5月末までに「自動車税+車検費用」を15万円支払う必要が! 金欠で車検だけ6月に払いたいけど、車検場まで「公道」を走れなくなります。その場合“JAFのレッカー”で車体を持ち込めますか?

配信日: 2025.05.16 更新日: 2025.07.02
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5月末までに「自動車税+車検費用」を15万円支払う必要が! 金欠で車検だけ6月に払いたいけど、車検場まで「公道」を走れなくなります。その場合“JAFのレッカー”で車体を持ち込めますか?
毎年5月は自動車税の納付時期です。そこに車検が重なると、大きな出費がのしかかります。例えば、自動車税が4万3500円、車検費用が10万6500円、合計で15万円という金額になると、頭を抱える人も少なくないでしょう。
 
なんとか自動車税だけは払って、車検は翌月にずらそうと考える人もいるかもしれません。とはいえ、車検が切れたら車は公道を走れないため、車検場や整備工場にどうやって車を持って行こうかと悩むところです。
 
もしかしたらJAFが無料で持って行ってくれるかもしれないと期待する人がいるかもしれませんが、実際はどうなのでしょうか?
 
本記事では、自動車税と車検費用どちらを優先して支払うべきなのかに加えて、車検切れの車を移動する方法について解説します。
浜崎遥翔

2級ファイナンシャル・プランニング技能士

自動車税と車検、どちらを優先すべきか?

自動車税と車検費用のうち、どちらかしか払えないのであれば、自動車税を優先的に支払いましょう。
 
車検を受ける際には自動車税の納付が必要です。しかし、車検月が5月の場合、前年分を納付していれば車検は通せるため、制度上は自動車税を支払わずに車検費用を優先できます。
 
それでも、優先すべきは自動車税です。理由は、自動車税は納付の期限と期限を過ぎた際のペナルティがあるからです。自動車税の納期限は毎年5月末日で、これを過ぎると翌日から1ヶ月までは年2.4%、それ以降は年8.7%の延滞税が課されます。
 
一方、車検費用には「満了日までに支払わなければならない」という決まりはありません。車検が切れても、それだけで違反になることはなく、公道を走行して初めて道路交通法違反となります。
 
したがって、どちらかしか支払えないのであれば、納付期限がある自動車税を先に支払い、車検費用が貯まるまで車を使わないという選択をするべきです。
 

車検切れの車の移動はJAFに頼める?

車検が切れた車を「JAFでレッカー移動してもらえばいい」と考える人もいるかもしれませんが、JAFは車検切れの車両を原則としてレッカー移動の対象にしていません。
 
理由は、JAFの利用規約に「自動車検査証の有効期間が切れている車両」はロードサービスの対象外と明記されているからです。例外として、「放置すると交通の円滑を阻害するなど、やむを得ない事情がある場合」に限って、自賠責保険の有効期間内であれば対応することもあるとされています。
 
例えば、車検切れに気づかずに走行してしまった人が、道路の真ん中でガス欠を起こして動けなくなった場合などは、ロードサービスで対応してもらえるかもしれません。しかし、自宅や月極駐車場に置いてある車が、この条件に該当するとは考えにくいでしょう。
 
大手の自動車保険会社も同様で、車検切れの車をロードサービスの対象外としています。
 
そもそも、車検切れの車をレッカー移動すること自体が、法律違反となる可能性がある行為です。というのも、一般的なレッカー車は前輪または後輪のどちらかを道路に接地させた状態で走行します。そのため、車検が切れた車をこの方法で運ぶと、「車検切れ車両の公道走行」とみなされ、違反となる可能性があるのです。
 

車検切れの車はどうやって持ち込む? 費用は?

JAFが使えないとなると、車検切れの車をどうやって車検場や整備工場に持ち込めばいいのかと迷う人もいるかもしれません。方法は2つあります。
 
1つ目は、仮ナンバー(臨時運行許可証)を取得して自走する方法です。数日間限定で有効な仮ナンバーを取り付けることで、車検場まで自分で運転して持ち込めます。仮ナンバーは市区町村の窓口で申請でき、発行手数料は750円(東京都練馬区の場合)です。
 
ただし、自賠責が切れている状態では、仮ナンバーを使っても運転できません。自賠責の契約期間が車検の有効期間よりも長くなっていることもありますが、もし切れていた場合は、事前に新たに自賠責に加入し、その証明書を仮ナンバー申請時に提出する必要があります。
 
2つ目は、積載車を使って運んでもらう方法です。この場合、道路にタイヤが接地しないため、車検が切れていても道路交通法違反にはなりません。こちらは公道を走らないので自賠責が切れていても対応できますが、数万円の費用がかかります。
 
費用を抑えたいのであれば、自賠責保険の期限に気をつけながら、仮ナンバーを使ったほうが良いでしょう。
 

クレジットカードやカーローンで支払いを遅らせるの1つの方法

今回のケースでは、車検代の支払いを1ヶ月遅らせることはできるものの、費用や手間がかかります。であるならば、クレジットカードを使って決済だけ行い支払いを遅らせたり、カードローンなどで一時的に車検費用を用意するのも1つの方法です。
 
車検費用の一部または全部を、クレジットカードで支払える整備工場もあります。また、カードローンの場合10万円を年利15%で1ヶ月借りた場合の利息は約1250円です。仮ナンバーを取得する手間や、積載車の利用料と比べても現実的な選択肢といえるかもしれません。
 

車検費用の支払いが難しいときはまず自動車税を支払おう

自動車税と車検が同時期に重なり、どちらかを優先しなければいけない場合、まずは期限のある自動車税を優先的に支払うのが基本です。
 
車検費用は、満了日までに支払わなければならないという決まりはなく、しばらく車を使わずにおくことで法律違反になることを避けられます。
 
問題は、車検が切れた状態になると、いざ車検を受ける場合に、仮ナンバーの取得や積載車の手配が必要になるという点です。仮ナンバーは750円ほどで取得できますが、申請の手間や自賠責保険の加入が必要ですし、積載車は数万円の費用がかかります。
 
ほかにも、クレジットカードやカードローンを使って乗り切るのも1つかもしれません。自分にぴったりの方法で、この大きな出費を乗り切りましょう。
 

出典

千葉県 延滞金・加算金
e-Gov法令検索 道路運送車両法
一般社団法人日本自動車連盟(JAF) ロードサービス利用約款
 
執筆者:浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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