通勤手当は“非課税”だと思っていたのに“一部課税”されると聞き大焦り!遠方のため交通費月が5万円かかっているので心配です。私は対象外ですよね…?
ただし、無条件で全額非課税になるわけではありません。電車やバスなどの公共交通機関を使う場合は、原則として合理的な通勤経路の定期代などが非課税の対象になります。上限は月15万円です。
そのため、月5万円の通勤手当であれば、通常は非課税の範囲に収まることが多いでしょう。ただし、実際に使っていない高額なルートで申請している場合などは注意が必要です。
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通勤手当は一定額まで非課税になる
通勤手当は、会社が従業員に支給する手当の一つです。通常の給与に上乗せして支給されますが、通勤に必要な費用という性質があるため、一定の範囲までは所得税がかかりません。
電車やバスなどの公共交通機関だけで通勤している場合、非課税となるのは「最も経済的かつ合理的な経路や方法」で通勤した場合の定期代などです。簡単にいうと、通勤時間や距離、運賃などを考えて、社会的に見て無理のないルートであれば、その交通費は非課税の対象になります。
この場合の上限は月15万円です。月5万円の通勤手当であれば、金額だけを見ると上限を大きく下回っています。そのため、電車やバスの定期代として実際に必要な金額であれば、所得税がかからないケースが一般的です。
ただし、「交通費なら必ず全部非課税」と考えるのは危険です。非課税になるのは、あくまで通勤に必要で、合理的と認められる金額です。通勤とは関係のない交通費や、実際には使っていないルートの金額まで非課税になるわけではありません。
月5万円でもルートによっては確認されることがある
2026年3月14日に、JR東日本をはじめ全国の複数の鉄道会社による運賃の値上げがありました。4月1日には西鉄電車やバスを含む他会社も続くかたちとなったことは記憶に新しいでしょう。6、7月の値上げを発表している会社もあります。
月5万円という金額は、都市部から郊外へ通う人や、複数の路線を乗り継ぐ人であれば珍しくありません。たとえば、自宅から会社まで電車を2本以上乗り継ぐ場合や、特急を使わないと通勤が難しい場合は、これくらいの金額になることが予想されます。
一方で、同じ区間でも複数の通勤ルートがある場合は注意が必要です。会社は、従業員が申請した経路が本当に通勤に使うものか、また過度に高いルートではないかを確認することがあります。これは、会社が従業員を疑っているというより、給与計算や税務処理を正しく行うためです。
たとえば、安いルートなら月3万円で通えるのに、乗り換えが少ないという理由だけで月5万円のルートを申請した場合、会社の規定によっては認められないことがあります。
反対に、安いルートでは通勤時間が極端に長くなる、終電に間に合わない、乗り換えが多く体への負担が大きいなどの事情があれば、合理的と判断される可能性もあります。なお、グリーン料金については非課税の通勤手当内とは認められないことが、国税庁HPに明記されています。
大切なのは、金額だけで判断しないことです。月5万円だから必ず非課税、月5万円だから高すぎる、という単純な話ではありません。会社の通勤手当規定と、実際の通勤経路に合っているかを確認することが大切です。
上限を超えた部分は給与として課税される
通勤手当には非課税の上限があります。公共交通機関を利用する場合、合理的な運賃であっても、月15万円を超える部分は給与として扱われます。給与として扱われると、その超えた部分には所得税や復興特別所得税がかかります。
たとえば、合理的な定期代が月16万円で、会社が全額を通勤手当として支給した場合、15万円までは非課税ですが、超えた1万円は給与として課税されます。課税されるのは全額ではなく、上限を超えた部分だけです。
月5万円の通勤手当であれば、公共交通機関の合理的な通勤費として支給されている限り、上限超過を心配する必要はあまりありません。ただし、マイカーや自転車で通勤している場合は、別の基準になります。
車や自転車の場合は、片道の通勤距離に応じて非課税限度額が決まります。そのため、月5万円でも距離によっては一部が課税される可能性があります。国税庁HPに明記されていますので、詳しく確認してみるのがおすすめです。
また、所得税では非課税でも、社会保険では通勤手当が報酬に含まれる場合があります。つまり、税金だけでなく、健康保険料や厚生年金保険料の計算にも影響することがあります。手取りを考えるときは、所得税だけで判断しないことが大切です。
まとめ
通勤手当は、交通費だからといって無条件で全額非課税になるわけではありません。電車やバスなどで通勤する場合は、合理的な経路の定期代などが月15万円まで非課税になります。月5万円の通勤手当であれば、実際の通勤に必要な金額である限り、所得税がかからないケースが多いでしょう。
ただし、実際に使っていないルートや、会社が合理的と認めない経路で申請している場合は、会社から確認されることがあります。マイカーや自転車通勤では、距離に応じた別の限度額がある点にも注意が必要です。社会保険料の計算の基礎となる報酬には含まれる点は留意しましょう。
不安な場合は、給与明細で通勤手当が課税欄に入っていないか確認しましょう。あわせて、会社の通勤手当規定を見直すと安心です。
正しいルートと金額で申請していれば、通勤手当は家計の負担を軽くしてくれる大切な制度として活用できます。
出典
JR東日本 運賃改定のお知らせ
西鉄グループ 鉄道の運賃改定のお知らせ
国税庁 No.2582 電車・バス通勤者の通勤手当
国税庁 No.2585 マイカー・自転車通勤者の通勤手当
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
