「老齢基礎年金と遺族厚生年金」を受給しています。合計すると「年間130万円」になりますが、「確定申告」は必要でしょうか?

配信日: 2025.06.25 更新日: 2025.07.02
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「老齢基礎年金と遺族厚生年金」を受給しています。合計すると「年間130万円」になりますが、「確定申告」は必要でしょうか?
年金を受け取っている方の中には、年金の合計が130万円を超える場合に確定申告が必要なのか気になる方もいるでしょう。公的年金を受け取っている方で一定の要件を満たす場合には確定申告が不要なケースがあります。
 
そこで今回は、確定申告不要制度について解説します。
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確定申告不要制度について

公的年金を受け取っている方には「確定申告不要制度」という仕組みがあります。これは、一定の条件を満たしていれば確定申告をしなくてもよいという制度です。
 
本来、1月1日から12月31日までの間に所得がある方は翌年の2月16日から3月15日の間に確定申告を行う必要があります。しかし、公的年金を受け取っている方の確定申告作業の負担軽減を目的として「確定申告不要制度」が設けられています。
 

確定申告が不要となるケース

政府広報オンラインによると、次の2つの条件を満たす場合、確定申告は不要となります。

●公的年金などの収入金額が400万円以下であり、全額源泉徴収の対象となること
●公的年金に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下であること

ここでいう公的年金とは、国民年金・厚生年金・共済組合などから支給される老齢基礎年金・老齢厚生年金・老齢共済年金などをいいます。亡くなった方の遺族に支払われる遺族厚生年金や遺族基礎年金などは、所得税の対象とはならずに非課税になる点を覚えておきましょう。
 
そのため今回のケースでは、所得税の課税対象である老齢基礎年金が400万円を超えず、個人で加入していた個人年金や給与所得、生命保険の満期返戻金などの所得が20万円を超えない限り申告の対象にはならないと考えられます。
 

確定申告が必要なケース

ただし、次のようなケースに該当する場合は確定申告を行う必要があります。
 

マイホームを住宅ローンなどで取得した場合

住宅ローンなどでマイホームを取得した際、10年にわたって年末のローン残高に応じて所得税が控除されるこの制度を利用する場合には確定申告が必要です。会社員などで給与がある方は初年度のみ確定申告を行い、翌年からは年末調整で手続きできます。
 
しかし、年末調整のできない年金受給者は2年目以降も確定申告を行わなければなりません。
 

医療費控除の申告を行う場合

1月1日から12月31日までの1年間に支払った医療費が10万円(総所得金額などが200万円未満の場合は書所得金額などの5%)を超えた場合、超えた分について所得控除を受けられます。年金受給者でも支払った医療費が多い場合、確定申告を行うことで還付を受けられる可能性があります。
 

災害や盗難などで資産に損害を受けた場合

地震や台風などの災害や盗難などで生活に必要な資産に損害を受けた場合、雑損控除により一定金額の所得控除を受けられます。
 

住民税の申告が必要なケースもある

通常、確定申告を行った場合には住民税の申告は必要ありません。税務署からお住まいの自治体へ確定申告書などのデータが送信されるためです。しかし、確定申告不要な方でも、次のようなケースに該当する場合は住民税の申告が必要になります。

●公的年金などの雑所得のみがある場合で「公的年金などの源泉徴収票」に記載のない生命保険料控除や地震保険料控除などを受ける場合
●公的年金などの雑所得以外の所得がある場合

ご自身が住民税の申告が必要かどうかを知りたい場合は、お住まいの市区町村へ直接問い合わせてみましょう。
 

公的年金などの収入が400万円以下の場合は原則確定申告不要

公的年金だけを受け取っている方には確定申告不要制度があります。年金などの収入が400万円以下であること、公的年金などの雑所得以外の所得が年間で20万円以下であることなどの条件を満たすと対象になり、確定申告が不要になる制度です。
 
一方で、確定申告不要となった方でも、雑所得以外の所得が年間で20万円以上の場合や、住宅借入金等特別控除や医療費控除などの所得税の還付を受ける場合には確定申告が必要なケースもあります。
 
ご自身の確定申告が必要かどうか不安な場合は、税務署や市区町村の窓口で確認すると安心です。
 

出典

政府広報オンライン ご存じですか?年金受給者の確定申告不要制度
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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