夫が会社から永年勤続の記念品として「10万円分」の旅行券をもらいました。「福利厚生だから課税されない」と言いますが、本当に非課税なのでしょうか?
この記事では、会社から受け取った旅行券が非課税となるための条件や、受け取った際に確認しておきたいポイントについて分かりやすく解説します。
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永年勤続で受け取った10万円分の旅行券は非課税?
会社から永年勤続の記念品として贈られる10万円分の旅行券は、「会社の制度や福利厚生だから税金はかからない」と考える方もいるかもしれません。
しかし、旅行券のように換金性が高く現金と同じように使えるものは、原則として給与所得とみなされ、課税の対象となります。会社から10万円の給与を追加で支給されたのと同じ扱いになってしまうのです。
ただし、永年勤続者に支給する記念品や旅行、観劇への招待費用については、一定の条件を満たした場合には、例外的に非課税扱いとすることが認められています。
国税庁によれば、その基礎的な要件として、第一に対象者の勤続年数がおおむね10年以上であること、第二に同じ人を2回以上表彰する場合は前回の表彰からおおむね5年以上の間隔があいていること、そして第三に支給される額がその人の勤続年数や地位などに照らして社会一般的にみて相当な金額以内であることが挙げられます。
旅行券でも課税されないケースとは? 4つの要件を確認
前述の通り、旅行券の支給は原則として給与等として課税されます。ただし、国税庁によると、以下のような要件を満たすなど、「実質的に金銭を支給したことと同様と認められない場合」には、課税しなくても差し支えないとされています。
(1)旅行券の支給後1年以内に実際の旅行が実施されること。
(2)旅行の行き先や費用が支給された10万円の額面に見合った相当なものであること。
(3)旅行を終えた後に旅行先や日程、旅行会社への支払額などが確認できる旅行実施報告書に、必要な資料を添付して会社へ提出すること。
(4)もし支給後1年以内に旅行券を使用しなかったり未使用分が生じたりした場合、その残額を会社へ返還すること。
有効期限がなく無制限に保管できるものや、金券ショップ等で自由に換金できるものなどは、実質的な金銭支給と判断される可能性があります。
条件から外れて課税対象となった場合にかかる税金と手取り給料への影響
もし支給された10万円分の旅行券が非課税要件から外れてしまった場合、家計にはどのような影響があるのでしょうか。この場合、原則として旅行券の額面である10万円全額が、夫の給与等の収入金額として加算されることになります。
給与所得が増えると、その金額に応じて所得税や住民税の負担が増加します。仮に、この10万円の収入増によって課税所得が増え、所得税率10%・住民税(所得割)10%の区分に該当するケースでは、概算として2万円程度の税負担増が生じる可能性があります。
この増税分は、通常、旅行券が支給された月(または精算が行われる月)の給与等の支払い時に、現物給与の価額を給与等の支払金額に含めて計算された源泉徴収税額として徴収されることになります。その結果、現金で10万円をもらったわけではないにもかかわらず、増税分に応じて手取り給料が減ってしまうという現象が起こり得ます。
せっかくの記念品で手取り額が減ってしまわないよう、非課税条件に沿った運用になっているかを事前に確認しておくことが大切です。
まとめ
永年勤続の記念として会社から受け取った旅行券は、福利厚生の一環であっても一律に非課税になるわけではありません。勤続年数や支給額に加え、支給後1年以内に旅行することや、旅行実施報告書を会社へ提出することなど、一定の要件を満たす必要があります。
要件から外れると旅行券の額面が給与として課税され、所得税や住民税の負担が増える可能性もあるため、受け取った際は会社の利用条件や必要な手続きを確認しておくとよいでしょう。
出典
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)No.2591 創業記念品や永年勤続表彰記念品の支給をしたとき
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)No.2591 創業記念品や永年勤続表彰記念品の支給をしたとき 永年勤続者に対する旅行券の支給
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

