夫が「確定申告の計算をしたけど、思ったより還付金がなかった」と発言。2024年の「定額減税」があったからでしょうか? 年収800万円の4人家族のケースで解説

配信日: 2025.03.29

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夫が「確定申告の計算をしたけど、思ったより還付金がなかった」と発言。2024年の「定額減税」があったからでしょうか? 年収800万円の4人家族のケースで解説
ふるさと納税をした人や、医療費の控除を受ける場合などは、給与所得者であっても、確定申告が必要です。そのため、毎年確定申告をしている人であれば、「今年はこれぐらい還付されるだろう」と、大体の目安をつけているかもしれません。
 
しかし、2024年の確定申告では、例年よりも還付金が少ないと感じたり、確定申告とは関係なく、年末調整で還付金が少ないと思ったりした人もいるのではないでしょうか。その理由として、2024年に実施された定額減税が影響している可能性があります。
 
本記事では、定額減税の概要と、還付金が少なくなった理由について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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2024年に実施された定額減税の概要

2024年に実施された定額減税は、物価上昇による国民の負担を軽減することを目的とした経済施策の一環です。この減税によって、特定の納税者の税負担が軽くなりました。
 
定額減税の内容は以下の通りです。
 
・減税額
所得税からは1人あたり3万円、住民税からは1人あたり1万円
 
・対象者
2024年分の合計所得金額が1805万円以下(給与収入のみの場合、2000万円以下)の日本に居住する納税者
 
・適用範囲
納税者本人だけでなく、同一生計配偶者や扶養親族にも適用
 
給与所得者の場合、2024年6月からこの減税が反映されたため、給与の手取りが増えた人は多かったと思います。例えば、世帯主である夫が年収800万円で、扶養の妻と子ども2人の4人家族の場合、合計で16万円の減税を受けていた計算になります。
 

還付金が少なかった理由は?

「確定申告をしたけれども、思ったよりも還付金が少なかった」という声が聞かれます。その理由は、定額減税によって給与から源泉徴収される税金が減少したことにあります。
 
確定申告とは、1年間の所得とそれに対する所得税を計算し、税務署に申告・納税する手続きです。会社は給与や賞与を支払う際、一定金額を所得税として天引きして預かり、従業員本人に代わって納税しています。これを「源泉徴収」といいますが、あくまでも概算であるため、年末調整や確定申告で納めすぎた税金の還付や、不足分の追加納税が行われます。
 
そのため、源泉徴収が減っている状態では、還付金が少なくなるのは当然の流れとなります。具体的には、定額減税によって給与からすでに減税分が差し引かれているため、確定申告時に「追加で税金を返してもらう」という形ではなく、過剰に支払った税金が少ない状態のため還付金も少なくなるのです。
 
したがって、例年よりも還付金が少なくても不思議なことではないことを理解しておきましょう。
 

定額減税はどのように実施された?

2024年に実施された定額減税には所得制限がありましたが、年収2000万円以上の納税者は、給与所得者全体の0.5~0.6%であることから、実質的には給与所得者のうちほとんどが、減税の恩恵を受けたことになります。特徴的なのは、対象となった納税者であれば、定額減税が所得に関係なく一律で適用された点です。
 
さらに、減税額が控除しきれなかった場合には、調整給付という形で不足分が補填(ほてん)される仕組みが整っていました。減税分が足りなかった場合でも、最終的にはその不足分が補填され、減税の恩恵を十分に受けられるようになりました。
 
住民税の減税についても、所得税と同様に2024年6月分の給与から差し引かれる形で適用され、給与支給時に差し引きしきれなかった分が後で調整されました。
 

まとめ

年収800万円の4人家族は、定額減税の対象となり合計で16万円の減税を受けていたと考えられます。この分がすでに源泉徴収で差し引かれているため、確定申告時に還付金が少ないと感じた可能性があります。還付金が少ないこと自体は、定額減税が反映されているためであり、誤りではありません。
 
ただし、還付金の変動が大きい場合や不明点がある場合は、計算ミスや手続きの誤りが考えられるため、再度確認をしてみることをおすすめします。もし不安があれば、税理士など専門家に相談することを検討してください。
 

出典

国税局 定額減税について
国税庁 No.2020 確定申告
総務省自治税務局市町村税課 個人住民税の定額減税に係るQ&A集
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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