年金を受け取りながら週3日パートで働いています。最低賃金が上がるそうですが、収入が増えると年金や税金に影響はあるのでしょうか?
年金を受け取りながら働いている場合、収入が増えることをうれしく感じる一方で、「年金の受取額は変わるのか」「税金や社会保険料の負担は増えるのか」と気になる人もいるでしょう。
では、収入が増えたときに、どのような点を確認すればよいのでしょうか。本記事では、最低賃金の上昇が年金や税金、社会保険に与える影響について解説します。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
目次
最低賃金の上昇で年金にどのような影響があるのか
最低賃金が引き上げられ、パート収入が増えても、「老齢基礎年金」が減ることはありません。注意したいのは、厚生年金に加入しながら「老齢厚生年金」を受け取っている場合です。
この場合、「在職老齢年金」という制度により、給与と老齢厚生年金の合計額が一定の基準(2026年4月以降の基準は月額65万円)を超えると、年金の一部または全部が支給停止になる可能性があります。
ただし、一般的な週3日のパート勤務では、基準を超えないケースが多いと考えられます。勤務日数だけでは判断できないため、毎月の給与額と老齢厚生年金の支給額を確認しましょう。
パート収入が増えると所得税や住民税はどうなるのか?
年金と給与は、税金を計算するときにそれぞれ所得として扱われます。公的年金は「雑所得」、パート収入は「給与所得」に分類されます。
どちらにも所得を少なく計算するための控除があるため、受け取った金額のすべてに税金がかかるわけではありません。ただし、最低賃金の上昇によって給与が増えると、所得税や翌年度の住民税が増える可能性があります。
ただし、税金が増えるかどうかは、パート収入だけでは決まりません。年金額や給与額のほか、年齢、支払った社会保険料、配偶者控除の有無なども税額に影響します。そのため、「パート収入がいくらまでなら税金がかからない」と一律に判断することはできません。
税金の負担が変わる可能性があるため、収入が増えた年は申告の要否も確認しておきましょう。その際に必要になるのが、勤務先から受け取る源泉徴収票と公的年金の源泉徴収票です。
確定申告が不要な場合でも、住民税の申告が必要になることがあるため、これらの書類はなくさずに保管しておきましょう。
週3日勤務における社会保険の加入条件
社会保険への加入は、週に何日働くかではなく、主に週の労働時間や勤務先の規模などで判断されます。
現在は、厚生年金保険の被保険者数が51人以上の企業などで働き、週の所定労働時間が週20時間以上、所定内賃金が月額8万8000円以上といった要件を満たす場合、健康保険や厚生年金の加入対象となります。
1日7時間を週3日働くと週21時間になるため、週20時間以上という要件を満たします。ただし、月額賃金や勤務先の規模、学生ではないことなど、ほかの要件も確認が必要です。
なお、年金制度の改正により、短時間労働者が社会保険に加入する条件は段階的に見直されます。2026年10月には、「月額8万8000円以上」という賃金要件が撤廃される予定です。
そのため、週の所定労働時間が20時間以上で、勤務先の企業規模などの条件を満たす人は、原則として給与額にかかわらず加入対象となります。
企業規模の条件も段階的に緩和され、2027年10月からは、厚生年金保険の被保険者数が36人以上の企業まで対象が広がる予定です。現在は加入対象でなくても、今後は対象になる可能性があるため、勤務先に確認しておくとよいでしょう。
実際に社会保険の加入対象となった場合は、保険料が給与から差し引かれるため、手取りが減ることがあります。その一方で、厚生年金への加入期間が長くなることで、将来受け取る年金額が増える点はメリットです。
また、病気やけがで仕事を休み、給与を十分に受け取れない場合には、傷病手当金の支給対象となることがあります。目先の手取り額だけで判断せず、将来受け取る年金や働けなくなったときの保障も踏まえて、今後の働き方を検討しましょう。
最低賃金が上がったら年金・税金・社会保険への影響を確認しよう
最低賃金が上がってパート収入が増えても、老齢基礎年金が減ることはありません。ただし、厚生年金に加入しながら老齢厚生年金を受け取っている人は、給与と年金の合計額によって支給額が調整される可能性があります。
また、収入の増加に伴い、所得税や住民税、社会保険料の負担が増えるケースも考えられます。
まずは勤務先に新しい時給と年間の見込み収入、社会保険の加入条件を確認することが大切です。そのうえで、毎月の手取りだけでなく、将来増える年金や受けられる保障も踏まえ、自分に合った働き方を検討しましょう。
出典
日本年金機構 在職老齢年金制度が改正されました
国税庁 高齢者と税(年金と税)
厚生労働省 社会保険適用拡大特設サイト 従業員のみなさま
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
