年の途中で退職しましたが、まだ無職なので「所得税」を払い過ぎている気がします…。このままずっと払い続けないといけませんか?
配信日: 2025.03.02


執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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退職後の所得税の取り扱い
会社員として働いていると、給与から毎月「源泉徴収」という形で所得税が天引きされます。源泉徴収では「給与所得の源泉徴収税額表」に基づいて一定額が天引きされるので、実際に納税すべき金額とは異なる場合があります。
そこで会社員は、年末調整によって年間の正しい所得税額が計算され、過不足を調整しています。しかし、年の途中で退職した場合は、年末調整を受けることができません。そのため、給与から天引きされた所得税が実際に納めるべき額より多くなってしまうことがあるのです。
特に退職後に無収入の期間が長い場合、年間の所得が基礎控除額(合計所得金額2400万円以下の場合、48万円)以下になることも珍しくありません。このような場合は、確定申告を行うことで払い過ぎた税金を取り戻せる可能性が高いです。
所得税の還付を受けるための方法
確定申告とは、1年間の所得を申告し、税額を確定させる手続きのことです。払い過ぎた税金がある人は、確定申告を行えば税金の還付を受けられます。退職後に収入がなく、すでに支払った所得税が多すぎる場合には、確定申告によって払い過ぎた税額が返金される可能性が高いでしょう。
確定申告の必要がある人
以下の条件に当てはまる場合は、確定申告により所得税の還付を受けることができます。
● 退職後の年間所得が基礎控除額以下である
● 退職後の収入が減り、源泉徴収された税額が本来の税額より多くなった
● 医療費控除、生命保険料控除などの控除適用対象である場合
確定申告の手続きのポイント
確定申告の受付期間は、原則翌年の2月16日から3月15日までです。なお、2025年は2月17日から3月17日までの変則的なスケジュールとなっています。
確定申告の必要がない方の還付申告は、申告年分の翌年1月1日から5年間行えます。例えば、2025年12月31日までは、2020年〜2024年の払い過ぎた税金について還付申請が可能です。
確定申告の必要書類
確定申告には以下の書類が必要になります。
● 確定申告書
● 退職した会社からもらう源泉徴収票
● 還付金を受け取るための銀行口座情報
● 本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など)
● 控除証明書類(医療費の領収書、保険会社からの控除証明書など)
住民税の注意点
退職後、所得税の還付を受けても「住民税」の支払いが続く可能性があります。住民税は前年の所得に基づいて課税されるため、退職した翌年でも住民税の支払いが生じることになるのです。
例えば、2024年の途中で退職して2025年に無職だった場合でも、2025年の住民税(2024年の所得に基づく)は発生します。しかし、所得がない場合は住民税の減免申請が可能な場合があります。住民税の減免措置は自治体によって異なるため、市区町村の役所に相談してみてください。
まとめ
退職後、年末調整を受けていない場合、所得税を払い過ぎている可能性があります。その場合、確定申告を行うことで、払い過ぎた税金を取り戻すことができます。住民税についても自治体に減免申請を相談できるので、確定申告を活用して払い過ぎた税金を取り戻し、無駄な出費を抑えるようにしましょう。
出典
国税庁 No.1910 中途退職で年末調整を受けていないとき
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー