毎年作業着に「3万円」ほど使っています。会社員でも仕事用の服を経費にできるのでしょうか?
会社員が仕事のために支払った費用は、どのように扱われるのでしょうか。作業着代についても、税金の仕組みや勤務先の制度を正しく知っておくことが大切です。
本記事では、会社員が自費で購入した作業着代の取り扱いや、利用できる制度、必要な手続きについて解説します。
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会社員が負担した作業着代の扱い
会社員が仕事のために負担した費用は、「給与所得者の特定支出控除」の対象になることがあります。特定支出控除とは、業務上必要な費用を多く自己負担した場合に、その一部を所得から差し引ける制度です。
特定支出控除の対象には、仕事で着用する衣服の購入費も含まれます。国税庁は、対象となる衣服費として、制服、事務服、作業服など、勤務先で着用の必要がある衣服の購入費を挙げています。
例えば、工場や建設現場で着る作業着、安全性や衛生面の理由から会社が着用を指定している服などです。
一方、仕事でも使うものの、私服としても着られる一般的な衣服は、対象にならない場合があります。単に「仕事の日に着ている」というだけではなく、職務上の必要性が求められるためです。
また、特定支出控除の対象になるのは、原則として自分で負担した金額に限られます。会社から作業着代の支給を受けた場合や、非課税の補助を受けた場合は、その金額を控除の対象に含めることはできません。
年間3万円の作業着代を考える際のポイント
作業着代が制度上の対象になっても、支払った3万円をそのまま所得から差し引けるわけではありません。特定支出控除を利用できるのは、その年の対象支出の合計額が「給与所得控除額の2分の1」を超えた場合です。また、控除できるのも基準額を超えた部分に限られます。
例えば、2025年分以降の年収が400万円の場合、給与所得控除額はおおむね124万円です。その2分の1は約62万円となるため、年間3万円の作業着代だけでは基準を超えません。
ただし、判定の対象となるのは作業着代だけではありません。特定支出には、一定の通勤費や研修費、資格取得費、仕事に関係する書籍代なども含まれます。これらの費用を自己負担している場合は、作業着代と合算したうえで、控除の基準額を超えるかどうかを判断できます。
例えば、仕事に必要な資格講座の受講料として50万円を支払い、さらに書籍代と作業着代を合わせて15万円を自己負担したとします。
この場合、特定支出の合計額は65万円です。年収400万円の人であれば、給与所得控除額の2分の1を上回り、特定支出控除を受けられる可能性があります。
作業着代の控除に必要な手続き
特定支出控除を利用するには、勤務先から「仕事に直接必要な支出だった」ことの証明を受ける必要があります。作業着を購入しただけでは控除を受けられないため、事前に会社の担当部署へ相談しておくと安心です。
また、購入日や金額を確認できる領収書やレシートも保管しましょう。会社が作業着の種類や着用ルールを定めている場合は、就業規則や社内規程なども確認しておくと、仕事に必要な衣服であることを説明しやすくなります。
控除を受けるには、年末調整とは別に確定申告が必要です。国税庁が用意している特定支出に関する明細書や、勤務先の証明書などを添えて申告します。
なお、確定申告をしても、作業着代などの支出額がそのまま返ってくるわけではありません。控除によって税金を計算する際の所得が少なくなり、その結果として所得税や住民税の負担が軽くなります。
作業着代は会社の支給制度も確認しよう
会社員が自費で購入した作業着は、仕事に必要なものであれば特定支出控除の対象になる可能性があります。
ただし、年間3万円の作業着代だけでは、控除の基準額を超えにくいのが一般的です。そのため、資格取得費や研修費、仕事に関する書籍代など、ほかの対象支出も含めて確認しましょう。
これらを合計して基準額を超えそうな場合は、領収書を保管し、勤務先へ証明書の発行を相談する必要があります。あわせて、作業着の支給や購入補助がないか、社内制度がないかも確認しましょう。
出典
国税庁 No.1415 給与所得者の特定支出控除
国税庁 No.1410 給与所得控除
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
