医療費の領収書、もう捨てて大丈夫って本当ですか? 医療費控除の申告方法が変わったのでしょうか。
特に、病院や薬局の領収書が多い家庭では、「保管するべきか、捨ててもよいのか」は気になるところです。本記事では、医療費控除における領収書の扱いと、現在の申告方法を解説します。
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目次
医療費の領収書は提出不要でもすぐ捨ててはいけない
医療費控除では、医療費の領収書を確定申告書に添付して提出する必要はありません。以前は領収書をまとめて提出するイメージを持っていた人も多いかもしれませんが、申告方法は変わっています。
ただし、「提出しない=捨ててよい」ではありません。国税庁は、医療費の領収書を確定申告期限等から5年間、自宅などで保存する必要があると案内しています。これは、税務署が申告内容を確認する際、必要に応じて領収書の提示や提出を求めることがあるからです。
例えば、2026年に2025年分の医療費控除を申告した場合、その申告に使った領収書はすぐに処分せず、2031年3月15日ごろまでは保管しておくと安全です。保管中に税務署から確認を求められた場合、すぐに該当する領収書を見つけられるよう、病院ごと、家族ごとに封筒へ分けておくとよいでしょう。
医療費控除の申告では「医療費控除の明細書」を提出する
医療費控除を受けるには、確定申告書に「医療費控除の明細書」を添付します。明細書には、医療を受けた人の名前、病院や薬局の名称、支払った医療費の額などを記入します。
ここで大切なのは、領収書を見ながら正しい金額を明細書にまとめることです。例えば、同じ人が同じ病院に何度も通った場合、1回ごとに細かく書くのではなく、病院や薬局ごとに合計して記入できます。
また、生命保険や健康保険などから補てんされた金額がある場合は、その分を差し引いて考える必要があります。入院給付金や高額療養費の支給を受けた場合などは、支払った医療費だけでなく、戻ってきた金額も確認しておきましょう。
医療費通知やマイナポータル連携を使うと申告の手間を減らせる
医療費控除の明細書は、領収書をもとに自分で記入することもできます。ただし、受診回数が多いと、病院名や支払額を一つずつ確認するのは手間がかかります。そこで活用したいのが、健康保険組合などから届く「医療費のお知らせ」などの医療費通知です。医療費通知を使うと、明細書の記入を一部省略できます。
ただし、医療費通知にすべての医療費が載っているとはかぎりません。例えば、年末近くに受診した分は反映が間に合わないことがあり、自由診療や通院のための交通費も記載されない場合があります。
そのため、医療費通知だけで申告内容を判断せず、載っていない支払いがないかを領収書などで確認しましょう。記載されていない医療費がある場合は、その分を医療費控除の明細書に追加して申告します。
また、e-Taxを使う人は、マイナポータル連携を利用すると、医療費通知情報を取得して申告書作成時に自動入力できます。スマートフォンで申告する人や、家族分の医療費が多い人にとっては、入力ミスを減らしやすい方法です。
なお、家族分の医療費通知情報を自動入力するには、事前にマイナポータルで「代理人の設定」を行っておく必要があります。登録には、申告する人と家族それぞれのマイナンバーカードが必要です。申告の直前に準備すると時間がかかることもあるため、早めに設定しておくと作業を進めやすくなります。
医療費控除の領収書は5年間保管し、申告前に整理しておこう
医療費控除では、領収書を確定申告書に添付して提出する必要はありません。ただし、税務署から確認を求められる場合があるため、申告期限等から5年間は保管しておく必要があります。つまり、「提出しなくてよい」は本当ですが、「すぐ捨ててよい」わけではありません。
申告前には、家族ごと、病院や薬局ごとに領収書を分けておくと、医療費控除の明細書を作成しやすくなります。医療費通知やマイナポータル連携も活用しながら、無理なく正確に申告を進めましょう。
出典
国税庁 No.1119 医療費控除に関する手続について
国税庁 医療費控除は“医療費控除の明細書”の添付が必要です
国税庁 令和7年分 確定申告特集
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
