4月に父が亡くなり「4月までの税金」を納めに行ったら、市役所で「12月分まで残り8万円払ってください」と言われ衝撃! 市民税は“死後も払う”必要があるんですか? 納付義務を確認
税金の納付義務は「生きている間」だけではなく、「亡くなった後」も続くのはなぜなのでしょうか。また納付義務者である親が亡くなった場合、本人の代わりに誰が納めることになるのでしょうか。
本記事では、亡くなった後の住民税がどう扱われるのか、また家族が行うべき手続きについて解説していきます。
ファイナンシャルプランナー2級
住民税は「前年の所得」に対してかかる税金
住民税の正式名称は「個人住民税」といい、都道府県民税と市区町村民税を合わせて、前年1年間の所得をもとに税額が決まります。つまり、2026年度の住民税は、2025年1月~12月の所得をもとに計算される仕組みです。
住民税の納付義務があるのは、原則として「その年の1月1日時点で住民票がある人」です。実は住民税は、その年の収入に対して払う税金ではありません。「前年の所得」をもとに課税される仕組みになっているため、1月1日時点で生存していた場合、その年度分の住民税は、原則として未納分も納める必要があります。
そのため、1月1日時点で生きていて、その自治体に住民登録があれば、その年度分の住民税の納税義務が発生し、年の途中で亡くなった場合でも、原則として未納分を納めなければなりません。また住民税はすでに前年の所得に対して確定しているため、残りの税額をまとめて支払うようにと案内されるケースもあります。
支払うのは誰? 相続放棄との関係は?
亡くなった人に財産がある場合、配偶者や子どもなどの相続人が、その財産を受け継ぎますが、未払いの税金も相続されます。相続というと、家や土地、預金のようなプラスの財産をイメージする人が多いかもしれませんが、実際は借金やクレジットカードの未決済分など、マイナスの財産も「財産の一部」となるのです。
ただし、借金や未払いがあまりにも多い場合は「相続放棄」をすることもできます。相続放棄とは、「財産も借金も一切引き継がない」というものです。
家庭裁判所で正式な手続きを行えば、住民税などの支払い義務も原則として負わなくなりますが、手続き前に預貯金を使ってしまったり、不動産を処分したりすると「相続を受け入れた」とみなされ、相続放棄できなくなる可能性もあるため注意が必要です。
亡くなったあとに必要になる税金は住民税だけではない
亡くなったあとに発生する可能性がある手続きは、住民税だけではありません。次のものも、状況によって支払いや申告が必要となる場合があります。
・固定資産税
・国民健康保険料
・介護保険料
・所得税の準確定申告
準確定申告とは、亡くなった人の代わりに行う所得税の申告で、正式には「所得税及び復興特別所得税の準確定申告」といいます。準確定申告は、相続の開始があったことを知った日の翌日から4ヶ月以内に申告する必要があり、年金収入や医療費控除の状況によっては、税金が戻るケースもあります。
「請求されるお金」だけではなく、「戻るお金」がある場合もあるため、まとめて確認しておくようにしましょう。
申告や納税は期限内に正しく行おう
「亡くなったのに住民税がかかる」と聞くと「亡くなった後も税金を払わなければいけないのか」と納得がいかない人もいるかもしれません。しかし、住民税は前年の所得に対して課税される仕組みのため、1月1日時点で生存していれば、その年度分の住民税は原則として課税され、年の途中で亡くなっても未納分を納める必要があります。
家族の身の回りの整理や相続手続きは、慣れないことも多く、想像以上に負担に感じるという人も多いでしょう。いざその時が来てから焦るのではなく、ざっくりとした制度の仕組みを知っておくことで、「なぜ請求されるのか」「いつまでにやらないといけないのか」が理解しやすくなります。
相続放棄や準確定申告など、状況によって必要な対応も変わります。家族が元気なうちから、プラスの財産もマイナスの財産も含めて話し合い、不安な場合は市区町村や税理士などに相談してみるとよいでしょう。
出典
e-Gov法令検索 地方税法
国税庁 No.2022 納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)
執筆者 : 渡辺あい
ファイナンシャルプランナー2級
