相続した実家は「新幹線で3時間の距離」なので“放置”してたら、固定資産税が「10万→60万円」に!? 毎年そんなに払えないのですが、手放すべきですか? 法改正によるリスクと対策
本記事では、空き家を放置する危険性や対処法をくわしく解説します。将来的に実家を相続する予定がある人も、ぜひ参考にしてください。
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空き家を放置すると固定資産税が増える?
今回のように「実家を相続したものの、遠方に住んでいるため手入れができない」といったケースでは、物件が空き家になりがちです。
人が住んでいるかどうかにかかわらず、所有する不動産には固定資産税がかかりますが、住宅が建っていれば「固定資産税等の住宅用地特例」によって税額が安くなります。例えば200平方メートル以下の小規模住宅用地なら、固定資産税は6分の1に減額されます。
通常、この軽減措置は空き家にも適用されます。しかし建物を適切に管理せず放置していると、この特例の対象から除外され、年10万円から年60万円といったように、固定資産税が跳ね上がるリスクがあるのです。
法改正により特例解除の対象が拡大
住宅用地特例の対象から外れてしまう可能性があるのは、所有する物件が「特定空き家」または「管理不全空き家」に指定された場合です。
物件が「特定空き家」に指定される条件は、以下の4つです。
・倒壊など著しく保安上危険となる恐れがある状態
・著しく衛生上有害となる恐れがある状態
・適切な管理が行われないため、周囲の景観を著しく損なっている状態
・周辺の生活環境の保全を図るために、放置することが不適切な状態
どれか一つにでも該当すれば、特定空き家に指定される可能性があります。
一方、「管理不全空き家」とは、2023(令和5)年に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法」(空家法)の改正で新設した枠組みです。空き家が近隣に深刻な悪影響を及ぼす状態になる前の、予備軍のような状態の空き家のことです。特定空き家になる前の段階から適切な管理を促すために、対策が強化されました。
これらに指定された後、自治体からの指導や助言を受けても状況が改善されない場合、自治体はより強い「勧告」を行うことができます。勧告を受けると固定資産税の軽減措置が適用されなくなるため、早めの対処が必要です。
空き家放置のリスクを回避する3つの対処法
空き家を放置してしまうと固定資産税の負担が増えるだけでなく、建物の倒壊や放火などによって近隣住民へ被害を及ぼし、損害賠償責任を問われるリスクも生じます。手遅れになる前に、素早く対処することが大切です。
今後の方針を決める
まずは、空き家を今後どうしていくのか、方針を定めます。必要に応じて、ほかの家族・親族にも連絡をとって空き家について相談しましょう。
主な選択肢としては、「売却」「賃貸」「所有(現状維持)」の3つが挙げられます。
売却する場合は、そのまま中古物件として売り出すのか、建物を解体して更地にしてから売り出すのか、具体的なプランを決めます。なお、賃貸物件として貸し出す場合は、人を住まわせられるようにするためのリフォームや修繕が必要になるほか、入居後の大家としての管理業務(家賃回収やトラブル対応など)が必要です。
「将来的に自分が住むかもしれない」といった理由で現状維持を選ぶ場合は、メンテナンスにかかる手間や費用も含めて、本当に物件を所有し続けられるのかを冷静に見極めてください。
専門業者に依頼する
物件を売却する場合は、不動産会社に相談しましょう。「更地にした方が売れやすい」など、状況に応じたプランを提案してもらえます。
また、物件を所有し続ける場合、自分で管理するのが難しいときは専門の管理業者に依頼するのも手段の一つです。空き家の管理に特化したサービスを提供している業者もあるため、探してみるのもよいでしょう。
自治体の窓口に相談する
「何から手をつければよいか分からない」「適切な管理方法が分からない」といった場合は、空き家が所在する市区町村の相談窓口を訪ねてみるのもおすすめです。多くの自治体では、空き家対策専用の窓口を設けて相談を受け付けています。
場合によっては、市区町村から「空家等管理活用支援法人」に指定されているNPO法人を紹介してもらえるケースもあります。
空き家は放置せず、早めに対処することが重要
相続した物件が「特定空き家」や「管理不全空き家」に指定されると、固定資産税の優遇特例を受けられなくなる可能性があります。空き家の状態を悪化させないためには早めの対処が肝心です。
まずは家族・親族間でしっかり話し合って、売却・貸出・所有のなかからどうすべきか方針を決めましょう。必要に応じて、専門の業者や自治体の相談窓口を頼るのもおすすめです。
出典
国土交通省 固定資産税等の住宅用地特例に係る空き家対策上の措置
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
