“空き家を解体”したら、固定資産税が「年間10万円」も上がった! なぜか「壊した建物分」にも課税されてたけど“過大徴収”は返してもらえる?「存在しない建物分」が徴収される理由とは? 取り戻す手順も解説
しかし、空き家の解体後に「固定資産税が急に高くなった」「取り壊したはずの建物にも課税されている」というトラブルを耳にしたことがある人もいるかもしれません。
実は空き家を解体すると、「住宅用地の特例」が外れるため、翌年度から土地の固定資産税が上がることがあります。
また、自治体に「建物を壊しました」という手続きが反映されていなければ、すでに存在しない建物分まで課税されてしまうこともあるのです。もし本来より多く納めていた場合、払い過ぎた税金は返してもらえるのでしょうか。
本記事では、空き家解体後の固定資産税の仕組みと、過大徴収があった場合の還付や還付加算金について解説します。
FP2級、防災士
空き家を解体すると固定資産税が上がるのはなぜ?
固定資産税は、土地の面積に対して一律でかかるのではなく、土地の「状態」に対して額が変わります。そのため、空き家を解体すると、「住宅用地の特例」が受けられなくなることがあるのです。住宅用地の特例とは、住宅が建っている土地の固定資産税を軽減する制度です。
小規模住宅用地(200平方メートル以下)なら、課税標準額が6分の1になります。つまり、評価額300万円の土地であれば、税金の計算上は「50万円の土地」として扱われる仕組みです。しかし、建物を解体して更地にすると、この特例は原則として翌年1月1日から適用されなくなります。
その結果、固定資産税が大きく増える可能性があるのです。「解体したら税金が6倍になる」といわれることがありますが、実際には土地の評価額や負担調整措置によって異なります。必ずしも6倍になるわけではありませんが、税負担が増えるケースは少なくないといえるでしょう。
「滅失届」が出ていないと、壊した建物にも課税されることがある
もう1つ注意したいのが、「建物滅失届」の手続きです。これは建物を取り壊した際に、自治体へその旨を知らせる手続きです。
法務局で滅失登記を行う方法と、市区町村へ建物滅失届を提出する方法がありますが、いずれにせよ、この情報が反映されていないと、固定資産課税台帳に建物が残ったままとなり、壊したはずの建物分まで課税される可能性があります。
また、更地になった土地は「雑種地」として扱われますが、手続きが完了していないと「宅地」として評価されてしまうこともあります。土地の利用状況によって評価方法が異なるため、誤った区分になっていると税額に影響することがあることを覚えておきましょう。
払い過ぎた固定資産税は返してもらえる?
固定資産税を払いすぎている「過大徴収」が認められれば、還付を受けられる可能性があります。
ただし、固定資産税の還付請求には原則として5年間の時効があります。払い過ぎに気づいた時点から、最大5年分まで返還されますが、固定資産税の額に不安を感じたら、できるだけ早く自治体の固定資産税課へ相談してみましょう。
また、税金を払い過ぎていた場合、還付金だけでなく「還付加算金」が支払われることがあります。還付加算金とは、払い過ぎていた期間に応じて加算される、いわば利息のようなものです。具体的な金額は、納付時期や自治体の処理時期によって異なるので、合わせて確認しましょう。
まとめ
空き家を解体すると、住宅用地の特例が外れるため、固定資産税が上がることがあります。また、滅失届の未反映や土地評価の誤りによって、本来より多く課税されることもあります。土地の利用用途が変わった際は、登記や届出に漏れがないかを確認することが大切です。
固定資産税の過大徴収が認められれば、原則として最大5年分の還付を受けられ、還付加算金が支払われる可能性もあります。固定資産税は毎年支払うものだからこそ、通知書の内容を一度確認し、不明な点があれば早めに自治体に相談するようにしましょう。
執筆者 : 渡辺あい
FP2級、防災士
