複利効果について ― 分配型投資信託は本当に得か?

配信日: 2020.07.31

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複利効果について ― 分配型投資信託は本当に得か?
皆さん、単利と複利という言葉をご存じですよね。資産運用をする際に、元本が生み出した金利を払ってしまい、その後の運用に活用しない方法を単利、元本が生み出した金利をさらに元本に組み入れて、その後の運用に生かす方法を複利といいます。
 
以前は銀行預金でも複利で増える商品がありましたが、今ではほとんどありません。それでも投資の世界では、複利効果という言葉は今でも生きています。
 
具体的には、投資信託で生じた配当や分配金をそのまま受け取らず、元本に加えて再投資をする方法です。「分配金再投資型」投資信託と呼ばれており、複利効果が期待できます。
 
それに対して「毎月分配型」投資信託は、毎月分配金を受け取れますが、複利効果はありません。この記事では、投資における重要ポイントである複利効果について解説してみたいと思います。
浦上登

執筆者:浦上登(うらかみ のぼる)

サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー

東京の築地生まれ。魚市場や築地本願寺のある下町で育つ。

現在、サマーアロー・コンサルティングの代表。

ファイナンシャル・プランナーの上位資格であるCFP(日本FP協会認定)を最速で取得。証券外務員第一種(日本証券業協会認定)。

FPとしてのアドバイスの範囲は、住宅購入、子供の教育費などのライフプラン全般、定年後の働き方や年金・資産運用・相続などの老後対策等、幅広い分野をカバーし、これから人生の礎を築いていく若い人とともに、同年代の高齢者層から絶大な信頼を集めている。

2023年7月PHP研究所より「70歳の現役FPが教える60歳からの「働き方」と「お金」の正解」を出版し、好評販売中。

現在、出版を記念して、サマーアロー・コンサルティングHPで無料FP相談を受け付け中。

早稲田大学卒業後、大手重工業メーカーに勤務、海外向けプラント輸出ビジネスに携わる。今までに訪れた国は35か国を超え、海外の話題にも明るい。

サマーアロー・コンサルティングHPアドレス:https://briansummer.wixsite.com/summerarrow

銀行預金における複利効果

話を分かりやすくするために、まずは例として、毎年一定の金利で複利運用した場合の銀行預金での複利効果を説明しましょう。
 
銀行預金の場合、利率は決まっているので、何年先にいくらに増えるかが計算できます。100万円を年利3%で3年間、単利運用した場合と複利運用した場合とを比較してみます。
 
単利運用:
100万円×(1+0.03×3)=109万円
複利運用:
100万円×1.03^3=109.27万円
 
このように複利運用した場合は、単利運用と比べ、100万円当たり2700円増加します。
 

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投資信託における複利効果とは?

投資信託における複利効果は、株式の運用益を契約者に分配せず、再投資に回すことによって得られます。
 
投資信託の場合、元本の増加率は一定ではないので銀行預金のような計算はできませんが、銀行預金と同様、複利効果で投資額の増加率が加速します。
 

長く持ち続けるほど複利効果は大きくなる

複利効果は長く持ち続けるほど大きくなります。以下の表・グラフを見て分かるように、時間がたてばたつほど増加率の差は大きくなります。

※筆者作成
 

利率が大きいほど複利効果は大きくなる

以下の表・グラフで分かるとおり、利率を5%にした場合はさらに増加率が増すことになります。

※筆者作成
 

投資信託の場合も同じ

長く持ち続けるほど複利効果は大きくなる、そして、増加率が大きくなるほど複利効果は大きくなるということは、利率が一定ではない投資信託の場合でも同じです。
 
毎月分配金をもらえる投資信託を買うよりは、分配金を出さず、運用益を再投資に回す投資信託を買った方が長期間持ち続けることのメリットが大きいといえます。
 
執筆者:浦上登
サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー


 

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