更新日: 2021.05.28 その他資産運用

コロナショックの後の上昇局面で「三山」が出現。その後の展開を実際のチャートで確認する

執筆者 : 重定賢治

コロナショックの後の上昇局面で「三山」が出現。その後の展開を実際のチャートで確認する
前回は「酒田五法」のうち、「三山」が現れたら、以降のトレンドがどうなるかについてお伝えしました。今回は実際のチャートを用い、三山出現後のトレンドについて確認してみたいと思います。

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重定賢治

執筆者:重定賢治(しげさだ けんじ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP)

明治大学法学部法律学科を卒業後、金融機関にて資産運用業務に従事。
ファイナンシャル・プランナー(FP)の上級資格である「CFP®資格」を取得後、2007年に開業。

子育て世帯や退職準備世帯を中心に「暮らしとお金」の相談業務を行う。
また、全国商工会連合会の「エキスパートバンク」にCFP®資格保持者として登録。
法人向け福利厚生制度「ワーク・ライフ・バランス相談室」を提案し、企業にお勤めの役員・従業員が抱えている「暮らしとお金」についてのお悩み相談も行う。

2017年、独立行政法人日本学生支援機構の「スカラシップ・アドバイザー」に認定され、高等学校やPTA向けに奨学金のセミナー・相談会を通じ、国の事業として教育の格差など社会問題の解決にも取り組む。
https://fpofficekaientai.wixsite.com/fp-office-kaientai

三山のおさらい

まずは、あらためて三山出現後のトレンドパターンについておさらいしておきましょう。
 
三山は上昇トレンドが続いた後、チャート上、3つの上値を頂点として3つの山ができるというのが特徴です。山があるということは谷もあるということなので、3つの山に対して少なくとも2つの谷ができます。この結果、しばらくの間は相場が揉み合う展開が続き、ボックス相場になるというのが三山の基本的なチャートパターンです。
 


※筆者作成
 
三山が出現した後、トレンドは転換していきますが、これは端的にいうと、長く揉み合い相場が続いた後で新しいトレンドが形成されるという意味です。その転換パターンは、上昇局面のどの位置で三山が現れるかによって異なります。
 
三山が上昇局面の序盤や途中で現れた場合、結果として、三山出現後のトレンドは上昇トレンドになりやすい傾向があります。
 

※筆者作成
 
一方、三山が上昇局面の終盤で現れると、三山出現後のトレンドは下降トレンドに転換していく傾向があります。
 

※筆者作成
 
ここまでが三山のおさらいですが、それでは実際のチャートで三山がどのように出現し、その後、どのようなトレンドになっているのか確認してみましょう。
 

実際のチャートで三山出現後のトレンドを確認しよう

次のチャートは、2020年10月30日から2021年5月18日までの日経平均株価指数の日足チャートです。
 
タイミングとしては、アメリカの大統領選挙を巡る憶測から日経平均株価指数が急上昇し、その後、3万円を突破、日本国内において新型コロナウイルス感染症拡大に伴い3回目の緊急事態宣言が出され、その後しばらくの間、相場が揉み合っているといったところでしょうか。
 
○日経平均株価指数(日足):2020年10月30日~2021年5月18日)


※筆者作成
 
三山は上昇トレンドが1つ目の山によっていったん打ち消され、2つ目の山、3つ目の山と上値を試す展開を示すのが特徴ですが、上のチャートでは上値のトレンドライン(赤線)が3つの山の頂となり、三山が形成されたことが分かります。
 
一方、下値のトレンドラインを見ると、3つの谷によって相場が反転していることも確認できます。これも三山形成を確定させる要素になっています。
 
日経平均株価指数においては3万円近辺が強力なレジスタンス(上値抵抗)になっており、上昇の勢いがこの水準で極めて強く削がれ、チャート上ではテクニカル的に、これが三山形成につながっていることが確認できます。
 
重要なのは、この三山が上昇局面のどの段階(ステージ)で出現しているのかですが、端的にいうと、
 

(1)三山が上昇局面の序盤や中盤で現れていると考えるならば、その後、日経平均株価指数は上昇する
(2)三山が上昇局面の終盤で現れているならば、その後、日経平均株価指数は下落する

 
といった可能性を探ることができます。
 
上のチャートではコロナショック後の推移を全て網羅していませんが、コロナショック後の底値が1万6000円水準なので、ここを起点にコロナ相場が始まっているとします。
 
このため、コロナショック後の上昇局面は上のチャートで見るよりも実際はより長期に渡っているわけですが、上のチャートで確認できる三山がコロナショック後の上昇局面の中でどこに位置しているかを考える必要があります。
 
上のチャートでは、三山出現後、日経平均株価指数が下値のトレンドラインを割り込んでいるため、投資家はどちらかというと、この三山がコロナショック後の上昇局面の終盤で現れたととらえているように見受けられます。
 
この視点で見ると、日経平均株価指数は上昇トレンドから下降トレンドに転換し、今後はしばらくの間、値を下げていくだろうと推測することができるかもしれません。
 
この見方は、先ほど挙げた(2)「三山が上昇局面の終盤で現れているならば、その後、日経平均株価指数は下落する」に当てはまりますが、現時点では三山が形成され、次のトレンドに移行したため、厳密にいうと、今後さらに大きく下げるか、再び上昇トレンドを描き出すかは、他のテクニカルツールや分析手法の活用、ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)分析などを行いながら予測していく必要はあるでしょう。
 
仮に、上のチャートで出現している三山が、コロナショック後の上昇局面の終盤に現れたものではなく、途中で現れているものであると捉えるならば、可能性としては(1)「三山が上昇局面の序盤や中盤で現れていると考えるならば、その後、日経平均株価指数は上昇する」に該当してきます。
 
難しいのが、三山において下値のトレンドラインを割り込んでしまっている点ですが、この評価においては、他の手法の活用や分析を行っていく必要があります。
 

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まとめ

三山というものは、単に波形パターンの1つで、絶対的なものではありません。
 
今回お伝えしたように、あくまでも傾向を探るための法則に過ぎないため、三山が形成されたからといって、直接的に「これからは買いだ!」、「これからは売りだ!」といった判断につながるようなものではありません。この点には気を付けて、酒田五法の理解につなげていくようにしましょう。
 
次回は、三山の一形態である「三尊」が現れた後の展開について見ていきたいと思います。
 
執筆者:重定賢治
ファイナンシャル・プランナー(CFP)
 

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