別居している親も「扶養控除」の対象になるって本当?妻と私で世帯年収「500万円」なので、できれば利用したいです。親を扶養にいれる際の注意点はありますか?

配信日: 2025.06.24 更新日: 2025.07.02
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別居している親も「扶養控除」の対象になるって本当?妻と私で世帯年収「500万円」なので、できれば利用したいです。親を扶養にいれる際の注意点はありますか?
扶養控除とは、16歳以上の家族を扶養している場合、配偶者を除いた親族が対象となる所得控除の1つです。同居している家族のみが対象と考えている方もいるかもしれませんが、実は別居している親も対象に含まれる可能性があります。世帯年収に不安がある場合、扶養控除が気になることもあるでしょう。
 
そこで、今回は別居している親が扶養控除の対象に含まれるケースや扶養にいれる場合のメリットおよび注意点をご紹介します。
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別居しているが「扶養控除」の対象になるケース

別居している親が扶養控除に含まれるケースは以下の通りです。
 

・「生計を一とする」に該当する場合:定期的に生活費や療養費、医療費などの支援を行っている
・親の年間の合計所得金額が48万円以下の場合:年金のみの場合は65歳未満は108万円、65歳以上は158万円以下。給与のみの場合は給与収入が103万円以下。
・事業専従者ではない場合:青色申告者の事業専従者としての給与を受けていない、白色申告者の事業専従者ではない

 
扶養控除の対象になるには、普段から金銭的な支援を親にしているかや親の所得が関係します。所得とは、収入から必要な経費を差し引いた金額です。親の年齢や収入の金額によって、扶養控除の対象になるケースとならないケースがあるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
 

親を扶養にいれるメリット

親が子どもの扶養に入ると扶養控除を受けられるため、子どもがいらっしゃる場合は所得税の節税につながる可能性があります。国税庁によると、扶養控除額は表1の通りです。
 
表1

区分 金額
一般の控除対象扶養親族 38万円
特定扶養親族 63万円
老人扶養親族 同居老親等以外の者 48万円
同居老親等 58万円

※国税庁「No.1180 扶養控除」を基に筆者作成
 
また、住民税も控除対象となります。控除額は、親が70歳未満であれば33万円、別居中かつ70歳以上であれば38万円です。
 
さらに、親の国民健康保険料の負担も抑えられる可能性があります。社会保険上で扶養家族とすると、追加の支払いがない状態で親の健康保険料の負担を無料にできます。ただし、75歳以上は後期高齢者医療制度への加入が義務づけられており、こちらは対象者が自己負担しなければなりません。
 

親を扶養にいれる場合の注意点

親を扶養にいれる場合は、以下のような注意点があります。
 

・介護保険料の負担が大きくなる:世帯収入が増えると、介護保険料が上がるかつ65歳以上の方は保険料を自己負担しなければならない
・高額高額療養費の負担が大きくなる:子どもの所得が増えることで自己負担限度額が上がる
・介護サービスを利用すると費用負担が増える:世帯年収が増えると、介護サービスの自己負担学も上がる
・親が稼げる額に制限がかかる:扶養控除には所得条件があるため、規定の額を超えると扶養から外れなければならない

 
親が子どもの扶養に入った場合、医療費や介護費の負担額は結果的に増える可能性がある一方で、親自身が得られる収入には限度があります。収支のバランスが変わるため、今後のライフスタイルなども考えたうえで、扶養に入るか決めるとよいでしょう。
 

親へ生活費や療養費などの仕送りをしている場合は、扶養控除の対象になる可能性がある

親へ生活費や療養費などを仕送りしており「生計を一とする」に該当する場合は、別居していても扶養控除の対象となる可能性があります。また、親の年間所得が48万円以下の場合や年齢が70歳以上の場合も対象です。
 
親が子どもの扶養に入れば、子どもの税金負担を抑えられたり、親の健康保険料の負担がなくなったりする一方で、将来的に医療費や介護費の負担が増える可能性もあります。家庭によっては必ずしも親を扶養にいれた方が得するとは限らないため、話し合いをしっかり行いましょう。
 

出典

国税庁 No.1180 扶養控除 扶養控除の金額
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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