再雇用で「年収600万→300万円」なのに、住民税が“去年より増えて”驚き! 市役所の手続き間違い? 定年後の収入の実態と、見落としがちな「住民税の仕組み」とは

配信日: 2026.04.09
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再雇用で「年収600万→300万円」なのに、住民税が“去年より増えて”驚き! 市役所の手続き間違い? 定年後の収入の実態と、見落としがちな「住民税の仕組み」とは
定年後に再雇用で働き続ける人も多いでしょう。再雇用では以前よりも給与が下がることもありますが、給与が大きく下がったにもかかわらず、「なぜか住民税が高いまま」というケースに戸惑う人も少なくありません。
 
例えば、定年前は年収600万円、再雇用後は年収300万円程度に減ったにもかかわらず、住民税が定年前よりも上がることもあります。これは計算ミスではなく、住民税の仕組みによるものです。
 
本記事では、再雇用後の収入の実態と、再雇用で年収が下がっても住民税が高くなる理由について解説します。
三浦大幸

2級ファイナンシャルプランニング技能士/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など

再雇用では年収が大きく下がることも多い

まず、再雇用後の給与水準について見てみましょう。国税庁の「令和6年分民間給与実態統計調査」によると、給与所得者の平均年収は、55~59歳で572万円と最も高くなります。その後は60~64歳で473万円、65~69歳では370万円と、年齢が上がるにつれて平均年収は低くなる傾向があります。
 
また、株式会社リクルート ジョブズリサーチセンターの「シニア層の就業実態・意識調査2023(個人編)」によると、再雇用によって給与が定年前の50%以下になった人は26.4%で、4人に1人以上にのぼります。このように、再雇用で給与が大きく下がるケースは珍しくありません。
 

住民税は前年の年収をもとに計算される

それでは、なぜ年収が下がっているのに住民税が高くなることがあるのでしょうか。大きな理由は、住民税が「前年の所得」をもとに計算される仕組みにあります。
 
例えば、2025年の所得に対する住民税は、2026年6月から2027年5月までの1年間にわたって給与などから天引きされます。そのため、2025年に年収600万円だった人が、2026年に再雇用で年収300万円に下がった場合でも、2026年6月からしばらくの間は、年収600万円だったときの所得をもとに住民税が計算されます。
 
この仕組みによって、「収入は下がったのに税金は高い」という状況が一時的に起こるのです。
 

退職前は年収が高いことも影響

さらに、定年前の給与水準が高いことも、住民税の負担が重く感じられる理由の1つです。
 
多くの会社員は、50代後半が給与のピークになる傾向があります。そのため、退職直前の年収が高く、その年の所得をもとに住民税が計算されると、再雇用後の収入と比べて税負担が重く感じられることがあります。
 

退職金を年金形式で受け取る場合は税負担が増えることも

もう1つ注意したいのが、退職金の受け取り方です。退職金を一時金として受け取る場合は、退職所得控除などが適用されるため、税負担が比較的軽くなる仕組みがあります。
 
一方、退職金を年金形式で受け取る場合は、雑所得として扱われるため、毎年の所得として課税されます。その結果、場合によっては一時金で受け取るよりも税負担が大きくなることがあります。
 
そのため、退職金の受け取り方によっては、税金の負担が増えるケースも考えられるでしょう。
 

まとめ

再雇用で年収が大きく下がっても、住民税が高いままになることがあります。これは、住民税が前年の所得をもとに計算される仕組みのためであり、計算ミスではありません。
 
また、定年前は給与水準が高いことが多いため、その年の所得をもとにした住民税が重く感じられることもあります。さらに、退職金を年金形式で受け取る場合には、税負担が増えるかもしれません。
 
再雇用後の収入と税金のタイミングにはズレがあるため、制度の仕組みを理解しておきましょう。
 

出典

国税庁 令和6年分民間給与実態統計調査-調査結果報告-
株式会社リクルート ジョブズリサーチセンター 【基本報告書】シニア層の就業実態・意識調査 2023―個人編 60~74歳―
 
執筆者 : 三浦大幸
2級ファイナンシャルプランニング技能士/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など

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