ガソリン暫定税率が廃止されても、軽油は対象外と聞きました。灯油はどうなるのでしょうか?

配信日: 2025.11.24
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ガソリン暫定税率が廃止されても、軽油は対象外と聞きました。灯油はどうなるのでしょうか?
ガソリン価格の高騰が続く中、政府が「ガソリン暫定税率の廃止」や「税制見直し」に言及するたび、多くの消費者が気になるのが“ほかの燃料はどうなるのか”という点です。特に、道路交通と密接に関わる軽油や、冬場の生活必需品である灯油は、家計に直結する存在です。
 
本記事では、ガソリン暫定税率の仕組みと、軽油・灯油への影響をわかりやすく整理して解説します。
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ガソリン暫定税率とは何か

ガソリンには「本則税率」に加えて、上乗せ分である「暫定税率」が課されています。暫定税率は道路整備などを目的として導入されましたが、結果的に長年維持されてきたため、事実上の恒久税化している側面があります。
 
ガソリン1リットルあたりには、暫定税率分だけで約25円が含まれています。
 
そのため、暫定税率が廃止されれば、理論上はリッター20円台後半の値下げにつながる可能性があります。ガソリン価格に大きく影響すると言われるのは、この“上乗せ部分”が大きいからです。

 

軽油が対象外とされる理由

「ガソリンの暫定税率は議論されるのに、なぜ軽油は関係ないのか?」
 
これは多くの人が抱く疑問ですが、答えはシンプルです。
 
軽油引取税には、はじめから“暫定税率”が存在しないためです。
 
軽油引取税は地方税として位置づけられており、地方自治体の貴重な財源となっています。軽油は物流・農業・建設など、産業分野で大量消費される燃料でもあるため、税体系がガソリンとは異なる思想で設計されています。
 
そのため、ガソリン暫定税率の廃止が軽油価格に直接作用することはありません。「ガソリン税が変われば軽油も動く」という誤解はよく見られますが、両者は税制上まったく別枠で管理されているのです。

 

では灯油はどうなるのか

家庭用の暖房に欠かせない灯油は、さらに状況が異なります。
 
灯油にはガソリン税・軽油引取税のような燃料税が課されていません。つまり、灯油はそもそも税制上の“燃料税”の対象外。そのため、ガソリン暫定税率が廃止されても、灯油の税額・価格構造には直接的な影響はありません。
 
ただし、灯油価格は別の要因で上下します。
 

・原油価格の変動
・為替レート(円安・円高)
・流通コスト(輸送費・人件費等)
・季節による需要の差(冬場は高くなりやすい)

 
とくに冬季は需要が急増し、さらに原油価格が上昇すれば、税制に関係なく価格が跳ね上がる可能性があります。

 

燃料税の違いを押さえ、賢く向き合う時代へ

最後に分かりやすく整理すると表1のようになります。
 
【表1】

種類 暫定税率の有無 税制変更の影響 価格への主な影響要
ガソリン あり 廃止されれば大きく下がる可能性 税金・原油価格
軽油 なし ガソリン税改正の影響は受けない 地方税・原油価格
灯油 なし
(燃料税非課税)
ガソリン税改正の影響なし 原油・為替・需要期

※筆者作成
 
ガソリン暫定税率の廃止は確かに大きなニュースですが、軽油・灯油は全く違う税体系で運用されているため、同じように連動して価格が下がるわけではありません。
 
燃料価格のしくみを理解しておくことで、日々の家計管理や価格変動の背景が読み取りやすくなります。今後の税制議論の行方を見極めつつ、燃料ごとの特性に応じた賢い選択が求められる時代といえるでしょう。

 

出典

経済産業省 資源エネルギー庁 ガソリンの暫定税率(当分の間税率)の廃止でガソリン代はどうなるの?よくいただく質問に、資源エネルギー庁がお答えします!
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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