祖母が「昔は銀行の金利が6%くらいあった」と言っていましたが本当ですか?今はなぜ利息がほぼない状態なのでしょうか。
祖母や親世代からそんな話を聞くと、今の超低金利時代を生きる私たちには信じがたい昔話のように感じられるかもしれません。しかし、この話は決して誇張ではなく、実際に日本の銀行金利が高水準だった時代が存在しました。では、なぜ当時は高金利が当たり前だったのでしょうか。そして、なぜ今は預金してもほとんど利息がつかない状況になってしまったのでしょうか。本記事では、時代背景や経済の仕組みをひも解きながら、その疑問にわかりやすく答えていきます。
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なぜ当時はそんなに金利が高かったのか
金利が高かった主な理由は、日本経済全体が成長し、物価上昇率も高かったためです。高度経済成長期からバブル期にかけて、企業は設備投資や事業拡大のために多くの資金を必要としていました。個人も住宅ローンや自動車ローンを積極的に利用しており、「お金を借りたい人」が非常に多かったのです。
日本銀行は物価上昇を抑えるため公定歩合を高めに維持しており、銀行は預金として集めたお金を比較的高い金利で企業や個人に貸し出せました。そのため、預金者にも高い利息を支払う余裕があったのです。さらに、当時は金融規制が厳しく、預金金利には上限が設けられていたため、市場競争による急な金利変動は起こりにくい状況でした。
インフレが高金利を支えていた
もう一つ重要な要因が「インフレ」です。物価が毎年のように上昇していた時代には、お金の価値が時間とともに下がります。そのため、預金金利が高くなければ、実質的にお金の価値を守れませんでした。
例えば、物価が年4%上昇する中で金利が1%しかなければ、実質的には資産が目減りしてしまいます。当時の金利水準(定期預金で6%前後)は、インフレを考慮すれば「特別に得をしていた」というより、「価値を維持するために必要な水準」でもあったのです。
なぜ今は利息がほぼゼロなのか
現在の日本で金利が極端に低い最大の理由は、長引く景気の停滞と低インフレです。バブル崩壊以降、企業は借金をしてまで投資を拡大する姿勢を弱め、個人もお金を借りることに慎重になりました。「お金を借りたい人」が減った結果、金利は上がりにくくなったのです。
さらに、日本銀行は景気を下支えするため、長年にわたりゼロ金利政策やマイナス金利政策、金融緩和を続けてきました。金利を低く抑えることで、企業や個人にお金を使ってもらい、経済を活性化させようとしたのです。その結果、預金金利はほぼゼロに近い水準まで下がっています。
「貯金だけで増える時代」は終わった
祖母の時代と今とでは、経済環境そのものが大きく異なります。かつては名目上、貯金をしているだけで資産が増えましたが、今は預金だけではお金はほとんど増えません。
その中でもより金利の高い銀行へ預け替えを行う人も増えているようです。NTTデータ経営研究所が行った「金利上昇局面における金融サービスの利用動向調査」によると、直近1年間で4人に1人以上が、預金金利の高い銀行へ100万円以上の預貯金の預け替えをしたと回答しています。
また、約半数の人は預金金利が比較的高いインターネット専業銀行を利用していると回答していました。
金利の違いは「良しあし」ではなく「時代の違い」
祖母が語る「金利6%の時代」は事実であり、それは日本経済が成長し、インフレも進んでいた時代背景があったからこそ成り立っていました。一方、現在は景気低迷やデフレ、そして長期にわたる金融緩和政策によって、金利が極端に低く抑えられています。その結果、預金だけで資産を増やすことは難しくなりました。
重要なのは、過去と今を単純に比べて嘆くことではなく、それぞれの時代に合ったお金との向き合い方を理解することです。金利の変化を知ることは、これからの資産形成を考えるうえでの第一歩になると言えるでしょう。
出典
NTTデータ経営研究所 金利上昇局面における金融サービスの利用動向調査
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
