2027年から「防衛特別所得税」として“所得税に1%課税”開始!「また増税」と思いきや、東日本大震災の“復興特別所得税”引き下げで「手取り」は変わらない? 年収500万円の会社員で影響を試算
しかし、防衛特別所得税が始まっても、それだけを理由として給与から差し引かれる税額が増えるわけではありません。本記事では、防衛特別所得税の仕組みと、年収500万円の会社員を例に、2027年から税負担がどう変わるのかを確認します。
FP2級、日商簿記3級、管理栄養士
防衛特別所得税とは?
防衛特別所得税は、防衛力強化に必要な財源を確保するために創設され、2027年1月1日以後に生じる所得について、所得税と併せて課税される税金です。
防衛特別所得税の税率は1%ですが、年収に対して直接1%が課税されるわけではありません。給与所得控除や所得控除などを反映して所得税額を計算し、その所得税額をもとにした基準所得税額に1%を掛けて防衛特別所得税を算出する仕組みです。
年収が同じでも、家族構成や各種控除などによって所得税額が異なるため、防衛特別所得税の金額も一律ではありません。ここでは計算を分かりやすくするため、年収500万円の会社員で基準所得税額が10万円だったと仮定します。
この場合、防衛特別所得税は10万円×1%=1000円です。会社員の場合、2027年以降は毎月の給与などから、所得税、防衛特別所得税、復興特別所得税の合計額が源泉徴収されます。
なお、防衛特別所得税の課税期間は「2027年以後の当分の間」とされています。現時点で具体的な終了時期が定められているわけではありません。
防衛特別所得税が課税されても税額は変わらない?
防衛特別所得税として新たに1%が課税されると聞くと、その分だけ税負担が増えるように感じますが、今回の改正によって合計税率が上がるわけではありません。防衛特別所得税の導入と同時に、2027年から復興特別所得税の仕組みが変更されることが理由です。
復興特別所得税は、東日本大震災からの復興に必要な財源を確保するため、所得税額に対して現在2.1%が課税されています。この税率が2027年から1.1%に引き下げられます。
つまり、2027年からは防衛特別所得税1%と復興特別所得税1.1%を合計して2.1%となりますが、これは現在の復興特別所得税2.1%と税率は変わりません。
ただし、注意したいのが復興特別所得税の課税期間です。従来は2037年12月31日までとされていましたが、今回の改正によって2047年12月31日まで10年間延長されます。目先の税率だけでなく、復興特別所得税を負担する期間が延長される点も理解しておく必要があります。
防衛特別所得税の仕組みを正しく理解しよう
2027年から防衛特別所得税が導入され、所得税をもとに計算した金額に対して、1%が課税されます。
一方、同じタイミングで復興特別所得税の税率が2.1%から1.1%へ引き下げられるため、両者を合計した2.1%という税率は現在と変わりません。そのため、新しい税金が始まるからといって、それだけを理由に手取りが突然減るわけではありません。
ただし、復興特別所得税の課税期間は2037年末から2047年末まで10年間延長されます。「新しい税金が始まる=すぐに負担が増える」とだけ考えるのではなく、税率と課税期間の両方から今回の改正内容を正しく理解しましょう。
出典
国税庁 防衛特別所得税及び復興特別所得税(源泉徴収関係)Q&A
執筆者 : 東雲悠太
FP2級、日商簿記3級、管理栄養士
