わが家は「世帯年収900万円」の共働き家庭。子どもなしだと「給付付き税額控除」の恩恵を受けにくく“不公平”じゃないですか? 政府議論から見える「優先されそうな世帯」とは

配信日:
この記事は約 3 分で読めます。
わが家は「世帯年収900万円」の共働き家庭。子どもなしだと「給付付き税額控除」の恩恵を受けにくく“不公平”じゃないですか? 政府議論から見える「優先されそうな世帯」とは
「給付付き税額控除」をめぐる議論が進んでいます。政府の実務者会議では、「低所得者への配慮」や「世帯の状況等に応じた配慮」など、優先して支援すべき世帯についても検討されています。
 
そのため、夫婦共働きで世帯年収900万円、子どものいない世帯では、「自分たちは恩恵を受けにくいのでは?」と感じている人もいるかもしれません。
 
本記事では、2026年6月3日に開催された「給付付き税額控除等に関する実務者会議(第13回)」の資料をもとに、現時点で見えている制度の方向性を解説します。
東雲悠太

FP2級、日商簿記3級、管理栄養士

給付付き税額控除の影響は年収によって異なる?

「給付付き税額控除」とは、税金の負担を減らす「税額控除」と、現金を支給する「給付」を組み合わせ、税額控除だけでは恩恵を受けにくい人にも支援が行き渡るようにする制度です。
 
所得が少なく、所得税や住民税の負担額が小さい人は、通常の税額控除だけでは恩恵を受けにくいため、その差額を給付で補うことが基本的な考え方です。なお、第13回実務者会議では、制度実施のための事務負担を減らして早期に導入できるよう、給付に一本化する方向性も示されています。
 
こうした議論がある一方で、給付付き税額控除の目的の1つは、中低所得の現役勤労者の手取りを増やすことや、「年収の壁」による働き控えを緩和することです。実際に、第13回実務者会議の資料では、「中低所得の現役勤労者に着目」と明記されています。
 
現時点では、年収何万円以下が中低所得者の対象になるかという基準や、具体的な支援内容は決まっていません。しかし、給付付き税額控除の導入による影響は、世帯ごとの年収によって異なる可能性があると考えられます。
 

給付付き税額控除は子育て世帯に手厚い?

また、子育て世帯への配慮も検討されています。第13回実務者会議の資料には、「子育て世帯の負担にも配慮をすることを検討する」と明記されています。
 
子育て世帯への配慮として、具体的に挙げられているのが、「支援額の加算」や「所得金額の上限の引上げ」といった案です。子育て世帯に対して、金銭面で手厚く支援する方向性が検討されていることがうかがえます。
 
こうした議論を見ると、子どものいない世帯では、「自分たちへの支援は子育て世帯ほど手厚くないのでは」と感じる人もいるでしょう。もっとも、現時点では具体的な支援額は決まっておらず、あくまで制度設計の方向性が示された段階です。今後公表される中間取りまとめによって、対象となる世帯や支援内容がより明らかになる見込みです。
 

今後の議論に注目して制度設計を正しく理解しよう

給付付き税額控除をめぐる政府の議論では、「中低所得の現役勤労者に着目」する方針が示されています。また、子育て世帯については、「支援額の加算」や「所得金額の上限の引上げ」といった案も示されました。
 
そのなかで、夫婦共働きで世帯年収900万円、子どものいない世帯では、自分たちは制度の恩恵を受けにくいのではと感じるかもしれません。現時点では、具体的な年収基準や支援内容は決まっていませんが、制度改正による影響は、世帯の年収や家族構成によって異なる可能性はあります。一方で、必ずしも恩恵がないと決まったわけでもありません。
 
今後公表される中間取りまとめなどを通して、制度の具体像をしっかりと確認し、自分の世帯に対してどのような影響があるのかに注目しましょう。
 

出典

内閣官房 給付付き税額控除のイメージ(中間とりまとめに向けた議論の整理(給付付き税額控除))
 
執筆者 : 東雲悠太
FP2級、日商簿記3級、管理栄養士

  • line
  • hatebu

LINE