住居費を経費にして節税できると聞きました。それならマイホームより賃貸のほうがお得なのでしょうか?

配信日: 2026.05.28
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住居費を経費にして節税できると聞きました。それならマイホームより賃貸のほうがお得なのでしょうか?
住居費とは、住居を維持していくために継続的に発生する費用のことを指します。代表的なものとしては、賃貸住宅の場合には毎月の家賃であり、ローンで購入した持ち家であれば、毎月の住宅ローンの返済額となります。
 
例えば、一般的な会社員がこれらの住居費を負担した場合、原則、直接経費として節税できるわけではありません。本記事では、会社員の家計を想定し、住居費について節税できるケースを確認していきます。
高橋庸夫

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

持ち家でも賃貸でも住居費はかかる!

少し内訳は異なりますが、住居費は持ち家であれ、賃貸であれ一定の負担が必要です。
 
【持ち家の場合】

(1)住宅ローン
住居をローンで購入した場合の返済額です。ただし、一定の条件で所得税等の住宅ローン控除を適用することができます。(節税要因)
 
(2)固定資産税・都市計画税
持ち家の所有者に毎年課税されます。
 
(3)修繕費
経年劣化などに対応した、住宅の維持管理や修繕にかかる費用です。マンション等の場合には、区分所有者全員で修繕積立金などを負担します。
 
(4)水道光熱費
電気代、ガス代、上下水道代など
 
(5)保険料
火災保険や個人賠償保険、地震保険(地震保険料控除で節税要因となる場合あり)などの保険料です。住宅ローン契約時に、加入が義務付けられることが多いです。
 
【賃貸の場合】

(1)家賃
(2)共益費・管理費

マンション等の共用部分の維持管理にかかる費用です。
 
(3)水道光熱費
電気代、ガス代、上下水道代など
 
(4)火災保険料
多くの場合、賃貸契約時に加入が義務付けられます。(借家人賠償など)
 
(5)保証料
賃貸契約の際、家賃保証会社を利用する場合に発生します。
 
これらの住居費は、一般的な会社員の場合、住宅ローン控除や地震保険料控除を除いて、原則、経費として節税できるものはありません。
 

会社員が副業で自宅の一部を利用している場合

ひとつの事例として、会社員が何らかの副業をして収入を得ており、そのために自宅の一部(一室)を利用しているケースを想定してみましょう。この場合には、副業の収入を得るために支出した必要経費を収入から差し引くことができます。ただし、確定申告が必要です。
 
【事業所得=総収入金額-必要経費】
必要経費にできる住居費は、事業に要した自宅の面積や使用時間などから合理的に算出できる金額とされ、「家事按分」して住居としての利用と副業(事務所)としての利用分を按分し、費用を計上します。
 
例えば、前述の持ち家の事例では、住宅ローンの利息部分(元金分は費用計上できない)、固定資産税等、修繕費等、水道光熱費等、保険料などを家事按分し、必要経費とすることができます。
 
ただし、あくまでも副業で利用している分の割合に限られるので十分に注意が必要であり、合理的に説明できる「面積による按分」が適用されるケースが多いようです。また、賃貸の場合の家賃などについても同様に家事按分で費用計上できる場合があります。
 

確定申告で副業の所得と合算(総合課税)

副業の収入が事業所得の場合、一定の要件を満たす青色申告を実践することで、最大65万円の青色申告特別控除を適用することができます。これは明らかに節税につながる要素となります。
 
また、副業の収入と給与所得を総合課税で確定申告することで、前述の必要経費などを差し引いた所得を基に所得税等を再計算することになります。状況によっては、所得控除などの適用で節税につながることもあります。極端な事例では、副業の事業所得がマイナスであった場合、給与所得との合算により所得税等が還付されることもあり得ます。
 
さらに、副業が不動産を貸すことによって得られる賃貸不動産収入であった場合にも、不動産所得として必要経費の計上は可能です。なお、青色申告特別控除は、事業的規模かどうかなどの要件によって控除額が異なります。
 

まとめ

今回の会社員が副業する事例では、自宅が持ち家であれ、賃貸であれ、節税につながる要素に大差はありません。
 
むしろ、一般的な税制の恩恵を考えると、住宅ローン控除の適用や固定資産税等を一部費用として計上できる持ち家の方が有利といえるかもしれません。
 

出典

国税庁 No.1350 事業所得の課税のしくみ(事業所得)
国税庁 No.2210 必要経費の知識
国税庁 No.2072 青色申告特別控除
国税庁 No.1373 事業としての不動産貸付けとそれ以外の不動産貸付けとの区分
 
執筆者 : 高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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