住民税の“決定通知書”で、税額「月8000円以上」増えててショック!「年収500万円」は変わってないのにナゼ!? 住宅ローン控除の“適用期間”終了で、住民税がいくら増えるのか確認
住民税が高くなった原因として考えられるのが、住宅ローン控除の適用期間が終わりを迎えたケースです。しかし「控除が終わったからといって、なぜ住民税が増えるのか」とピンとこない人もいるでしょう。
本記事では、住宅ローン控除が住民税にも影響する仕組みを分かりやすく解説します。年収500万円で住宅ローン4000万円を借り入れているケースを例に、控除終了後に住民税がどう変わるかも見ていきましょう。
FP2級、日商簿記2級、宅地建物取引士、証券外務員1種
銀行にて12年勤務し、法人および富裕層向けのコンサルティング営業に従事。特に相続対策や遊休地の有効活用に関する提案を多数手がけ、資産管理・税務・不動産戦略に精通。銀行で培った知識と経験を活かし、収益最大化やリスク管理を考慮した土地活用のアドバイスを得意とする。
現在は、2社の経理を担当しながら、これまでの経験をもとに複数の金融メディアでお金に関する情報を発信。実践的かつ分かりやすい情報提供を心がけている。
住宅ローン控除が住民税にも適用される仕組み
住宅ローン控除は、年末のローン残高をもとに計算した金額を、最長13年、所得税から控除する制度です。ただし、控除額が所得税の額を上回る場合、引ききれなかった分は住民税からも差し引くことができる仕組みになっています。
この住民税からの控除には上限がもうけられており、所得税の課税総所得金額の5%か9万7500円の、どちらか低い金額となります。控除額が所得税を上回るケースでは、住民税から差し引かれる分も大きくなります。
住宅ローン控除が終了すると、この分が住民税に上乗せされるため、年収が変わらなくても増えることになるのです。
年収500万円で借入4000万円のケースだと、どれだけ控除されていたか
では、実際に年収500万円で住宅ローン残高4000万円の場合、どれくらいの金額が住民税から控除されていたのかを見てみましょう。
なお、住宅ローン控除の控除率は、契約時期によって異なります。ここでは、控除率1%で計算します。
控除額は借入残高ではなく毎年12月31日時点の年末残高をもとに計算します。仮に年末残高が4000万円の場合、住宅ローン控除額は、借入4000万円×1%=年間控除額40万円です。
年収500万円の場合、所得税額はおおむね10万~14万円の範囲になります。
控除額40万円のうちまず所得税分が全額差し引かれ、引ききれなかった残り26万~30万円が住民税の控除対象になります。ただし住民税からの控除には上限があるため、このケースの場合、実際に差し引かれるのは年間9万7500円です。
つまり控除期間中は、所得税が実質ゼロになったうえに、住民税からも年間9万7500円、月換算で8125円が減額されていたことになります。
控除終了後に住民税が増える理由と金額の目安
住民税は前年の所得をもとに計算され、5月や6月の通知書でその年1年分の金額が確定します。住宅ローン控除が終わったとき、年収も税率も変わっていないのに負担が増えたように見えるのは、控除という減額措置が終わったためであり、税金そのものが上がったわけではありません。
突然住民税が上がったように見えておどろくかもしれませんが、これまで受けていた恩恵が終わった分として受け止めると、気持ちの整理がしやすくなるでしょう。
まとめ
住民税が急に増えたと感じたとき、住宅ローン控除の適用期間が終わったタイミングであれば、増加分は控除の住民税分がなくなったことが原因である可能性があります。控除期間中は所得税から引ききれなかった分を住民税から差し引いているため、控除終了とともにその減額措置がなくなってしまうのです。
住民税が反映される6月以降、手取りが減る場合は、家計の見直しを早めに始めておくと安心かもしれません。
出典
財務省 身近な税Q&A ~身近な税について調べる~
国税庁 No.1212 住宅の新築等をし、令和3年までに居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)
執筆者 : 竹下ひとみ
FP2級、日商簿記2級、宅地建物取引士、証券外務員1種
