禁止法(正式名称:特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律)により、主催者に同意なしに座席指定などがされたチケットの不正転売をすることは、禁止されているためです。
政府広報オンラインによると、不正転売とは「興行主に事前の同意を得ずに反復継続の意思をもって行う有償譲渡であって、興行主等の販売価格を超える価格で特定興行入場券を転売すること」です。例えば、定価で1枚5000円のチケットを1枚1万円で売却すると、チケット不正販売禁止法で定められている不正転売と判断される可能性があります。
もし、不正転売とみなされると、1年以下の懲役か100万円以下の罰金、もしくは両方が科されます。また、不正転売を目的としたチケット購入も刑罰の対象です。チケットが余った場合は、まずライブの主催者に売っても問題がないかを確認し、公式のリセールサイトを利用して販売しましょう。
給与以外の1年間の所得が合計20万円以上なら確定申告が必要
チケットの売却により得た収入は、雑所得として扱われます。会社勤めの方の場合、給料以外の所得が1年で20万円を超えていれば、確定申告が必要です。確定申告をする際は、源泉徴収票や控除証明書などが必要になる場合があるので、事前に必要書類を調べて用意しておきましょう。
なお、正規の手段、正規の価格でチケットを販売することは問題ありませんが、本来の価格よりも高い価格で売ると、不正転売とみなされて罰則の対象になる可能性があります。チケットを販売する前に、主催者に余ったチケットを売っても問題がないか確認しておきましょう。
出典
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.2210 必要経費の知識
内閣府大臣官房政府広報室 政府広報オンライン チケットの高額転売は禁止です! チケット不正転売禁止法
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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