【給付付き税額控除】夫婦で「年収800万円」で“子ども2人”のわが家…高所得でないので「現金給付」の対象になりますか?“子ども分の加算”などはあるでしょうか? 今後の見通しを確認
いつから、どのような人を対象に行われるのでしょうか。現時点で分かっていること、議論中のこと、今後の見通しについて解説します。
FP2級、AFP
目次
給付付き税額控除とは? 仕組みを解説
給付付き税額控除とは、基本的には所得税などの納税額から一定額を差し引く「税額控除」の仕組みをとっていますが、納税額が少ない低所得者は差し引ける税額が少ないため現金給付も行うという、税額控除と給付を組み合わせた仕組みです。
2月の衆院選で自民党が公約に掲げ、与野党で議論が進められてきました。
まずは中低所得者への給付を先行
税額控除に関しては、企業の事務手続きなどの負担が大きいため先送りし、まずは中低所得者への現金給付を行うことで与野党がおおむね一致しています。では、どのような人が現金給付の対象になるのでしょうか。
これまでのところ、中・低所得の現役世代、個人を対象とする方向で議論が進められています。そのなかでも一定の勤労収入と一定の社会保険料負担がある人が対象になると見込まれるため、例えば会社員の夫と専業主婦の妻の夫婦の場合、妻は現金給付の対象とならない可能性もありそうですが、詳細は検討中とされています。
また、家族の扶養に入り、年収100万円に満たないパートとして働いている人も、社会保険料を負担していないため、対象となるかどうかは議論が続けられています。
「一定の勤労収入と一定の社会保険料負担」がどの程度を指すのかはまだ示されていません。また、高所得者は年収いくらから現金給付の対象から外れるのかも、制度設計の途中段階のため分かっていません。
「世帯年収375万円の共働き夫婦(子供2人)」は対象か
ただ、どのくらいの年収の人が対象になりそうかのヒントもあります。政府は、世帯年収375万円の共働き夫婦(子供2人)では、米独仏の平均に比べ27万円も税や社会保険料の負担が重いという試算を示しています。
そのため、こうした家庭に近いケースの人は、何らかの給付が受けられるような制度設計が進められていく可能性は高そうです。
一方、このケースよりも比較的余裕がある「世帯年収800万円(夫は年収500万円、妻は300万円、子ども2人)」という、今回の事例のようなケースでは、現金給付があるのか、あるとしたらどのくらいの額かはまだ分かりません。
ただ個人単位で考えていくと、年収300万円の妻は一定の勤労収入や社会保険料負担があり、かつ高所得者とは言えないとみなされる可能性が高いため、現金給付の対象となる見込みは十分ありそうです。
子育て世帯への給付額加算は?
給付付き税額控除をめぐっては、子育て世帯への支援を手厚くするかどうかも焦点となっています。子どもの人数に応じた加算なども検討されている一方で、高校無償化や児童手当の拡充などの子育て支援もすでに進められているため、子育て世帯への加算には慎重な意見もあります。
今後の見通し―来年前半以降の実施か―
今後、与野党は6月に給付付き税額控除の方向性についての中間とりまとめを行う予定で、制度の導入は早くて来年の前半と見られています。まずは6月の中間とりまとめに関するニュースをチェックし、自分や家族が対象になりそうかどうか確認してみることをおすすめします。
執筆者 : 中村まほ
FP2級、AFP