夫婦ともに正社員で世帯年収1000万円超の友人がいます。でも税金や社会保険料が高すぎて余裕はないそうです。実際どれくらい引かれるものなのでしょうか?
さらに住宅ローン、教育費、保育料、車、親への支援などが重なると、手取りが多くても余裕がない家庭はあります。年収1000万円といっても、片働きか共働きか、夫婦それぞれの年収配分によって手取りは変わります。大切なのは、額面ではなく可処分所得で見ることです。
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年収1000万円でも全額を自由に使えるわけではない
会社員の給与からは、税金と社会保険料が差し引かれます。主なものは、所得税、住民税、健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料です。40歳以上なら介護保険料も加わります。
所得税は所得が高いほど税率が上がる累進課税です。国税庁の所得税率表では、課税所得に応じて5%から45%までの税率が設定されています。ただし、年収そのものにその税率をかけるわけではありません。給与所得控除、基礎控除、社会保険料控除などを差し引いた後の課税所得に税率をかけます。
社会保険料も大きな負担です。厚生年金保険料は給与に応じて決まり、健康保険料は加入している保険者や都道府県、年齢によって異なります。協会けんぽも都道府県ごとの保険料額表を公表しています。
世帯年収1000万円でも、税金と社会保険料を差し引くと、手取りはおおむね700万円台後半から800万円台前半になることが多いです。月に直すと60万円台程度に見えるかもしれませんが、ボーナス込みの年収なら、毎月の手取りはもっと低くなります。
総務省の2025年家計調査報告では、2人以上の世帯のうち勤労者世帯(平均世帯人員3.20人、平均有業人員1.81人、世帯主の平均年齢51.0歳)の実収入は、1世帯あたり月平均65万3901円であることが報告されています。
共働きは片働きより手取り面で有利になることがある
同じ世帯年収1000万円でも、夫1人で1000万円稼ぐ場合と、夫婦で500万円ずつ稼ぐ場合では、税金の負担が変わります。所得税は個人ごとに計算されるため、収入が夫婦に分散しているほうが、税率が上がりにくくなることがあります。
たとえば、夫1人で年収1000万円の場合、課税所得が高くなり、所得税率も上がりやすくなります。一方、夫婦それぞれ年収500万円なら、それぞれの課税所得は低めになり、世帯全体の所得税は抑えられることがあります。
ただし、共働きでは夫婦それぞれが社会保険料を負担します。保険料は2人分かかるため、負担感は大きく見えるかもしれません。一方で、厚生年金に2人とも加入するため、将来の年金が夫婦それぞれ増える可能性があります。短期的な手取りだけでなく、老後の保障も見ておく必要があります。
また、共働きは支出も増えやすいです。保育料、学童、外食、時短家電、家事代行、通勤費、仕事用の服などがかかります。年収が高くても、共働きを維持するための費用が大きい家庭では、余裕がないと感じることがあります。
余裕がない理由は税金だけでなく固定費にもある
年収1000万円超で余裕がない家庭は、税金や社会保険料だけが原因とは限りません。手取りが多くても、固定費が大きいと家計は苦しくなります。
代表的なのが住宅ローンです。高年収を前提に高額な住宅を買うと、毎月の返済が大きくなります。さらに管理費、修繕積立金、固定資産税、火災保険もかかります。子どもがいる家庭では、保育料、習い事、塾代、私立学校、大学資金も重なります。
車を2台持っている、旅行や外食が多い、保険料が高い、サブスクや通信費を見直していない場合も、手取りが残りにくくなります。高収入世帯ほど、生活水準が上がり、支出も膨らみやすい点に注意が必要です。
一方で、年収1000万円超は家計改善の余地もあります。固定費を見直せば、月数万円単位で余裕が出ることがあります。住宅ローン、保険、通信費、車、教育費の優先順位を夫婦で話し合うことが大切です。
まとめ
夫婦ともに正社員で世帯年収1000万円を超えていても、税金や社会保険料が差し引かれるため、全額を自由に使えるわけではありません。手取りは家族構成や地域、年収配分によって変わりますが、おおむね700万円台後半から800万円台前半になることが多いです。
共働きで年収が分散している場合、所得税面では片働きより有利になることがあります。一方で、夫婦それぞれ社会保険料を負担し、保育料や家事負担を補う支出も増えやすいです。
余裕がない理由は、税金だけでなく住宅ローン、教育費、車、保険などの固定費にもあります。世帯年収1000万円超でも安心しすぎず、額面ではなく手取りと支出で家計を確認しましょう。高収入を活かすには、生活水準を上げすぎず、固定費を定期的に見直すことが重要です。
出典
総務省統計局 家計調査報告〔家計収支編〕2025年(令和7年)平均結果の概要
国税庁 No.2260 所得税の税率
協会けんぽ 都道府県毎の保険料額表
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
