更新日: 2021.06.23 その他税金

消費税率10%の飲食料品と8%の飲食料品の違いは何か説明できますか?

消費税率10%の飲食料品と8%の飲食料品の違いは何か説明できますか?
2019年(令和元年)10月に日本の消費税率が8%から10%へ引き上げられる予定です。
 
しかし、一部では軽減税率の適用により今までと変わらず8%に据え置かれるので、消費税率は8%と10%の2つが混在することになります。そこで、何が8%の軽減税率の適用になるのか簡単にまとめてみました。
 
松浦建二

執筆者:松浦建二(まつうら けんじ)

CFP(R)認定者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
1990年青山学院大学卒。大手住宅メーカーから外資系生命保険会社に転職し、個人の生命保険を活用したリスク対策や資産形成、相続対策、法人の税対策、事業保障対策等のコンサルティング営業を経験。2002年からファイナンシャルプランナーとして主に個人のライフプラン、生命保険設計、住宅購入総合サポート等の相談業務を行っている他、FPに関する講演や執筆等も行っている。青山学院大学非常勤講師。
http://www.ifp.cc/

軽減税率が適用されるのは飲食料品と新聞の一部

消費税の軽減税率は、生活必需品の飲食料品や新聞の税率を抑えて、日々の生活費の負担を減らす目的で導入されます。これにより特に低所得者の負担感を少し和らげることができます。
 
飲食料品の範囲(概要)

 
日常生活に必要な飲食料品は、基本的に軽減税率が適用されて8%から変わりません。宅配やテイクアウトも軽減税率が適用されますが、外食やお酒は軽減税率が適用されず10%になります。
 
飲食料品と飲食料品以外が一体になっているような商品(一体資産)は、税抜価格が1万円以下で、飲食料品の占める割合が3分の2以上であれば、全体に軽減税率が適用されます。飲食料品と同様に軽減税率が適用される新聞は、定期購読契約された週2回以上発行の新聞に限られます。
 

軽減税率の対象になるの? ならないの?

次に軽減税率が適用されるかどうか簡単に判断できないようなケースについて、どちらの税率を適用するのか国税庁の「消費税の軽減税率制度に関するQ&A」をもとに解説します。下記の事例で「〇」は税率8%(軽減税率)、「×」は税率10%(標準税率)が適用されます。
 
お酒
「○」
ノンアルコールビールやアルコール分1度未満の甘酒の購入
酒類を原料とした菓子でも酒税法規定の酒類に該当しない菓子の購入
 
「×」
酒税法に規定するアルコール分1度以上の酒類の購入
 
栄養ドリンク・健康食品
「○」
医薬品や医薬部外品に該当しない栄養ドリンクの購入
医薬品等に該当しない特定保健用食品や栄養機能食品の購入
 
「×」
医薬品や医薬部外品の栄養ドリンクの購入
 
保冷剤
「○」
ケーキやプリン等の洋菓子を購入する際にサービスで付いてくる保冷剤
 
「×」
ケーキやプリン等の洋菓子を購入する際に別途有料で提供される保冷剤
 
社員食堂・学生食堂・給食
「○」
学校給食法に規定するすべての児童や生徒に対して提供される学校給食
 
「×」
軽減税率が適用外の「食事の提供」に該当する社員食堂
利用が選択制であり「食事の提供」にも該当する学生食堂
 
コンビニ・ファストフード
「○」
持ち帰って飲食するコンビニやファストフードの飲食料品
 
「×」
コンビニやファストフードの店内で飲食する場合の飲食料品
セット商品の一部を店内飲食し、一部を持ち帰りの場合
 
出前・配達・出張料理
「○」
注文者の指定した場所まで単に届けるだけの出前そばや宅配ピザ等
 
「×」
注文者の自宅で調理や盛り付けまで行う出張料理・家事代行
 
病院での食事
「○」
入院時食事療養費に関わる病院での食事(非課税)
 
「×」
患者が自分で選択できる特別メニューの食事
 
新聞
「○」
毎週2回以上発行で定期購読契約しているスポーツ新聞や業界紙
 
「×」
毎週2回以上発行しているが定期購読せずに駅等で購入する新聞
インターネットを通じて配信している電子版の新聞
 
少しの例しか挙げていませんが、知らないことが多いのではないでしょうか? 購入後はレシートを確認すると軽減税率が適用されたかどうかわかりますが、購入前に判断するのであれば、わからない時は店員に聞くのが無難です。
 
当初は多くの不具合が生じるでしょうが、そのうち購入者も販売者も慣れて、ストレスなく軽減税率と標準税率の使い分けができるようになるでしょう。
 
※消費税の軽減税率について疑問等がある場合は、国税庁のホームページにある「消費税の軽減税率制度に関するQ&A」を確認してください。
 
執筆者:松浦建二
CFP(R)認定者
 

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