金価格「8000円→2万8000円」のタイミングで売却したら、税金が“130万円”もかかった! もしNISAで「金連動ETF」を買っていれば非課税でしたか? 売却益の注意点とは

配信日: 2026.04.11
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金価格「8000円→2万8000円」のタイミングで売却したら、税金が“130万円”もかかった! もしNISAで「金連動ETF」を買っていれば非課税でしたか? 売却益の注意点とは
近年、金価格の上昇が話題になっています。例えば、2022年頃には1グラムあたり8000円前後だった金価格が、足元では2万8000円前後まで上昇しています。価格が大きく上がったことで、「今が売り時では?」と考える人も多いのではないでしょうか。
 
しかし、いざ売却を検討すると気になるのが税金です。売却で利益が出た場合、どのような税金がかかるのか、どのくらい手元に残るのか気になる人もいるでしょう。また、金の現物ではなく、金に連動する金融商品をNISAで保有していた場合と、税金の扱いがどう違うのか疑問に思う人もいるかもしれません。
 
本記事では、金の売却にかかる税金の仕組みと、具体的な課税額のイメージなどについて解説します。
三浦大幸

2級ファイナンシャルプランニング技能士/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など

金価格はここ数年で大きく上昇

金は「有事の資産」とも呼ばれ、世界情勢やインフレの影響を受けやすい資産です。近年は円安などの影響もあり、国内の金価格は大きく上昇しています。
 
実際に、2022年頃は1グラム8000円前後だった価格が、一時2万8000円前後まで上昇しており、約3倍程度の水準となっています。こうした値上がりを背景に、長期間保有していた金を売却し、利益を確定しようと考える人もいるでしょう。
 

金の売却益は「譲渡所得」になる

金を売却して得た利益は、税務上は「譲渡所得」に分類されます。ここで注意したいのは、金は株式の売却益のような「分離課税(約20%)」ではなく、ほかの所得と合算して課税される総合課税になる点です。
 
つまり、給与所得や事業所得などと合算され、その合計額に応じて税率が決まります。そのため、所得が高い人ほど税率が上がる可能性があります。
 

実際にどれくらい税金がかかる?

それでは、具体的なケースで見てみましょう。今回の前提は次の通りとします。
 

【前提】

・取得費:200万円
・保有期間:3年(2022年~2025年を想定)
・売却価格:700万円
・手数料:10万円

 
まず、譲渡益は490万円です(700万円-200万円-10万円)。ここからさらに、譲渡所得には特別控除50万円が適用されるため、課税対象は440万円(490万円-50万円)となります。
 
なお、前出の通り金の売却益は「総合課税」となり、給与所得など他の所得と合算したうえで税率が決まります。本記事では分かりやすくするため、「合算後の課税所得に対して所得税率20%程度が適用されるケース」を想定し、譲渡所得に対する税負担の目安として試算しています。実際の税率は所得状況によって異なる点にご注意ください。
 
所得税率が20%、住民税率が10%とすると、所得税と住民税は次の通りです。
 

・所得税:440万円×20%=88万円
・住民税:440万円×10%=44万円

 
合わせると130万円超となり、思った以上に税負担が大きいと感じる人もいるでしょう。なお、金を売却した時点で所有期間が5年を超えていた場合は長期譲渡所得となり、課税対象となる金額が2分の1になる仕組みもあります。
 

一度に売ると税率が上がる可能性も

金の売却では、タイミングも重要です。一度に大きな利益を出すと、その年の所得が増え、結果として税率が上がる可能性があります。
 
また、給与や事業所得が多い年に売却すると、より高い税率が適用されることもあります。そのため、売却時期を分けるなど、税負担を抑える工夫も検討する余地があるでしょう。
 

NISAなら非課税になる?

ここで、「NISAなら非課税になるのでは?」と思う人もいるかもしれません。確かに、NISA口座で購入した上場株式やETF、投資信託などの金融商品は、売却益や配当が非課税になります。
 
ただし、金の現物(地金)はNISAの対象商品ではないため、NISA口座で保有することはできません。そのため、地金を売却して利益が出た場合は、NISAの非課税の対象にはなりません。
 
一方で、金に連動するETF(上場投資信託)などであれば、NISA口座での投資が可能であり、その場合は売却益が非課税になります。つまり、「金投資=全て非課税」ではなく、投資方法によって税制が大きく異なる点に注意が必要です。
 

まとめ

金価格の上昇によって、売却益を得られるチャンスが広がっていますが、その利益には税金がかかります。金の売却益は譲渡所得として総合課税の対象となるため、株式のように一律20%ですむとは限りません。
 
本記事のケースのように、利益が大きければ、100万円を超える税負担になることもあります。また、売却タイミングや所得状況によって税率が変わる点にも注意が必要です。
 
さらに、NISAは金の現物には適用されず、ETFなどに限られるため、投資手法による違いも理解しておくことが大切です。価格の上昇だけでなく、税金まで含めて判断することが、資産運用では重要といえるでしょう。
 

出典

国税庁 No.3161 金地金の譲渡による所得
国税庁 No.2260 所得税の税率
総務省 個人住民税
 
執筆者 : 三浦大幸
2級ファイナンシャルプランニング技能士/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など

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