医療費が初めて“年11万円”になったけど「確定申告」が面倒くさい! 10万円ちょっとでも“申告する意味”はありますか?「課税所得700万円」のケースで還付額を試算

配信日: 2026.05.11
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医療費が初めて“年11万円”になったけど「確定申告」が面倒くさい! 10万円ちょっとでも“申告する意味”はありますか?「課税所得700万円」のケースで還付額を試算
年間の医療費が10万円を超えると、医療費控除を利用できます。しかし、医療費控除を受けるためには確定申告が必要です。確定申告は、初めての人にはハードルが高く、「10万円ちょっとなら手続きしなくて良いかも……」と考える人も多いかもしれません。
 
本記事では、年間の医療費が11万円の場合の還付額や、初めて手続きする人が注意したいポイントなどを解説します。
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医療費控除の基本をおさらい

医療費控除は、その年1年間(1月~12月)に支払った医療費が一定額を超えた場合に、超過分を所得から差し引ける制度です。
 
自分や生計を共にする家族の医療費が対象で、原則として年間10万円(所得が200万円未満なら所得の5%)を超えた場合に利用できます。ただし、美容目的や健康増進のための費用は対象外です。
 
医療費控除が適用されるには、確定申告が必要です。会社の年末調整では反映できないため、会社員も自分で手続きを行う必要があります。
 

医療費が11万円だった場合の還付額をシミュレーション

医療費控除の対象となるのは、年間の医療費が10万円を超えた部分です。つまり、医療費が11万円だった場合は、1万円を控除申告します。
 
ただし、医療費控除は、課税対象の所得から差し引かれる「所得控除」の1つです。そのため、超過した1万円がそのまま還付されるわけではありません。
 
所得控除によって還付される税額は、「控除額×所得税率」で計算できます。例えば、控除額が1万円の場合、所得税率が10%なら1000円、20%なら2000円が還付されます。
 
所得税率は、図表1の通りその人の所得によって異なります。
 
図表1

課税所得金額 税率
1000円 から 194万9000円まで 5%
195万円 から 329万9000円まで 10%
330万円 から 694万9000円まで 20%
695万円 から 899万9000円まで 23%
900万円 から 1799万9000円まで 33%
1800万円 から 3999万9000円まで 40%
4000万円 以上 45%

国税庁 No.2260 所得税の税率より筆者作成
 
例えば、課税所得が700万円の場合、所得税率は23%です。そのため、医療費控除を1万円申告すると、還付される金額は2300円となります。
 
なお、課税所得金額とは、年収から基礎控除や給与所得控除、社会保険料控除や医療費控除などの所得控除を差し引いた後の金額のことです。
 
会社員の場合は、源泉徴収票に記載されている「給与所得控除後の金額」から「所得控除の額の合計額」を差し引くと、おおよその課税所得を把握できるでしょう。ただし、源泉徴収票には医療費控除のように、記載されていない所得控除もあるので注意が必要です。
 

医療費控除の手続きは簡略化されつつある

所得税率は最大45%であることから、医療費控除を1万円申告して差し引かれる金額は最大4500円です。このため、医療費が10万円を少し超える程度の場合、医療費控除によるインパクトは大きくないと感じる人もいるでしょう。
 
しかし、近年は医療費控除の申告が簡略化されつつあります。例えば、マイナポータル連携を利用する場合は、マイナポータル経由で情報を取得することにより、確定申告書を作成する際に該当項目が自動入力されます。
 
手続きにかかる手間は人によって異なりますが、必要な情報がそろっていればそれほど時間がかからない場合も多いでしょう。
 

医療費控除を初めて申告する人が気をつけたいポイント

医療費控除を初めて申告する人は、以下の2点に注意しましょう。
 

医療費控除に含まれるものを取りこぼさない

医療費控除は、医師による診療や治療にかかる費用のほか、通院にかかった交通費、医薬品や医療器具の購入費なども対象になります。本来申告できるものを取りこぼさないよう、医療費控除に含まれるもの・含まれないものを正確に把握しましょう。
 

保険金を受け取った場合は医療費から差し引く

医療費控除の額を計算する際は、健康保険から支給される高額療養費や、民間保険の給付金などを差し引く必要があります。
 
例えば、年間の医療費が11万円かかったとしても、民間の医療保険から5万円の給付金を受け取った場合は、実質的な負担額は「11万円-5万円=6万円」となります。この場合、控除の基準である10万円を下回るため、医療費控除の対象から外れる点に注意が必要です。
 
ただし、就業不能保険や所得補償保険による給付金、友人から受け取る個人的な見舞金などは、医療費を補てんする性質のものではないため、計算時に差し引く必要はありません。
 

以前より確定申告の利便性は向上している

医療費控除の対象となる医療費が11万円だった場合、還付される金額は所得税率が10%なら1000円、20%なら2000円です。それほど大きな金額ではないものの、近年は医療費控除の手続きが簡略化され、利便性が向上しています。「面倒だから申告したくない」という人も、次の確定申告ではぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
 

出典

国税庁 No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
国税庁 No.2260 所得税の税率
国税庁 医療費控除を受ける方へ
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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