更新日: 2019.07.31 その他資産運用
銀行に預けても増えない・・一般投資家がすぐにできる低リスク投資とは?
場合によっては利下げもあり得るとの観点から、株式市場は不確実性にはすぐに反応するものの、低金利によって、中途半端にリスクを取りやすくなったままです。落ち着きを取り戻すと、株式市場等、リスクオンの動きがでてきます。いったりきたりを繰り返しますので、個人型確定拠出年金iDeCoやつみたてNISAなど、少額からできる非課税を伴う積立投資家にとっては、ほぼ無風状態が続いています。
一方で、積立投資家において一般的なリスク資産である、株式を中心とした投資信託(投信)への積立投資とは別に、預貯金などの無リスク資産もなかなか増えない状態のままです。
今回は、リスクがほとんどない安全資産である、無リスク資産について限定してご紹介します。
執筆者:野原亮(のはら りょう)
確定拠出年金相談ねっと認定FP
確定拠出年金創造機構代表
https://wiselife.biz/fp/rnohara/
現東証1部上場の証券会社に入社後、個人営業・株式ディーラーとして従事。口座残高が当初20万円のお客様が2,000万円になったことも。その後、営業マーケティング会社に転職。生涯担当顧客は1,000名超。 2016年に確定拠出年金専門のファイナンシャルプランナーとして開業。法人への企業型確定拠出年金制度の導入を中心に、個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)制度の普及にも努めている。生活に密着したお金の話は「人生有限、貯蓄無限」と考え、公的年金や資産運用のアドバイスも。2017年、DVD「一人社長・夫婦経営の社長のための確定拠出年金」を出版
https://www.amazon.co.jp/dp/B073JFYMQV
一般投資家がすぐにできる、低リスク投資とは?
数年後、あるいは数十年後など、将来に備えた貯蓄部分の中で、比率は人それぞれであるものの、リスク資産だけでなく、無リスク資産も一定比率組み入れておくことは重要であると筆者は考えます。むしろ、リスクの少ない金額、無リスク資産の比率をまずは決めると良いでしょう。
いざという時に備える保険や、日常生活に必要な財布代わりの普通預金、あるいは急に必要になるかもしれない緊急資金、これらは普通預金で良いでしょう。さらに今すぐ使う予定はない予備資金、投信にもまわせる資金・資産も必要となってきます。貯蓄部分全体に占める無リスク資産の比率は、50%を上限に、リスク許容度に応じてその比率を減らしていくイメージで良いと思います。
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大健闘している為替ヘッジ付先進国債券
無リスク資産には、日本国債、為替ヘッジ付先進国債券、普通預金・定期預金、などがあげられます。この中で2019年6月28日現在、為替ヘッジ付先進国債券の半年間のリターンは4.5%程度と、ほぼ右肩上がりの大健闘です。
為替リスクを軽減し、日本国債と同様、為替ヘッジ付先進国債券は先進国の安全資産です。iDeCoでは取り扱いのある運営管理機関(運管:金融機関)はあるものの、つみたてNISAでは直接購入できないのが一般的です。そのため、積立投資家には馴染みのない資産クラスだろうと思います。ただ筆者としては、資産配分を決める上で、日本国債ではない、為替リスクが軽減されている無リスク資産として非常に重要視しています。
無リスク資産による運用は、比較的簡単に利回りを上げることができる
リスク資産では利回りを上げることも、どれくらいの利回りを達成できるかもわかりません。事前に予想し、確実に目標達成できるかどうかがわからないのです。ところが、無リスク資産はそうではありません。
かつて筆者のお客様で、金利の面から予備資金を丸々、ネット証券の普通預金に移し替えた方もいらっしゃいました。こういった移し替えにより、例えば、金利0.001%を0.01%や0.1%にすることはできます。すぐに使わないお金ですが、流動性があり少しでも高めの金利で置きっ放しにしたいというニーズでした。
いまの時代、普通預金の金利は低空飛行を続けています。しかし、それでも移し替え等により、少しだけ金利をあげることができます。このようなちょっとしたことも資産運用の基本なのです。
また、たまにやっている定期預金金利の増額キャンペーンや、個人向け国債「変動10」募集の現金プレゼントキャンペーンを活用し、ちょっとだけ利回りを上げることも可能です。為替ヘッジ付先進国債券は、どれくらいの利回りになるか事前にはわかりませんが、リスク資産に比べて多少は把握しやすくなっています。
どちらにしても、簡単にできることはなるべく活用していくことです。大きく増えることは考えにくいですが、大きなリスクを負うことなく、無リスク資産全体としての利回りをあげていくことも大切です。株式中心の投信を始める前に、またはそれをちゃんと補完していく運用として、ちょっと立ち止まって考えてみるのも良いでしょう。
執筆者:野原亮
確定拠出年金相談ねっと認定FP