妻が「月5万円」を“ハンドメイド販売”で稼ぐように! 本人は「扶養内でいられる」と言いますが“配偶者控除の対象外”になる可能性はありますか? 税金や社会保険の注意点を確認

配信日:
この記事は約 3 分で読めます。
妻が「月5万円」を“ハンドメイド販売”で稼ぐように! 本人は「扶養内でいられる」と言いますが“配偶者控除の対象外”になる可能性はありますか? 税金や社会保険の注意点を確認
妻がハンドメイド販売で毎月5万円ほど稼ぐようになると、「扶養内のままで大丈夫?」と不安になる人もいるでしょう。扶養には税法上と社会保険上の2種類があり、判断基準が異なります。売上と所得の違いも含めて確認しておきましょう。
小川ひろ

2級ファイナンシャル・プランニング技能士

「月5万円」は売上なのか所得なのかで判断が変わる

税金の計算をする場合、「売上」そのものではなく、売上から必要経費を差し引いた「所得」が重要です。例えば、年間売上が60万円でも、材料費や梱包資材、販売サイトの手数料、送料などで年間15万円かかっていれば、所得は45万円です。
 
一方、経費がほとんどなく、年間売上60万円がそのまま利益に近い場合は、所得も60万円前後になります。つまり、同じ「月5万円」でも、経費の金額によって扶養判定の結果が変わるのです。
 
ハンドメイド販売では、布、糸、金具、レジン、ビーズなどの材料費のほか、発送用の箱や封筒、販売サイトの利用料、振込手数料などが経費になり得ます。自宅の電気代や通信費などは、販売活動に使った分だけを合理的に按分する必要があります。レシートや領収書、販売履歴は必ず残しておきましょう。
 

配偶者控除は「所得62万円以下」が目安

税法上の扶養を考える際は、よく話題になる「年収の壁」という言葉だけで判断しないことが大切です。配偶者控除の対象になるかどうかは、配偶者の「収入」ではなく、「合計所得金額」で判断されます。
 
令和8年度税制改正により、2026年・2027年(令和8・9年)分の所得税では、配偶者控除の対象となる配偶者の合計所得金額の要件が、62万円以下に引き上げられます。収入136万円以下が目安とされていますが、これはパートやアルバイトなどの給与収入を前提にした考え方です。
 
ハンドメイド販売は給与ではないため、「売上が136万円以下なら扶養内」と単純には判断できません。前章に記した通り、売上から必要経費を差し引いた所得で確認する必要があります。
 
例えば、年間売上が60万円であれば、経費を差し引いた所得が62万円以下に収まります。この場合、ほかに所得がなければ、配偶者控除の対象となる可能性があります。
 
また、所得が62万円を超えても、一定範囲内であれば配偶者特別控除を受けられる可能性があります。
 
税法上の扶養では、「売上額」ではなく「所得」が基準です。年間を通じてハンドメイド販売を続けるのであれば、年末時点で所得がどの程度になるかを早めに把握しておきましょう。
 

社会保険の扶養は税金とは別に確認する

同じ「扶養」でも、税法上の扶養と社会保険上の扶養は仕組みが異なります。
 
夫の勤務先の健康保険に妻が被扶養者として入っている場合、一般的には年間収入130万円未満が1つの目安です。また、同居している場合は、妻の収入が夫の収入の半分未満であることも確認されます。
 
月5万円程度であれば、年間では60万円です。現状だけを見れば、社会保険の扶養を外れる可能性は高くないと考えられます。ただし、売上が伸びて月10万円を超えるようになったり、継続的に注文が増えたりする場合は注意が必要です。
 
自営業や個人事業による収入は、健康保険組合などが必要経費をどこまで認めるかによって判断が変わることがあります。税法上は経費にできても、社会保険の扶養判定では同じように扱われないケースもあります。そのため、売上が増えてきたら、夫の勤務先や加入している健康保険組合に早めに確認しましょう。
 

扶養内で続けるならば売上増加時の確認が大切

月5万円程度のハンドメイド販売であれば、直ちに扶養を外れる可能性は高くないでしょう。ただし、税法上は所得、社会保険上は収入の見込みなど、確認する基準が異なります。売上が増えてきたら、早めに勤務先や健康保険組合へ確認しておくと安心です。
 

出典

厚生労働省 「年収の壁」への対応
国税庁 源泉所得税の改正のあらまし 令和8年4月
国税庁 No.1180 扶養控除
 
執筆者 : 小川ひろ
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

  • line
  • hatebu

LINE