もう築6年なのに、「固定資産税13万円」が“1円”も下がりません。物価高で生活が苦しいのに、ずっとこの税金を払い続けるしかないのでしょうか?見直し依頼はできないのでしょうか?
本記事では、固定資産税の仕組みや評価額の見直し時期、一戸建て住宅で税額が下がりにくい理由などについて解説します。
CFP(日本FP協会認定会員)
1級FP技能士(資産設計提案業務)
住宅ローンアドバイザー、住宅建築コーディネーター
未来が見えるね研究所 代表
座右の銘:虚静恬淡
好きなもの:旅行、建築、カフェ、散歩、今ここ
人生100年時代、これまでの「学校で出て社会人になり家庭や家を持って定年そして老後」という単線的な考え方がなくなっていき、これからは多様な選択肢がある中で自分のやりたい人生を生涯通じてどう実現させていくかがますます大事になってきます。
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固定資産税は課税標準額×税率で決まる
固定資産税は、毎年1月1日時点で土地や建物を所有している人が市区町村に納める義務のある地方税です。4月~5月頃に納税通知書が届き、通常は年4回に分けて支払います。
固定資産税は、原則として以下の計算式で求められます。課税標準額は、固定資産評価額に住宅用地の特例や負担調整措置などが適用されたものとなります。
固定資産税=課税標準額×税率(標準税率1.4%※)
※市町村は必要に応じて、1.4%と異なる税率を条例で定めることができます。
戸建ての場合、固定資産税は「土地」と「建物」に分かれて課税されます。建物は築年数とともに評価額が下がる傾向がありますが、土地部分は立地条件などによって大きく変わらないこともあります。
なお、住宅用地には課税標準の特例があり、200平方メートル以下の部分は原則6分の1、200平方メートルを超える部分は原則3分の1まで軽減されます。
築6年の戸建てで固定資産税が下がらない理由
戸建ての固定資産税は、築年数が経過してもすぐに劇的に下がるとはかぎりません。築6年というタイミングで「税金が下がらない」「むしろ高くなったように感じる」のには、日本の税制と評価額の仕組みに起因する理由があります。
固定資産税の見直しは3年ごとに行われる
固定資産税の評価額は、原則として3年ごとに見直されます。これを、「評価替え」といいます。直近では令和6年度(2024年度)に評価替えが実施されており、次回は令和9年度(2027年度)です。
もし、築6年目が評価替えの「中間の年(据置年度)」に当たっている場合、建物や土地の評価額は前年のものがそのまま据え置かれるため、税額は1円も変わりません。
家屋の評価額は「築年数だけ」で決まらない
家屋の評価額には経年減価が反映されますが、実際には再建築費の水準も加味されます。そのため、古くなったから必ず毎年単純に下がるわけではなく、物価動向との兼ね合いで据え置かれることもあります。築6年の戸建てで税額がほぼ変わらない場合、こうした評価の仕組みも影響している可能性があります。
土地の評価は下がらないケースもある
建物は経年で評価額が下がりやすい一方、土地は地価の影響を受けます。例えば、周辺の地価が上昇していたり、人気エリアで需要が高かったりすると、土地の評価額が維持されたり、上がったりすることもあります。
そのため、特に土地の割合が大きい戸建てでは、建物評価額が下がっても、土地部分の税額が増えたりすれば、全体の固定資産税額としては大きな変化が出にくい、あるいは逆に上がってしまうというケースも珍しくありません。
なお、住宅用地には税負担を急激に増やさないための「負担調整措置」があり、本来の評価額と実際の課税額が一致していないケースもあります。
新築住宅の軽減措置終了で税額が変わることも
一戸建て住宅では、新築時の軽減措置が終了するタイミングで税額が変わることがあります。
新築戸建ては一定期間、建物の税額が半額
新築の一戸建て住宅では、一定の要件を満たす建物部分の固定資産税が一定期間2分の1に軽減されます。そのため、軽減期間が終了することで「急に固定資産税が上がった」と感じる人もいます。
図表1
■減額される床面積の範囲
| 120平方メートル以下の場合 | 2分の1 |
| 120平方メートルを超える場合 | 120平方メートル相当分について2分の1 (120平方メートルを超える部分は減額されない) |
■減額される期間
| 認定長期優良住宅 | 3階建て以上の準耐火構造および耐火構造住宅 | 新築後7年間 |
| 一般の住宅(上記以外) | 新築後5年間 | |
| 上記に該当しない住宅 | 3階建て以上の準耐火構造および耐火構造住宅 | 新築後5年間 |
| 一般の住宅(上記以外) | 新築後3年間 |
出典:横浜市 新築住宅に係る固定資産税の減額制度
固定資産税の評価額の見直しは依頼できる?
固定資産税の評価額に疑問がある場合、見直しを求めることは可能です。
誤りがあれば修正される可能性がある
例えば、以下のようなケースでは評価内容に誤りがある可能性があります。
・実際より建物面積が大きく登録されている
・存在しない設備が反映されている
・建物を一部取り壊したのに反映されていない
このような場合は、市区町村の固定資産税担当窓口へ相談することで、修正される可能性があります。毎年送付される「固定資産税課税明細書」を確認し、建物面積や構造などに間違いがないかチェックしておくとよいでしょう。
審査申出には期限がある
評価額そのものに不服がある場合は、「固定資産評価審査委員会」へ審査申出を行う制度があります。ただし、原則として納税通知書を受け取った日の翌日から起算して3ヶ月以内など、期限が設けられているため注意が必要です。単に「高い気がする」という理由だけでは認められにくく、客観的な根拠が求められます。
まとめ
築6年の戸建てで固定資産税が毎年変わらないのは、固定資産税が単純に築年数だけで決まるものではなく、土地と建物の評価額、3年ごとの評価替え、新築住宅の軽減措置など複数の要素が関係していることが考えられます。
特に戸建てでは、建物評価額が少しずつ下がっていても、土地部分の税額が維持されたり増えたりすることで、全体としては大きな変化が見えにくいことがあります。
なお、評価内容に誤りがある場合は、自治体へ確認や見直しの依頼を行うことも可能です。毎年届く課税明細書を確認し、自宅の固定資産税が適正かどうかを定期的にチェックしておくことが大切です。
出典
総務省 固定資産税
横浜市 新築住宅に係る固定資産税の減額制度
横浜市 縦覧帳簿の縦覧と審査の申出
執筆者 : 小山英斗
CFP(日本FP協会認定会員)
