「金価格2万9000円突破」と聞き、10年前“20万円”で買った金の指輪を「60万円」で売却! 友人に「税金かかるよ」と言われましたが、確定申告は必要ですか? 課税ポイントを確認

配信日: 2026.04.01
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「金価格2万9000円突破」と聞き、10年前“20万円”で買った金の指輪を「60万円」で売却! 友人に「税金かかるよ」と言われましたが、確定申告は必要ですか? 課税ポイントを確認
「金価格が1グラム2万9000円を突破」といったニュースを見て、10年前に20万円で買った金の指輪を売ったら「60万円」になった! と大喜びしていたのに、友人に「それ、税金がかかるから確定申告しないとまずいよ」と言われ、「せっかくの利益が消えちゃうの?」と青ざめてしまうかもしれません。
 
本記事では、金の売却にかかる税金の仕組みと、確定申告が不要になる「50万円の特別控除」のルールについて解説します。
高橋祐太

2級ファイナンシャルプランナー技能士

金の売却で得た利益は「譲渡所得」の対象に

金や金の指輪・ネックレスなどの貴金属を売却して利益が出た場合、その利益は原則として「譲渡所得」となり、所得税や住民税の課税対象となります。
 
「不用品をリサイクルショップで売っただけなのに?」と感じる人もいるかもしれません。確かに、洋服や家具などの日用品の売却益は原則非課税です。しかし、金などの貴金属や宝石類は、1個または1組の売却額が「30万円」を超えると生活必需品とはみなされず、課税対象として扱われます。
 
譲渡所得は、売却価格から「購入時の価格(取得費)」と「売却にかかった手数料(譲渡費用)」を差し引いた純粋な利益をもとに計算します。今回のケースでは、売却額60万円から購入額20万円を引いた「40万円」が利益となります。
 

年間50万円の特別控除で「40万円の利益」なら非課税!

「利益が40万円もあったら、税金はどのくらいになるのか……」と心配になるかもしれませんが、安心してください。
 
譲渡所得には「年間50万円の特別控除」という非課税枠が設けられています。1年間(1月1日~12月31日)の譲渡所得の合計額から、最大50万円を差し引くことができる制度です。
 
今回のケースでは利益が40万円であり、特別控除額の50万円の範囲内に収まります。差し引くと計算上はマイナスとなるため、課税される所得は「ゼロ」となり、税金は一切かかりません。確定申告も不要です。売却益の60万円をそのまま手元に残すことができます。
 
ただし、同じ年内に別の貴金属を売却したり、ゴルフ会員権などほかの資産を売ったりして利益を得ている場合は、それらをすべて合算したうえで50万円を超えるかどうかを確認する必要があります。この点だけは注意しておきましょう。
 

5年を超えて保有していればさらに税金が安くなる特例も

今後さらに金価格が上昇したり、複数の貴金属をまとめて売却したりして利益が50万円の特別控除を超えた場合はどうなるのでしょうか。実は、「購入から売却までの保有期間」によって税負担が大きく異なるルールがあります。
 
保有期間が「5年以内」の場合は「短期譲渡所得」として扱われ、50万円の控除後の利益が給与などほかの所得と合算されて税額が計算されます。一方、保有期間が「5年超」の場合は「長期譲渡所得」となり、ほかの所得と合算される利益額が「2分の1」になるという大きな優遇が受けられます。
 
今回のように「10年前に買った指輪」であれば、間違いなく長期譲渡所得に該当します。万一、利益が50万円を超えたとしても、税負担は通常の半分で済むと知っておくだけで、いざというときに慌てず冷静に対応できるはずです。
 

まとめ

金価格の高騰により、以前購入した金の指輪などが思わぬ高値で売れるチャンスが広がっています。
 
貴金属の売却益は課税対象となりますが、年間50万円の特別控除があるため、今回のように利益が40万円であれば税金はかからず、確定申告も不要です。
 
また、5年超保有していた資産であれば税負担が半分になる優遇措置もあるため、「いつ・いくらで買ったか」が分かるレシートや保証書はきちんと保管しておきましょう。正しい税金の知識を持って、賢く家計の足しにしていただければと思います。
 

出典

国税庁 No.3105 譲渡所得の対象となる資産と課税方法
国税庁 No.3152 譲渡所得の計算のしかた(総合課税)
 
執筆者 : 高橋祐太
2級ファイナンシャルプランナー技能士

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