「ふるさと納税4万円」したのに“申告漏れ”で「3万8000円」の損!? 税務署に連絡すれば「還付金」は受け取れますか? 所得税・住民税はいくら“減額される”でしょうか? 対処法を解説
今回の記事では、申告漏れに気付いた場合の対処法や、住民税の申告の必要性の有無、修正した分の反映時期を解説します。
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
目次
ふるさと納税の申告を忘れたときはどうする?
ふるさと納税の申告漏れに気付いたときは、更正の請求書を作成し、税務署に提出します。更正の請求とは、申告した税額が多かったときに、納税義務者から税務署に対して減額更正を求める行為のことです。
更正の請求ができる期間は、原則として法定申告期限から5年以内です。ただし、控除を追加しても最終的な税額や純損失の金額に変動がない場合は、更正の請求はできません。
更正の請求書は、国税庁Webサイトの確定申告書等作成コーナーのページから作成できます。寄附先の自治体から送付された「寄附金受領証明書」の提出も忘れないようにしましょう。
更正の請求書を作成すると住民税の申告は必要?
住民税の計算は、年末調整や確定申告で前年の所得が確定してから行われます。
更正の請求書を税務署へ提出した場合、確定申告は住民税の申告も兼ねているため、自治体に改めて申告書を提出する必要はありません。実際に、神戸市のWebサイトには次のように記載されています。
“Q 税務署に確定(修正)申告をする予定ですが、神戸市への修正申告はどうすればよいですか?
A 確定申告は住民税(市県民税)の申告を兼ねていますので、神戸市へ改めて申告書を提出する必要はありません。確定申告後、住民税(市県民税)の税額(変更)の通知が送付されるまでに2、3ヶ月ほどお時間がかかります。”
修正した申告が住民税に反映されるまでには、時間がかかります。急ぎの場合は該当する課に問い合わせましょう。必要な書類も問い合わせておくと確実です。
修正した分はいつ頃反映される?
所得税の還付金がある場合には、還付されるまでに最低でも1ヶ月から1ヶ月半程度見ておきましょう。公金受取口座を登録していると、その口座に振り込まれます。会社員の場合、基本的に住民税は給与から天引きされています。引き落としが済んでいない残りの月で税額が調整されます。
自治体によっても異なりますが、反映されるまでに数ヶ月はみておいたほうがいいでしょう。兵庫県宝塚市では、還付金を受け取ることができる場合、修正申告の提出から2~3ヶ月後に受け取れるとしています。
一方、東京都中野区では、申告されてから処理が完了するまでに3~4ヶ月としています。また、特に2月~6月は処理が集中する時期のため、通常より時間がかかるとしています。申告漏れに気付いたときには、すぐに手続きをすることをおすすめします。
更正の請求をすると本当に控除される?
年収400万円で一人暮らしの人がふるさと納税で4万円分寄附をしたとして、更正の請求でいくら戻ってくるのかをシミュレーションしてみましょう。
ふるさと納税を申告しなかった場合
まず、給与収入から給与所得控除、基礎控除、社会保険料控除を引き、課税所得を求めます。今回、社会保険料控除は60万円とします。
給与所得控除:400万円×20%+44万円=124万円
給与所得:400万円-124万円=276万円
課税所得:276万円-(104万円+60万円)=112万円
課税所得を求め、所得に応じた税率をかけて所得税を算出します。
112万円×5%=5万6000円
所得税は5万6000円となりました。次に、住民税を求めるため、先ほどと同様に課税所得を求めます。
276万円-(43万円+60万円)=173万円
住民税の税率をかけて、住民税を求めます。
173万円×10%=17万3000円
更正の請求をした場合
それでは、4万円のふるさと納税分を更正の請求した場合、所得税と住民税でいくら減額されるのかを見ていきましょう。
ふるさと納税では2000円の自己負担があるため、控除される金額は3万8000円となります。先ほど求めた所得税における課税所得から控除額を引き、所得税を求めます。
112万円-3万8000円=108万2000円
108万2000円×5%=5万4100円
申告しなかったときは5万6000円だったため、1900円が還付されることになります。
次に、住民税でいくら減額されるのか計算してみましょう。住民税からの控除には、基本分と特例分の2つあります。それぞれの計算式は次の通りです。
・基本分:ふるさと納税額-2000円×10%
・特例分:(ふるさと納税額-2000円)×(100%-10%(基本分)-所得税の税率)
今回のケースを当てはめると、次のようになります。
・基本分:(4万円-2000円)×10%=3800円
・特例分:(4万円-2000円)×(100%-10%-5%)=3万2300円
控除される金額を求められたため、改めて住民税を求めてみましょう。
17万3000円-(3800円+3万2300円)=13万6900円
住民税が3万6100円減額されることが分かりました。所得税の還付金1900円と合わせて、自己負担2000円分を除いた3万8000円がきちんと控除されていることが分かります。
申告漏れに気付いたらすぐに手続きをしよう
ふるさと納税以外でも、医療費控除などの申告漏れに気付いたらすぐに手続きをしましょう。これまで見てきたように、修正が反映されるまでには時間がかかります。
税務署に更正の請求書を提出すると、お住まいの自治体にもデータが反映されますが、最低でも2ヶ月程度かかります。急いでいる場合は、自治体の窓口に問い合わせましょう。
出典
国税庁 No.2026 確定申告を間違えたとき
神戸市 税務署に確定(修正)申告をする予定ですが、神戸市への修正申告はどうすればよいですか?
執筆者 : 金成時葉
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
