新卒で“月収22万円”ですが、2年目の先輩に「住民税ないから、自分より1万円手取りが多い」と聞きビックリ!「金あるなら多く払って」とのことですが、本当に自分のほうが“手取りが多い”ですか?
本記事では、「先輩より自分のほうが手取りが多いなんて本当?」という疑問について、住民税の仕組みをもとに解説します。
2級ファイナンシャルプランニング技能士/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など
新卒1年目は住民税がかからない?
住民税は、1年間の所得に対して課税される税金ですが、実際に徴収されるのは翌年です。例えば、会社員として2025年に働いて得た所得に対する住民税は、2026年6月の給与から2027年5月までの1年間にわたって給与から天引きされます。
なお、所得が原則110万円を超えない場合は、住民税はかかりません。新卒1年目は、入社前である前年の所得がそこまで高くないことが多いため、一般的には新卒1年目の給与からは住民税が天引きされないケースが多くあります。
一方、入社2年目になると1年目の所得をもとに住民税が課税され、毎月の給与から差し引かれるようになります。
手取りが逆転することはある?
例えば、新卒の月収が22万円で手取りが17万円だったとします。ここから住民税が控除されると、手取りはさらに減るでしょう。
一般的に、年収300万円前後の会社員の場合、住民税は年間でおよそ15万円程度になることが多く、月額に換算すると1万円程度となります。
そのため、基本給が1年目と2年目で大きく変わらなければ、住民税が引かれる2年目の社員より、住民税のない1年目の社員のほうが、月の手取りが多くなることは十分あり得ます。「新卒のほうが手取りが多い」と言われるのは、この仕組みによるものです。
ただし年収では逆転しないことが多い
月給では住民税の分、1年目のほうが2年目の社員よりも手取りが多いこともあります。とは言え、「新卒1年目のほうが年収が高い」というわけではありません。あくまで月ごとの手取りが一時的に多く見えるだけです。
多くの企業では、2年目になると昇給があったり、賞与が増えたりします。基本給が同じでも、年間の賞与や昇給の差によって、年収ベースでは先輩のほうが高くなることが一般的です。そのため、1年目のほうが月の手取りが多いからといって、年間の給与水準が逆転することはそこまで多くはないでしょう。
先輩より多く支払うべき?
住民税の仕組みによって、1年目のほうが月の手取りが多くなるケースはあるため、「お前のほうが手取りが多い」と先輩に言われるのも、あながち間違いではありません。
ただし、それは住民税の課税タイミングによる一時的なものです。また、企業によっては2年目以降に昇給や賞与の差が出ることも多く、年収ベースで見れば先輩のほうが高くなるケースが一般的です。月ごとの手取りだけを理由に「新卒1年目のほうが給料が高い」と考えるのは、やや極端と言えるでしょう。
そのため、「手取りが多いから多く支払うべき」というほどの差とは言い切れません。もちろん職場の雰囲気や人間関係によっては、軽くコーヒーをおごる程度のやり取りになることはあるかもしれませんが、制度上の理由だけで必ずしも入社1年目が負担すべきとは言えないでしょう。
まとめ
新卒1年目と2年目では、住民税の関係で毎月の手取りは1年目のほうが多くなることもあります。とは言え、年収ベースでは新卒2年目のほうが高くなることも多く、必ずしも毎月の給料だけで「後輩の自分が多く出すべき」とは言えません。
相手との関係によって対応は変わりますが、この機会に住民税の制度の仕組みは理解しておきましょう。
執筆者 : 三浦大幸
2級ファイナンシャルプランニング技能士/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など
