更新日: 2024.05.21 NISA

NISAを始めました。もうかっていますが、売らなくても大丈夫ですか? 売るタイミングはいつですか?

NISAを始めました。もうかっていますが、売らなくても大丈夫ですか? 売るタイミングはいつですか?
2024年から、非課税で投資ができる「NISA制度」が新しくなりました。それを受けて「最近、NISAを使った資産運用を始めた」という方もいるかもしれません。
 
NISAで資産運用をしていると、市場の影響を受けて、利益が出ることもあるでしょう。もうかっている場合は、すぐに売ったほうがよいのか、そのまま持ちつづけたほうがよいのか、悩むかもしれません。本記事では、資産運用における商品の売りどきについて、一緒に考えてみましょう。
下中英恵

執筆者:下中英恵(したなかはなえ)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者

“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。

富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”

NISA売却時のポイント

NISAでは、資産運用を行う目的別に、売りどきを考えていきましょう。NISAの非課税枠には、株式などリスクが比較的高い商品に一括で投資をすることができる「成長投資枠」と、毎月あらかじめ決めた金額分だけ積立投資を行う「つみたて投資枠」の2つがあります。
 
成長投資枠を使って、株式投資でデイトレーディングのような短期売買をしようとしている場合、利益が出た段階ですぐに売却して、利益を確定させても特に問題ありません。成長投資枠は、年間で240万円まで投資ができます。
 
例えば、ある株式銘柄を200万円分購入したとします。購入から1ヶ月後に300万円まで値上がりした場合、売却すると100万円の利益を確定させることが可能です。
 
課税口座の場合、100万円の利益には約20万円の税金がかかりますが、NISAなので税金を支払う必要はありません。また、この時点で価格が年間投資枠240万円を超えてしまっていますが、値上がりにより非課税枠を超えた分に対しても課税はされません。
 
一方、つみたて投資枠を使って、投資信託などに毎月こつこつと積立投資をしている場合は、利益が出たからといってすぐに売却する必要はありません。積立投資をしている場合、利益が再投資されて、お金が雪だるま式に増えていく「複利の効果」というものが得られます。複利の効果をより多く得るには、長期的に投資を行うほうが効果的です。
 
そのため、デイトレーダーではない場合は、NISAのつみたて投資枠で積立投資の設定をしたら、基本的にはほったらかしておけばよいでしょう。
 
NISAのつみたて投資枠は、もともと10年や20年などの長期投資を目的として作られています。普段は自動買い付けに任せて、マイホームの購入、子どもの学校の入学金、老後の資金など、お金が必要になったときに売却を検討してみましょう。
 

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売却したら非課税枠が復活

NISAの売却時には、覚えておきたいポイントがあります。それは「NISAで売却した場合、その分の非課税枠が復活する」ということです。
 
ただし、復活するのは売却した年の翌年となります。また、復活する枠は買値ベース(簿価)であり、売却時の金額が復活するわけではありません。そして、非課税枠が復活したとしても、年間の投資上限枠を超えた投資をすることはできません。
 
例えば、ある株式銘柄について、成長投資枠で200万円分購入したとします。その5年後に300万円まで値上がりした状態で売却すると、100万円の利益を確定させることが可能です。そしてさらにその翌年、非課税枠は200万円分復活します。
 
ただし、200万円分の非課税枠が復活しても、年間の投資上限額がアップするわけではありません。売却した翌年に投資ができる金額は、成長投資枠で年間240万円までです。
 
非課税枠の復活を有効活用すれば、何度も非課税で利益を確定させながら、投資を続けることができるでしょう。
 

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まとめ

最近NISAで投資を始めたという方は、売りどきに悩んでしまうかもしれません。積立投資を行っている人は、あまり深く考えず、お金が必要になるときまで売却せずに長期投資を続けましょう。複利の効果によって、利益を大きく増やすことができる可能性があります。
 
一方、株式投資でデイトレードを行う人は、非課税枠の復活を利用しながら、投資を行いましょう。投資枠の復活は翌年であること、年間上限枠を超えて投資することはできないことなど、注意点を覚えておくことが大切です。
 
本記事で紹介した内容を参考にしながら、自分の売りどきについて、ぜひ考えておきましょう。
 
執筆者:下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者

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