昨年のメルカリでの売り上げが「30万円超」だったけど、確定申告を忘れてた! 副業収入も「10万円」ほどあるけど、締め切りを過ぎても申告はすべき? しない場合の罰則はあるの?

配信日: 2025.03.31 更新日: 2025.04.01

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昨年のメルカリでの売り上げが「30万円超」だったけど、確定申告を忘れてた! 副業収入も「10万円」ほどあるけど、締め切りを過ぎても申告はすべき? しない場合の罰則はあるの?
最近は、会社員など本業がある人でも、副業やフリマサイトでの売買などで本業以外の収入を得ている人が増えてきています。しかし、ここで注意しなければならないのは税金です。本業の収入に対しては毎月の源泉徴収や年末調整で税金が正しく支払われているものの、本業以外の収入が一定額を超えると確定申告と納税が必要となります。
 
本記事では、本業以外の収入を得ている人で確定申告が必要となるケースや、必要なのに確定申告をしなかった場合のペナルティと対処法について解説します。
浜崎遥翔

執筆者:浜崎遥翔(はまさき はると)

2級ファイナンシャル・プランニング技能士

会社員でも副業やメルカリの所得が20万円を超えると確定申告が必要

会社員の場合、給与所得に関しては年末調整で税金の精算が済んでいます。しかし、副業やフリマサイトでの売買などでそのほかの所得が年間20万円を超えた場合には、確定申告によって給与収入以外の部分の税金の精算が必要です。例えば、次のケースを考えます。

●副業(ライティング)で12万円の報酬(手数料などの経費2万円)
●メルカリで30万円の売上

42万円の収入があるため確定申告が必要だと思われるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。確定申告が必要となるのは「収入」ではなく、「所得」が20万円を超えた場合だからです。
 
ライティング収入は12万円ですが、2万円の経費がかかっているので所得(雑所得もしくは事業所得)は10万円となります。つまり、このケースではメルカリの売上における所得が10万円を超えると確定申告が必要となるのです。
 

確定申告が不要な場合

フリーマーケットでの売上における所得は、「売上-取得費-経費」で求められます。不用品を売る場合、自分が購入に要した金額(取得費)より安い価格で売れることが一般的ですから、売上が30万円を超えていても所得が10万円を超えることは少ないのではないでしょうか。
 
希少価値があったなどの理由で売却したものの価格が値上がりし、利益が出た場合はどうでしょう。例えば、18万円で買ったものが30万円で売れて送料などの経費は1万円だった場合です。この場合、利益の11万円が所得となりライティングの所得と合わせて20万円を超えるように思えます。
 
しかし、生活動産にあたるものの譲渡による所得は課税されません。生活動産とは「家具、じゅう器、通勤用の自動車、衣服などの生活に通常必要なもの」と定義されています。
 
例えば、10万円で買ったバッグが20万円になった、8万円で買ったスニーカーが10万円で売れたといった具合でも、自分が私生活で使っていたものを譲渡した場合の所得は課税されないというわけです。
 
同じバッグでも高級品であった場合、具体的には1個または1組30万円を超える物は生活動産とみなされないことに注意は必要ですが、特別控除50万円が認められるため、所得が発生することはないでしょう。つまり、自分のものを売った場合は、売上が30万円であっても確定申告が必要になるケースは少ないでしょう。
 

確定申告が必要な場合

メルカリの売上が所得となるのは、どういったケースでしょうか? それは、リサイクルショップなどで安く仕入れてメルカリで高く売り、利益を上げた場合です。取引する商品が日用品や衣料品など生活動産と思えるものであっても、商売目的であれば雑所得もしくは事業所得の対象となります。
 
例えば、仕入額の合計が15万円、送料や手数料などの経費の合計が3万円の場合、12万円が所得となるため、ライティングの所得と合わせて20万円を超え、確定申告が必要となるのです。
 

確定申告をしなかった場合のペナルティと気づいたときの対処法

確定申告が必要なのに申告をしなかった場合、次のようなペナルティが発生します。

●延滞税:法定納期限の翌日から完納する日までの日数に対して、申告期限から2ヶ月以内の部分には年率2.4%、申告期限から2ヶ月超の部分には年率8.7%(2025年1月1日から12月31日の場合)

●無申告加算税:税務署からの調査の事前通知の前に自主的に申告した場合は本来納税すべき金額の5%、税務署からの調査の事前通知の後かつ調査実施前までに期限後申告をした場合は10%、税務署の調査を受けた後に期限後申告をした場合は15%(税率はそれぞれ納付すべき税金が50万円の場合)

つまり、申告をしないことで税負担が増えてしまいます。なお、延滞税は期限から完納する日までが長ければ長いほど大きくなっていきますし、無申告加算税は税務署から指摘されることによってペナルティが大きくなる仕組みです。
 
期限を過ぎたあとに申告をした場合でも、ペナルティは免れません。それでも正しく申告する日が早ければ早いほど、ペナルティが小さくなるのです。そのため、確定申告が必要だと気づいたら、1日でも早く申告と納税を済ませましょう。
 

確定申告が必要かどうかをしっかり確認し、早めに対応を

本業以外の収入がある場合には、確定申告が必要かどうかを必ず確認することが重要です。例えば、フリマアプリでの売買を繰り返すと気付かないうちに確定申告が必要となるケースがあります。
 
必要な場合には、期限内に確定申告と納税を必ず済ませることが大切です。しかし、申告を忘れた場合でも、できるだけ早く申告すればペナルティを最小限に抑えられます。
 
気づいた時点で1日でも早く申告を済ませることが、最善の対策です。適切に手続きを行い、余計な税負担を回避しましょう。
 

出典

国税庁 確定申告が必要な方
国税庁 No.1500 雑所得
国税庁 No.1350 事業所得の課税のしくみ(事業所得)
国税庁 No.3105 譲渡所得の対象となる資産と課税方法
国税庁 No.3152 譲渡所得の計算のしかた(総合課税)
国税庁 No.2024 確定申告を忘れたとき
 
執筆者:浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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