ヒゲがない「陽線坊主」と「陰線坊主」。このローソク足が表す意味とは?
配信日: 2021.04.19
これまで、陽線・陰線、十字線、上ヒゲ・下ヒゲ、大陽線・大陰線と、ローソク足の形状とその意味についてお伝えしてきましたが、今回は「陽線坊主」・「陰線坊主」についてお伝えしていきたいと思います。
執筆者:重定賢治(しげさだ けんじ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP)
明治大学法学部法律学科を卒業後、金融機関にて資産運用業務に従事。
ファイナンシャル・プランナー(FP)の上級資格である「CFP®資格」を取得後、2007年に開業。
子育て世帯や退職準備世帯を中心に「暮らしとお金」の相談業務を行う。
また、全国商工会連合会の「エキスパートバンク」にCFP®資格保持者として登録。
法人向け福利厚生制度「ワーク・ライフ・バランス相談室」を提案し、企業にお勤めの役員・従業員が抱えている「暮らしとお金」についてのお悩み相談も行う。
2017年、独立行政法人日本学生支援機構の「スカラシップ・アドバイザー」に認定され、高等学校やPTA向けに奨学金のセミナー・相談会を通じ、国の事業として教育の格差など社会問題の解決にも取り組む。
https://fpofficekaientai.wixsite.com/fp-office-kaientai
陽線坊主と陰線坊主の形状
陽線坊主と陰線坊主の特徴は上ヒゲ・下ヒゲがないことです。坊主というのは言い得て妙ですが、始値と終値しかなく、毛がないことを例えています。
■陽線坊主と陰線坊主
※筆者作成
【PR】資料請求_好立地×駅近のマンション投資
【PR】J.P.Returns
おすすめポイント
・東京23区や神奈川(横浜市・川崎市)、関西(大阪、京都、神戸)の都心高稼働エリアが中心
・入居率は99.95%となっており、マンション投資初心者でも安心
・スマホで読めるオリジナルeBookが資料請求でもらえる
陽線坊主と陰線坊主の意味
陽線坊主は、終値が始値を大きく上回っている状態ですが、上ヒゲ・下ヒゲがないため、その日の始値から終値まで気迷いなく一気に買い上げられたことを示しています。
一方、陰線坊主は、終値が始値を大きく下回った状態ですが、こちらも上ヒゲ・下ヒゲが共になく、始値から終値に至るまで一気に売られたことを示しています。
通常、上ヒゲ・下ヒゲがある場合、高値・安値が始値や終値とは別にあることを意味しますが、陽線坊主と陰線坊主では、高値・安値が始値・終値と同じ値になっているため、このようなきれいな長方形として描かれます。
両方とも、相場の勢いとしてはかなり強い、もしくは、かなり弱いことを意味しています。上ヒゲ・下ヒゲがなく、安値がなく高値で引けている、高値をつけることなく安値で引けているため、陽線坊主では買い方の意欲が強く示され、陰線坊主では売り方の意欲が強く示された形となります。
陽線坊主と陰線坊主がトレンドの転換局面で現れる場合
陽線坊主が安値圏で現れると、買い方の勢いが強いことを意味しているため、その後、上昇トレンドに転換することが予測されます。また、高値圏で現れると、反転のサインと受け止められることがあります。
片や、陰線坊主は、陽線坊主とは逆で、高値圏で現れると売り方優位であることから、その後は売りが続き、安値圏で現れると反転上昇の兆しとして受け止められたりします。
いずれにせよ、陽線坊主・陰線坊主は、極端な買い優位・売り優位の状態を示しているため出現頻度は必ずしも多くなく、トレンド転換のサインとしては重要なローソク足ということができるでしょう。
ただ、これらだけで必ずトレンドが転換すると判断することは危険であるため、他のテクニカル指標も併せて総合的に判断していくようにしましょう。
まとめ
これまで、ローソク足の基本として、いくつかの形状についてお伝えしてきました。
次回は、日経平均株価指数の日足チャートを用い、ローソク足の形状が実際どのように映し出されているかを確認しながら、ローソク足の読み取り方を練習していきたいと思います。
執筆者:重定賢治
ファイナンシャル・プランナー(CFP)