花粉症の“舌下免疫療法”で、医療費が「6万円」かかりました。10万円以下でも「確定申告すべき」と聞きますが、年収400万円の私でも“申告する意味”はあるのでしょうか?

配信日: 2026.03.06
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花粉症の“舌下免疫療法”で、医療費が「6万円」かかりました。10万円以下でも「確定申告すべき」と聞きますが、年収400万円の私でも“申告する意味”はあるのでしょうか?
毎年春になると、花粉症でくしゃみや鼻詰まりなどの症状に悩まされる人は多いでしょう。その治療法として近頃注目を集めているのが、アレルギーの原因となる抗原が入った薬をあえて投与し、身体に慣れさせることで治療する舌下免疫療法です。
 
確定申告で医療費控除を適用する際は、「10万円以上でないと意味がない」とよく聞きます。今回の記事では、舌下免疫療法で6万円かかった場合、年収400万円の人が医療費控除を申告すると控除を受けられるのかを解説します。また、年収400万円の場合、医療費がいくらなら控除を受けられるのかをシミュレーションします。
金成時葉

2級ファイナンシャル・プランニング技能士

舌下免疫療法とは

舌下免疫療法とは、アレルギーの原因となる抗原が入った薬を少量から投与し、身体に慣れさせることでアレルギーを治療する方法です。処方されたり、市販されていたりする抗アレルギー薬などの飲み薬による治療は、花粉症の症状を抑える対症療法です。
 
一方、舌下免疫療法は、根本的な改善につながる可能性があり、自宅で行うことができる治療法として注目を集めています。
 

医療費控除とは

医療費控除とは、1年間で支払った医療費が一定額を超えたとき、医療費の金額を基に計算される金額を所得から差し引くことができるものです。医療費控除の金額は、次の計算式で求められた金額となります。
 
(実際に支払った医療費の合計額-保険金などで補てんされる金額)-10万円(総所得金額が200万円未満の場合は総所得金額の5%)
 
所得を減らすことができるため、税金の負担を抑えられる仕組みです。
 

医療費が10万円以下なら控除を申告しても意味がない?

今回、舌下免疫療法でかかった医療費は6万円です。先ほどの医療費控除の金額の計算式に当てはめると、6万円-10万円=-4万円、とマイナスとなることから、医療費控除は0円となります。
 
また、総所得金額が200万円未満の場合は10万円ではなく、総所得金額の5%を医療費の合計額から差し引けますが、年収400万円の場合、給与所得控除を引いた所得金額は以下のようになります。
 
年収400万円の場合の給与所得控除:収入金額×20%+44万円
400万円×20%+44万円=124万円
400万円-124万円=276万円
 
所得金額は276万円となり、200万円を超えていることから、10万円の代わりに総所得金額の5%を適用することはできません。
 

年収400万円の場合は医療費がいくらなら医療費控除が適用される?

最後に、医療費がいくらなら医療費控除が適用されるのか、シミュレーションしてみましょう。まずは、医療費が10万円ちょうどだった場合の所得税を計算します。
 

医療費が10万円だった場合の所得税

給与所得は、先ほど求めた276万円です。ここから所得控除である基礎控除を差し引きます。医療費は10万円ちょうどのため、医療費控除額は0円です。なお、今回は分かりやすくするため、ほかの控除はないものとします。
 
所得金額が276万円の場合の基礎控除額は88万円のため、所得税を求めるために必要な課税所得は次の計算式の通りです。
 
276万円-88万円=188万円
 
課税所得が1000円から194万9000円までは所得税の税率が5%のため、今回のケースの所得税は次の計算式で求められます。
 
188万円×5%=9万4000円
 
医療費が10万円だった場合の所得税は9万4000円となりました。
 

医療費が10万円以上だった場合の所得税

それでは、医療費が10万円以上だった場合の所得税はどうなるのか、実際に税金の負担は抑えられるのかを見ていきましょう。
 
医療費が10万1000円だったと仮定すると、医療費控除額は1000円となります。先ほどと同様に課税所得を求めてみましょう。
 
276万円-(88万円+1000円)=187万9000円
 
課税所得を求められたため、所得税を計算してみます。
 
187万9000円×5%=9万3950円
 
医療費控除額が1000円の場合、所得税を50円抑えられることが分かりました。この50円は医療費控除額に所得税の税率である5%をかけた分です。
 

医療費控除を申告するならまずは所得を確認しよう

総所得金額が200万円を超えている場合、医療費が10万円以上でなければ医療費控除を申告しても意味がないと言えます。しかし、医療費が10万円を少しでも超えているのであれば、申告すると医療費控除を受けられます。
 
総所得金額が200万円未満の場合は判定ラインが変わるため、まずは総所得金額が200万円を超えるかどうかを確認しましょう。収入が給与収入のみの場合は、給与収入から給与所得控除を引いた金額で判断します。給与収入そのものではない点に注意しましょう。
 

出典

国税庁 No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
国税庁 No.2260 所得税の税率
 
執筆者 : 金成時葉
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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