更新日: 2019.07.24 その他資産運用

老後2000万円問題で資金作りを始める人が続出。資産は増やすだけでなく、守ることも意識して

執筆者 : 當舎緑

老後2000万円問題で資金作りを始める人が続出。資産は増やすだけでなく、守ることも意識して
老後の資金不足2000万円問題の広がりで、自分年金づくりをする個人の動きが出てきたようです。
 
ネット口座を開いて運用を始める現役世代も増えており、自分年金づくりが広まる状態は、筆者のようなFP(ファイナンシャルプランナー)にとってもライフプランの大切さを説明する上で、喜ばしい限りです。ただ、貯めるというのは、同時に資産を守る必要がでてきます。
 
今回は「資産を守る」ために、運用と同時に考えておきたい注意点をお話ししたいと思います。
 

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當舎緑

執筆者:當舎緑(とうしゃ みどり)

社会保険労務士。行政書士。CFP(R)。

阪神淡路大震災の経験から、法律やお金の大切さを実感し、開業後は、顧問先の会社の労働保険関係や社会保険関係の手続き、相談にのる傍ら、一般消費者向けのセミナーや執筆活動も精力的に行っている。著書は、「3級FP過去問題集」(金融ブックス)。「子どもにかけるお金の本」(主婦の友社)「もらい忘れ年金の受け取り方」(近代セールス社)など。女2人男1人の3児の母でもある。
 

「貯められる」それとも「だまされる」、この境界は紙一重と考えたい

2019年に入ってから、金融商品を購入した客が苦情を申し立てるという問題がすでに起こっています。銀行窓口による外貨建て保険の販売と、かんぽ生命の保険不適切販売です。
 
お客様に理解していただくという、一番大切なことが置き去りにされ、その結果、利回りやリスクの説明が不十分だという苦情が増加したのです。
 
銀行の外貨建て保険に加入した方の中には、「銀行が販売する商品だから安心」と加入を決めた方もいるでしょう。また、今回発覚したかんぽ生命の不適切販売からも、同様の背景が透けて見えます。
 
普段から接している銀行への安心感が、「自分で理解する」という一番大切なことをおざなりにしていたのでしょう。
 
日本人は「貯める」と「元本保証」が大好きです。販売員からこの2つのキーワードが出てきても、「だまされた」と後で苦情を言うことの無いよう、自分で理解するという手間を省かないでください。
 

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自分に合った金融商品の正しい見つけ方

日本人に投資は馴染まない、元本割れに抵抗があることはよく言われることです。ただ、銀行に勧められるまま、抵抗があるはずのリスク商品を購入してしまうというのは、もったいないと言わざるを得ません。では、どのように金融商品を購入すればいいのかを考えてみましょう。
 
まず、自分はライフステージのどこにいて、今後どのようなお金が必要になるかの確認をしましょう。
 
遺族のための保障、子供が独立していれば老後資金やリフォームのための資金、自分のお葬式のための資金など、ライフステージごとに必要な保障も変わりますし、貯める目的も変化します。まずは、この2点をはっきりとさせることです。
 
一般的な保険商品というのは、年齢が上がるごとに、更新されるたびに、保険料が高くなります。保険料が高くなった時には、再度同じ保険に加入する必要があるのかという点を考えていただきたいと思います。
 
もし、老後資金のために外貨建て保険に加入するのなら、元本が保障されるのはどんな時か、例外はあるのかどうかというのは質問するべきです。
 
保険料が上がって、こんな保障が新しくついたんですよというキャッチセールスがあったとしても、新しいものが必ずしもいいものとは限りません。一度持ち帰って家族に相談してみれば、頭がクールダウンでき、他の選択肢を考える余裕もできるでしょう。
 

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貯めるために「守ること」も考える

2000万円を貯める目標で、運用口座を開設したり、勉強を始めたりした方への注意点をお話ししておきます。
 
今回、問題となったのは、老後資金です。運用を始める際に、投資や確定拠出年金の講座に参加することもあると思いますが、何度も言われるのは、「卵は一つの皿に盛るな」という格言でしょう。
 
投資先を分けるのはもちろんですが、必要な時期が決まっているお金、例えば、子供の受験費用や入学金など、使用目的に応じた貯蓄をしましょう。
 
また、保険の見直しは定期的に行うことです。保険はどんどん新しい商品が出てきますが、保険はそもそも「亡くなった時」「病気になったとき」「損害を受けた時」などのリスクに対応するというのが本来の目的ですので、「貯める」という目的にはそぐわなくなってきているのが、低金利時代の特徴といえるでしょう。
 
「これでもうかった」「この商品はこれまで価値が下がったことはない」「これは損をしない」など、他人の話はほどほどに聞いておきましょう。以前、運用先として過熱していた仮想通貨への人気も一旦収まったかに見えますが、また復活しつつあるようです。
 
「増やす」ことに熱心なのはいいことですが、「今が買い時」「他人が儲かったなら自分も」など、一見おいしく見える話には、注意してください。目標額を貯めたとしても、無くなってしまったら、元も子もありません。
 
2000万円問題でお金を運用するということに興味を持ち、勉強を始めた方も多いでしょう。今後は、増やすことを考えるなら同時に「資産を守る」ための注意も怠らないようにしましょう。
 
執筆者:當舎緑
社会保険労務士。行政書士。CFP(R)。