更新日: 2020.07.15 その他税金
6月から開始された新年度の住民税。あらためて住民税についておさらい
執筆者:新井智美(あらい ともみ)
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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住民税とは?
住民税とは、都道府県民税と市町村民税をまとめたもので、法人にかかる法人住民税と、個人にかかる個人住民税があります。
そして、住民税には、前年の所得金額に応じて課税される「所得割」といわれる部分と、所得金額にかかわらず定額で課税される「均等割」の2つに分けられます。
■個人住民税の均等割とは?
個人住民税の均等割とは、非課税となる人を除き、所得に関係なく均等に課税されるものです。ちなみに現在の標準税率は、市町村民税および特別区民税ですと3500円、都道府県民税ですと1500円に設定されています。この均等割は地域によって異なります。
■個人住民税の所得割とは?
個人住民税の所得割とは、原則として前年の所得金額を標準として課税されます。計算方法は以下のとおりです。
所得割額 = (所得 - 必要経費 - 所得控除)× 税率 (基本は10%)- 税額控除
標準税率は、都道府県民税が4%、市町村税が6%となっています。
個人住民税の納付方法
個人住民税の納付方法には、「特別徴収」と「普通徴収」があります。会社にお勤めの方であれば、勤め先の会社が税務署に代わってお給料から毎月徴収します。これを特別徴収といいます。
逆に自営業者や個人事業主の方であれば、個人で直接納付する形になります。これを普通徴収といい、原則として毎年6月、8月、10月、1月と年に4回に分けて納付することになっています。
注意しておきたい住民税の所得控除
所得税を計算する際に使用する所得控除ですが、住民税を計算する際には原則として、「雑損控除」「医療費控除」「社会保険料控除」および「小規模企業共済等掛金控除」については同額で計算します。
しかし、それ以外の控除額については、所得税の計算に使用する額よりも少なくなっていることに注意が必要です(※1)。
個人住民税の改正点
個人住民税については、2021年度より以下の点が改正されます。来年度の課税に関わる部分ですので、しっかりと改正内容を把握しておきましょう。
・給与所得控除を10万円引き下げ
・控除額の上限が適用される給与等の収入額を1000万円から850万円に、上限額を220万円から195万円に引き下げ
・公的年金等控除を10万円引き下げ
・公的年金等の収入金額が1000万円以上の控除額に195.5万円の上限を設定
・公的年金等以外の所得金額が1000万円を超える場合は控除額を引き下げ
・基礎控除を10万円引き上げ
・合計所得金額が2400万円超の場合は3段階で逓減し、2500万円を超える場合は適用外とする
・事実婚状態でないことを確認した上で支給される児童扶養手当の支給を受けており、前年の合計所得金額が135万円以下であるひとり親の個人住民税を非課税とする
まとめ
企業にお勤めの方であれば、その年の6月から新たな年度の額が徴収されます。前年の所得によっては、納める額が大きくなったり逆に少なくなったりします。個人住民税の決定通知書が届いた際には、自分の給与明細書と照らし合わせ、きちんと確認するようにしましょう。
(※1)練馬区「住民税と所得税の違い」
(※2)国税庁「NO.1410 給与所得控除」
(※3)国税庁「公的年金等の課税関係」
(※4)国税庁「No.1199 基礎控除」
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
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