更新日: 2023.04.04 株・株式・FX投資

投資商品の「仕組債」にご用心! 金融庁が名指しで注意喚起する理由とは?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

投資商品の「仕組債」にご用心! 金融庁が名指しで注意喚起する理由とは?
「仕組債」は、初心者だけではなく、投資経験豊富な人でも理解が難しい金融商品です。リスク評価や投資判断が困難にも関わらず、十分な説明がされないまま販売されているケースが多くなっています。
 
この記事では仕組債の概要、メリット・デメリット、金融庁から注意喚起されている点について解説します。

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仕組債とは

仕組債とは、債券にスワップやオプションのような、デリバティブ商品を組み合わせて運用を行う、一般的な債券にはみられない「特別な仕組み」がついた債券です。
 
スワップは金利や通貨を交換する取引、オプションは決められた価格で将来売買できる権利を意味します。
 
一般的な債券は、発行体(国や企業など)の信用に基づいて発行され、発行時に決められた償還日や利率により利子が支払われ、償還日に元本が満額戻ってくる仕組みです。
 
一方、仕組み債ではデリバティブを組み合わせる仕組みにより、投資家や発行者のニーズに合わせて満期やクーポン(利子)、償還金、元本確保の条件などを、多種多様な形態に設定することができます。一般的な債券に比べて金利が高いのが魅力の1つです。
 
仕組債には多様な商品がありますが、代表的なものは他社株転換可能債(EB債)や株価指数連動(リンク債)の2つです。
 
通常の債券と異なり、他社株転換可能債(EB債)・株価指数連動(リンク債)は参照銘柄の値動きによって、一般の債券よりも利回りの良い運用ができます。
 
仕組債の対象が株式の場合には、次のようになります。
 

●株価が設定範囲内で値動きすれば満期まで運用される
●株価が設定範囲よりも上昇した場合は早期償還される
●株価が設定範囲よりも下落した場合は元本割れすることがある

 
満期償還、早期償還ともに額面100%が償還金として支払われますが、設定範囲よりも株価が下落した場合は「ノックイン」と呼ばれます。
 
ノックイン後に満期まで運用された場合でも、償還される際の償還金は元本割れする危険性があります。
 

仕組債のメリット・デメリット

仕組債のメリット・デメリットをご紹介します。
 

メリット

仕組債は、一般の債券よりも高い利率での運用が可能です。個人向け国債の平均的な利回りは0.05%程度ですが、仕組債は利率を比較的自由に設定できるため、高利回りが期待できます。
 
また、ノックイン価格・クーポン(利率)・銘柄・償還条件を、投資金額やリスク許容度、希望利回りなどのニーズに合わせたオーダーメードが可能です。
 

デメリット

償還金額が元本を大きく下回ると元本割れする可能性があります。
 
株価がノックイン水準まで下落しなければ元本割れの可能性は低いのですが、もし一度ノックイン価格を下回ってしまうと、その後にノックイン価格を上回っても元本割れをする可能性が残ります。
 
また、仕組債は償還まで保有することが原則で、途中売却はほぼ不可能です。仮に売却できるとしても、債券の流通量は景気の動向や金利変動、発行元の信用力などによって決定されるのに対して、オーダーメードされた仕組債は、流通量も市場からの需要も少ないため、売却するのに時間がかかってしまいます。
 

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仕組債が金融庁から注意喚起されている点

十分なリスクについて説明がされないまま仕組債が販売されている状況から、金融庁主導の厳しい指導が入り、各金融機関も仕組債の販売規制を取り入れ始めました。
 
金融庁が問題ととらえた仕組債の問題点を2つご紹介します。
 

仕組が複雑でリスクを理解できない人が多い

仕組債はさまざまな条件が組み込まれているため、丁寧な説明が求められますが、集められた苦情内容から鑑みると、実際には十分な説明がされていないケースがあるようです。
 
金融庁の「第1回 金融審議会 顧客本位タスクフォース」では、「早期償還となり元本が戻ってきた際、同じ銘柄の仕組債を『ノックインは確率的に低い』等と勧誘されたが、ノックインした」という苦情が掲載されていいます。
 

高額な手数料を負担している可能性がある

仕組債を購入するとき、販売会社が販売手数料と合わせて、仕組債を組成する手数料も費用に計上しているため、個人投資家は相応のコストを負担していることになります。
 
一般の債券であれば満期保有が前提で、購入時の手数料以外には費用がかかりません。多くの場合、途中解約しなければ、満期までの数年間は置いておくだけです。
 
しかし仕組債の場合、早期償還と新規購入を繰り返すたびに手数料を支払うシステムになっています。株価が所定の範囲内を超えて上昇すれば、短期間で早期償還することで、販売会社は手数料を手にすることができます。
 

まとめ

仕組債について解説しました。仕組債自体には高利回りが期待できる、オーダーメードで商品を購入できる、などのメリットがありますが、反面、元本割れする可能性がある、流動性が低い、などのデメリットもあります。
 
また、商品の仕組み自体も複雑で、手数料も多めに取られてしまうため、初心者は簡単に手を出さない方がいいでしょう。
 

出典

日本証券業協会 「仕組債」とは?

金融庁 第1回 金融審議会 顧客本位タスクフォース

金融庁 資産運用業高度化プログレスレポート2022(概要版)

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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