住民税通知書に「謎の税金」が加算!? 数年前から始まっていた「森林環境税」とは?“目的・徴収額”もあわせて解説

配信日: 2025.07.10
この記事は約 3 分で読めます。
住民税通知書に「謎の税金」が加算!? 数年前から始まっていた「森林環境税」とは?“目的・徴収額”もあわせて解説
会社員や公務員であれば6月前後に住民税決定通知書が配られますが、昇給や賞与などの変化がなければ、書かれている内容を隅々まで確認しているという人は意外と少ないかもしれません。
 
そのため、ふと見たときに今まで引かれていなかった項目を見つけて驚くこともあるでしょう。
 
そのひとつが「森林環境税」です。この税金は、いつから何の目的で課税されているのでしょうか。本記事では、森林環境税とはどのようなものであるのかについて詳しく解説します。
渡辺あい

ファイナンシャルプランナー2級

森林環境税ってなに?

森林環境税は、国内に住所を持つ個人に対して、住民税に上乗せされている税金です。
 
一度「国税」として徴収したのち、税収の全額を「森林環境譲与税」として国から都道府県・市町村へ譲与し、「森林整備及びその促進に関する費用」や「森林整備を実施する市町村の支援等に関する費用」に活用されています。
 
具体的にどのように使われているのかは、各都道府県・市町村のホームページ等で公開されているため、誰でも確認することができます。
 
税金の使い道の一例として、群馬県の森林境界明確化促進事業や、大阪府茨木市の公共施設の木質化による木材利用の推進など、幅広く活用されています。
 

森林環境税の目的は?

森林環境税が導入された目的は森林整備や保全活動です。森林を守ることは、国土の保全、水源の維持、地球温暖化の防止、生物多様性の保全など、私たちの生活を守ることに直結しています。
 
しかし近年では林業での後継者不足や所有者不明の土地が増えているという背景から、森林の管理が行き届かず、荒れ果ててしまうというケースが多くみられます。
 
森林が手入れされなくなると、災害時のリスクが増えたり、二酸化炭素の吸収力が低下したりするという問題が発生します。森林環境税はこうした問題を解決するため、各地方団体による適切な森林整備のための資金確保という目的で始まった制度なのです。
 

いつから始まった? 給与からいくら引かれているの?

森林環境税は、2024年度から全国一律で導入されました。税率は市町村民税の「均等割」に年額1000円が上乗せされる形で徴収されます。
 
ただし、1000円が一年に一度、給与からまとめて引かれるわけではなく、通常は住民税と同様に12ヶ月で分割され、月額83円程度が給与から引かれていることになるのです。
 

内容のチェックを心がけましょう

例年あまり確認していないと、引かれている税金の額や種類が変わっていても気づきにくいものです。昇給や手当の変化がなければ気にならないという人も少なくないでしょう。
 
しかし住民税決定通知書からは、自分の給与からなにがいくら引かれているのかを、具体的に確認することができます。控除内容に問題がないか、ふるさと納税を行った場合は正しく処理されているかなど、もれなく確認しましょう。
 

「小さな変化」を見逃さない習慣を

森林環境税は、毎月で考えるとわずかな額ではありますが、何の税金がいくら引かれているのか、またその税金はどのような目的で徴収されているのかを理解しておくことは、納税者としてとても大切なことです。
 
また記載の内容については、人間である以上間違いが起こらないとも言い切れません。さまざまな項目があり難しく感じるかもしれませんが、自分のお金に関する内容を確認する習慣を身につけておくようにしましょう。
 

出典

総務省 森林環境税及び森林環境譲与税
 
執筆者 : 渡辺あい
ファイナンシャルプランナー2級

  • line
  • hatebu
【PR】 SP_LAND_02
FF_お金にまつわる悩み・疑問