タンス預金はバレる?税務署がチェックするポイントと対策を解説

配信日: 2025.05.17 更新日: 2025.07.02
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タンス預金はバレる?税務署がチェックするポイントと対策を解説
「タンス預金」とは、言わずもがな、銀行口座に預けずに自宅のタンスや金庫に保管している現金のことです。銀行の利息低下も相まって、災害時への備えとして現金を手元に持っておきたい方も少なくないのではないでしょうか。しかし、「タンス預金」は盗難や税務上のリスクをともなう行為ともいえます。
 
本記事では、「タンス預金」はなぜ税務署にバレてしまうのか、詳しく解説します。
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家計が保有する「現金」は「105兆円超」

日本銀行調査統計局「2024年第4四半期の資金循環(速報)」によると、家計が保有する現金は105兆円を超えるとされています。他の期間を見ても102兆円から108兆円で推移しており、日本の家計は多額の現金を保有している状態である、ということが分かります。
 

タンス預金はなぜバレる?

「タンス預金」とは、現金を金融機関に預けるのではなく、自宅のタンスまたは自宅内で保管することです。「タンス預金」は電子的な記録が残らないことから、税金逃れの方法のひとつとして問題視されることがあります。
 
しかし、実は税務署がタンス預金を含めたおおよその資産を把握できるといわれています。そのようなことがなぜ可能なのかというと、「国税総合管理(KSK)システム」を構築しているからだといわれているようです。
 
KSKシステムとは、納税者の過去の申告状況や納税の実績などが細かく登録され一元的に管理されているネットワークシステムのことです。誰かの支出は別の誰かの収入になっているため、こうした観点からKSKシステムなどを活用して履歴を辿っていけば、おおむねの財産額を把握できる可能性が高いといえます。
 
仮に、相続時に本来の額より「タンス預金」分だけ少なく申告したとすると、税務署はKSKシステムなどから推定した財産額と比較して、不一致が起きていると気がつく可能性があります。
 
このようにKSKシステムは、国税の事務処理の効率化や申告漏れを是正し適正かつ公平な課税を目指していくために、平成初期から導入されており、現在では全税務署においてKSKシステムによる事務が行われています。
 

税務署がチェックするポイントと対策

税務署は税金の申告や納付が正しく行われているかを確認するために、納税者の預貯金の入出金状況をチェックできるとされています。脱税や滞納についても、KSKシステムの試算からズレが生じることで発覚する可能性があります。
 
「タンス預金」に疑いを持たれるきっかけとしては、まとまった額の入出金があったタイミングや相続のタイミングなどが挙げられるようです。特に、遺産を相続した場合には、亡くなった方の預貯金だけでなく、相続した方の預貯金もチェックされるケースがあります。
 
対策としては、「タンス預金」はある程度銀行口座に移して電子的な記録を残し、KSKシステムの試算から大幅にズレるような金額は手元に置いておかないようにしましょう。また相続税においては、生前贈与を活用し、正しく節税することも対策のひとつといえます。
 

まとめ

「タンス預金」は、たとえ隠していたとしても税務署にバレる可能性が高いことが分かりました。財産と認定されるような額の現金は銀行口座に預け、後々トラブルにならないように管理しておくのがベターといえるでしょう。また、相続が発生する場合には生前贈与などの制度をうまく使って、正しく節税することも大切です。
 

出典

日本銀行調査統計局 2024年第4四半期の資金循環(速報) 9 家計<4>の金融資産・負債残高(35ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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