「123万円まで稼げて安心」は早計!? 令和7年度の“年収の壁”「103万円→123万円」に引き上げ後も“約6割”のパート女性は働く時間や日数を「調整している」って本当?
年収の壁の引き上げ後も、パート女性の約6割が就業調整をしているというのは事実なのでしょうか。本記事では、年収の壁の引き上げ内容や配偶者のいるパート女性の就業実態を解説します。
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目次
令和7年度税制改正で「103万円の壁」は「123万円~160万円の壁」に
財務省によると、令和7年度税制改正により前年度まで計103万円であった所得税の基礎控除・給与所得控除がそれぞれ10万円引き上げられ、計123万円になりました。
年収200万円以下の人については基礎控除の上乗せ特例により、160万円に引き上げられています。その他の年収の壁は以下の通りです。
106万円:社会保険の特定適用事業所で厚生年金・健康保険料が発生する
110万円:住民税が発生する(自治体によって金額基準が異なる場合があります)
130万円:社会保険上の扶養の対象外となり、社会保険または国民年金・国民健康保険料が発生する
160万円:配偶者特別控除が減額され始める
201万円:配偶者特別控除の対象外になる
令和8年度からは所得税の壁が「178万円の壁」に引き上げの見込み
財務省の令和8年度税制改正大綱では、基礎控除の本則を58万円から62万円に、給与所得控除の最低保障額を65万円から69万円に引き上げています。これにより、所得税の年収の壁は168万円となりました。
また、中低所得者層への配慮として、基礎控除の特例と給与所得控除の最低保障額もそれぞれ5万円引き上げています。令和8・9年の時限措置ではありますが、これにより所得税の年収の壁は178万円になる見込みです。令和8年度分の年末調整から適用されます。
なお、社会保険料の106万円の壁や130万円の壁は変更されていません。ただし、106万円の壁については月8万8000円の収入要件の撤廃が予定されています。撤廃の時期は「法律の公布から3年以内」とされ、全国の最低賃金が1016円以上になるタイミングを見極めて判断するとされています。
令和7年度税制改正後も“約6割”の有配偶パート女性は「就業調整」している
株式会社野村総合研究所の実施した調査によると、配偶者のいるパート女性のうち56.7パーセントが年収の壁を意識して就業時間や日数を調整していると回答しました。
配偶者のいるパート女性の9割以上は2025年に行われた年収の壁の引き上げを「知っている」または「聞いたことがある」としていますが、認知が進んでも、引き続き就業調整をしている共働き世帯は少なくないようです。
また、年収の壁の引き上げをきっかけに収入を増やしたと回答した配偶者のいるパート女性は11.8パーセントにとどまりました。一方、「増やしたいと思わない」や「分からない」と回答した人は計46.9パーセントにのぼっています。
その理由として、社会保険料の負担の回避や配偶者手当・扶養手当のキープなどが挙げられており、106万円の壁を意識する人は多いようです。
しかし今後、収入要件が撤廃されると働き控えをしても社会保険の加入対象になる恐れがあります。引き上げ後の130万円の壁や178万円の壁まで働くかどうかは、労働時間と手取りのバランスを考慮して検討したほうがよいでしょう。
まとめ
令和7年度税制改正により、所得税の年収の壁は123万~160万円の壁になっており、令和8年度には178万円の壁に引き上げられる見込みです。一方、令和7年度税制改正後も配偶者のいるパート女性のうち約6割は就業調整をしています。
社会保険の加入要件である収入要件は今後撤廃が見込まれるため、働き控えの効果は薄くなるかもしれません。労働時間と手取りのバランスを考慮して、働き方を考えましょう。
出典
財務省 基礎控除等の引上げと基礎控除の上乗せ特例の創設
厚生労働省 年収の壁について知ろう
東京都 年収の壁とは?働き控えにつながるよくある誤解を解説!
財務省 令和8年度税制改正の大綱
厚生労働省 社会保険の加入対象の拡大について
株式会社野村総合研究所 2025年から「年収の壁」が引き上げられたが有配偶パート女性の約6割は依然として就業調整を実施
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー


