給与から引かれる「社会保険料」どうしてこんな額になるの?

配信日: 2019.09.04 更新日: 2021.06.22

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給与から引かれる「社会保険料」どうしてこんな額になるの?
サラリーマンの方は会社からお給料を支給されるとき、給与明細書が渡されます。その中身をしっかりと確認したことがありますか?給与明細書の総支給額から、所得税と住民税、そして社会保険料を差し引いた金額が手取り収入として自由に使えるお金になります。
 
今回は、総支給額から差し引かれる社会保険料の中身を知ることと、中身の金額がどんなふうに計算されているかをお伝えします。
 
上山由紀子

執筆者:上山由紀子(うえやま ゆきこ)

1級ファイナンシャルプランニング技能士 CFP®認定者

1級ファイナンシャルプランニング技能士 CFP®認定者 鹿児島県出身 現在は宮崎県に在住 独立系ファイナンシャル・プランナーです。
 
企業理念は「地域密着型、宮崎の人の役にたつ活動を行い、宮崎の人を支援すること」 着物も着れるFPです。
 

社会保険料の中身は?

日本には、「社会保険制度」があります。基本的には、医療、介護、年金、雇用、労災の5つに分類されます。
 

 
・折半……会社が半分支払ってくれること。協会けんぽの保険料率は各都道府県により変わる(上記表示は宮崎県)。組合健保は組合の実情で保険料率、負担割合は変わります。ただし、厚生年金保険は全国変わらない。
 
・標準報酬月額……収入に応じて保険料は決まるが、毎月の収入は月により変動するので計算事務を簡素化するために段階的に仮の報酬月額を決めること。4月~6月の3ヶ月間の報酬の平均額を算出して計算する。(定時決定)
 

あなたの社会保険料はいくら?

社会保険料は、上記の表にあるように、サラリーマンが負担しなければならないのは、労災保険を除く健康保険、厚生年金保険、介護保険(40歳以上の方)、雇用保険です。
 
例えば、宮崎県に住んでいるサラリーマン45歳の4月~6月の報酬平均32.9万円(年収490.3万円)の場合で計算してみましょう。
 
1.全国健康保険協会の平成31年度保険料額表(※1)より、報酬平均32.9万円は23(20)等級で標準月額が32万円です。
 
2.まずは、健康保険料の確認をします。年齢が45歳ですから、介護保険料も加わります。保険料額表の「介護保険第2号被保険者に該当する場合」の折半額と23(20)等級の交わったところ、「1万8800円」が支払う金額です。
 
計算式は32万円×11.75%÷2=1万8800円(月額)
1万8800円(月額)×12ヶ月=22万5600円(年額)となります。
 
3.次は厚生年金保険料の確認をしていきます。23(20)等級は変わりません。厚生年金保険料の折半額と23(20)等級の交わったところ、「2万9280円」が支払う金額です。
 
計算式は32万円×18.3%÷2=2万9280円(月額)
2万9280円(月額)×12ヶ月=35万1360円(年額)となります。
 
4.雇用保険料(一般の事業)を確認します。一般の事業にお勤めの方の負担率は「3/1000」です。事業主の負担率が「6/1000」です。合計の負担率は「9/1000」(※2)となります。
 
計算式は毎月の給与総額×雇用保険料率=雇用保険料
 
例えば、給与総額が32.9万円の場合は
32.9万円×3/1000=987円(月額)となります。
987円(月額)×12ヶ月=1万1844円(年額)となります。
 

社会保険料の合計は?

上記で計算した合計金額は
健康保険料(介護保険料含む):1万8800円(月額)
厚生年金保険料:2万9280円(月額)
雇用保険料:987円(月額)
社会保険料ひと月の合計金額 4万9067円となります。
 
現在の給料は、現金支給というところは少ないでしょう。口座入金になり、会社からもらうのは、給与明細書だけだと思います。毎月、同じ金額だから給与明細書をじっくりとみることもないのではないでしょうか。
 
できれば、一度ご自分の給与総額はいくらか、社会保険料はいくらか、税金はいくらか、など確認し、自分の自由に使えるお金はいくらなのかを確認してみると、今後の暮らし方を考えるきっかけになるのではないでしょうか。
 
出典
(※1)全国健康保険協会「平成31年4月分(5月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表」(宮崎県)
(※2)厚生労働省「平成31年度の雇用保険料率について」
 
執筆者:上山由紀子
1級ファイナンシャルプランニング技能士 CFP®認定者

 

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